スペイン語の学習でつまずく点の一つに『関係詞』があります。ここでは、関係副詞 como の意味や用法をまとめました。
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はじめは、そもそも como が関係副詞であることも知りませんでした。
関係副詞 como の用法
“como”は方法・様態の名詞(modo, forma, manera)または副詞を先行詞とする関係副詞です。
制限用法
先行詞の意味を限定する制限用法では、方法・様態の名詞や副詞を先行詞にとります。例えば、次のような使われ方をします。
el modo como …
la manera como …
la forma como …
ただし、この用法では como の代わりに en que がよく用いられます。
独立用法
独立用法の como 節が名詞節(主語・目的語など)として働いているときは、疑問詞 cómo とするのが一般的です。独立用法とは、関係詞 como 自体が先行詞の意味を含んでいる用法のことを言います。
Me gustó cómo nos enseñó el profesor.(como 節は動詞 gustar の主語)
– 教授の教え方が気に入った。
No sé cómo hacerlo. (como 節は動詞 saber の目的語)
– それをどうやるべきか分からない。
前置詞的用法
como を名詞句の前に置いて、前置詞のように用いる用法です。①比喩「〜のような」と②資格「〜として」の2つの使い方があります。
比喩として用いる際、名詞につく冠詞の有無については『数えられる名詞かどうか』で決まります。とはいえ、調べるといろんな表現が出てきたので、目安と思ってください。
Él ha empezado a hablar el español como pez en el agua.(単数の可算名詞)
– 彼は水を得た魚のようにスペイン語を話し始めた。
Ella tiene un gran corazón como el sol[sol].(単数の不可算名詞)
– 彼女は太陽のように寛大な心を持っている。
制限用法
Eso depende de la manera como[en que] lo realice.
- それは実施されるやり方によります。
解説
ここでの como は制限用法として先行詞 la manera を修飾しています。Eso depende de la manera は「それはやり方による」という意味ですが、como 節が la manera の意味を限定しているということです。現代では como よりも en que が代用されることが多いです。
独立用法
Nos explicó cómo lo había llegado.
– 彼はどうやって到着したのか私たちに説明してくれた。
解説
独立用法の como 節が名詞節として働いているので、ここでは疑問詞 cómo とします。例文中の動詞 explicar の目的語は la manera[el modo]などの”方法”なので、文の成り立ちは次のようになります。
Nos explicó la manera como lo había llegado. において、先行詞 la manera を 関係副詞 como に含めると Nos explicó como lo había llegado. になります。さらに、関係副詞 como を 疑問詞 cómo に変えて出来上がりです。
Es mejor que lo hagas como tú quieras.
– 君の好きなようにそれをした方がいい。
解説
ここでの como は「~するように」という方法・様態を表します。この用法は「関係副詞の独立用法」というよりも一般的には「接続詞」と考えられるようです。como 節内の動詞 querer が接続法 quieras に活用されているのは、話者(主語)が「君の好きなようにやればいい」と言う場面ですが、その”方法”を知らないために接続法にします。
関連 【接続法は5パターン】スペイン語の直説法と接続法の違いとは

前置詞的用法
La que está tocando el piano allí, que es mi hija, se ve brillante como una estrella.
– あそこでピアノを演奏しているのは、私の娘だが、星のように輝いて見える。
解説
ここでの como は比喩「~のような」という意味で用いられています。主語(La que está tocando el piano allí)が se ve brillante「輝いて見える」という文ですが como una estrella が副詞句として動詞 verse を修飾しています。このように como は前置詞のような働きもします。
Debes aconsejar a tu hijo como padre.
– 君は父親として息子に助言すべきだよ。
解説
ここでの como は資格「~として」という意味で用いられています。この場合 como に続く名詞は基本的は無冠詞で用いられます。そのため como padre となっています。ただし、形容詞や前置詞句などで修飾されるときは、不定冠詞が付きます。
Me recibieron como un mienbro de la familia.
– 彼らは私を家族の一員として迎えてくれた。
以上です。この記事で como への理解が深まれば嬉しいです。como の使い方が理解できたら、ぜひ自分だけの例文を作ってみましょう。理解できたらすぐにアウトプットすべきです。
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