- Podcastを始めたいと考えている人
- Apple Podcast が好きな人
- Podcastの有料配信をしたいと考えている人
皆さんはPodcast好きですか?
筆者はPodcastが好きで、普段スペイン語を学習するのに使っています。加えて、スペイン語番組と島暮らし番組を配信しています。
この記事では、Apple Podcastでのサブスクが実際のところどうなのかを紹介していきます。
Apple公式が発表しているガイドラインもありますので、合わせてご覧いただくと必要としている情報が見つかると思います。
関連 Apple Podcasts for Creators
Podcastの始め方
Podcastの配信方法は大きく3通りあります。
- Anchor(ホスティングサービス)で配信
- 「Wordpress + プラグイン」で配信
- Apple Podcast Connectで直接配信
Podcastの音声データはRSSフィード(データ)としてWEB上に公開されます。そのRSSフィードをどのように生成するのか、どのようにWEB上に登録するのか、どのように聴くのかで方法が異なります。
それぞれの方法のメリット・デメリットを説明していきますね。
1. Anchorで配信
PodcastホスティングサービスのAnchorはRSSフィードの登録からRSSリーダー(Apple podcast, Spotifyなど)との連携までをまるごと行うことができます。
関連 Podcast 配信アプリAnchor使い方まとめ【初心者向け】
iPhoneなどのスマホさえあれば自分のPodcast番組を持てることはAnchorの特徴であり、メリットです。
無料で簡単に配信できること自体は強みですよね。
デメリットは、日本ではまだ収益化ができないことです。これについてはPodcastは収益化できるのか【Anchor視点】にて解説していますので、そちらをご覧ください。
2. WordPress + プラグイン
Podcast番組とブログやWEBサイトを連携させたい人向けの方法です(それ以外の人は関係ありません)。
WordPressのPodcastプラグインとしては次のようなものが挙げられます。
先程のAnchorなどの音声プラットフォームに自分の収録データを預けず、自分のコンテンツとして所有することができます。
この場合、仮に、音声プラットフォームのサービスが終了しても、自分の音声コンテンツは削除されません。
RSSリーダーにも配信連携することができるなどメリットだらけですが、WordPressで作成したブログなど自分のWEBサイトを持っていないと行うことができません。
そのため、万人受けの方法ではありません。
3. Apple Podcast Connectでの直接配信
Apple Podcast Connectでは、Podcastの配信の仕方を次のように選択することができます。
- 無料番組かつ他社プラットフォームでの配信
- 有料番組かつApple Podcastでの配信
この2択は悩みどころかもしれません。
有料サブスク番組として音声コンテンツを配信する場合はApple Podcastのみの提供となります。
これはSpotifyやGoogle Podcasts、Amazon Musicなど様々なプラットフォームが台頭してきている現在において、多くのユーザーに音声コンテンツを届けたいと考えている人にとってはデメリットでしょう。
次項から、このApple Podcast Connectでのサブスク配信について深掘りしていきます。
Apple Podcastでのサブスクを始め方
Apple Podcast でサブスクを始める手順は以下の通りです。
Apple IDが必要
Apple Podcaster Programに登録
銀行口座の入力
納税フォームの提出
番組作成の審査などは厳しい印象はありません。体感では自由に作れていると思います。
手順の中で、悩まされるのがSTEP2なので、そこを重点的に解説していきます。
1. Apple Podcast Connect 登録
Apple IDが必要
Apple Podcaster Programに登録
銀行口座の入力
納税フォームの提出
Apple Podcastで有料サブスクを始めるためには、まず、Apple Podcast Connectに登録する必要があります。
登録にはApple IDが必要になります。これはAppleユーザーでなくても取得することができますが、あくまで、対象はAppleユーザーになります。
サインインするためにはアクティベートされたApple IDを求められるからです。
MM総研によれば、2021年上半期(4月〜9月)の日本においてiPhoneのスマホシェア率は41.1%と圧倒的ですが、逆にそれ以外はAndroidユーザーなので、日本でどれほどPodcastサブスクが流行るか見ものです。
Podcastアカウント作成
登録できるとアカウント作成に移ります。
- アカウント名
- 個人・法人の選択
- 同意チェックを入れる
アカウント名は何でもOK。法人なら企業名がいいかもです。個人、法人いずれにしても、アカウント名は変更できそうにないので、慎重につけましょう。
アカウントの作成完了には最大でも1日かかるようです。筆者の場合は、5分もしないうちに作成されました。
Apple Podcast Program参加
Apple Podcast でサブスクを始めたいなら、Apple Podcast Programに参加する必要があります。
アカウントの「詳細」タブにあるApple Podcasters Programに参加でサインアップします。Apple IDに紐付けされている支払い方法で支払いがされます。
プログラムに参加するには年会費2400円を支払う必要があります。
ちなみに、プログラムに参加しないと次のステップの「銀行口座との連携」などができません。
2. 契約/税金/口座情報の登録・申請
Apple IDが必要
Apple Podcaster Programに登録
銀行口座の入力
納税フォームの提出
まずは、自分の銀行口座を入力します。指示に従って進んでいくと、銀行コードやSwiftコードなどの入力を求められます。
- 銀行名
- 銀行コード
- Swiftコード
- 口座番号
- 口座名義
入力に必要な情報は各自で調べてください。筆者は楽天銀行を登録しましたが、ネット銀行もいけると思います。
銀行口座が設定できたら、納税フォームを記入していきます。
「納税フォームを選択」を押すと、以下の写真のように米国居住者かどうか問われます。
日本居住者としてPodcastの配信をする場合は、どちらも「いいえ」にチェックをつけて提出します。
そうすると、「米国の納税フォームに記入」ボタンが現れるので、指示に従って進めていきます。
参考 W8ben ( W-8ben ) の書き方完全ガイド / マイナンバー対応(外部リンク)
筆者は”税”に関しては素人なので、心配な人はご自身でも調べてから進めてください。
納税フォームにおいて、W-8BEN(アメリカの源泉徴収における受益者の海外在住証明書)への入力していきます。
もし、個人ではなく、法人としてPodcastのサブスク配信をする場合は入力フォームがW-8BEN-Eと別のものになっていると思います。
これらはPodcastサブスクでの売上金に対して課税されないために提出が必要になってきます。
日本とアメリカ間では租税条約が締結されているため、W-8BENによって日本の納税者であることが証明できればサブスクでの売上金はクリエイターがそのまま得ることができるそうです。
W-8BENへの入力には次の3パートがあります。
- Identification of Beneficial Owner
- Claim of Tax Treaty Benefits
- Certification
Identification of Beneficial Owner
6. Foreign Tax Identifying Number の欄にマイナンバーを入力します。
他の5と7は入力しなくても良さそうでした。
Claim of Tax Treaty Benefits
ここでは日米租税条約に基づいた優遇措置を主張していきます。要するに「課税しないで」とお願いするということです。そのため、以下同じように入力していきましょう。
9.のチェック欄にチェックを入れる。
10.Special rates and conditions では順番に「#12(1)」「0」「Income from royalties」を入力・選択してきます。
- #12(1):日米租税条約の第12条1項のこと
- Royalties:作品の使用料のこと
Certification
最後に上記の内容に間違いことを確かめてチェックを入れます。
これで納税フォーム(W-8BEN)への入力は終わりました。ひとまずお疲れ様でした。
提出し、審査してもらって問題がなければ、次のような画面になると思います。提出してから翌日には審査が完了していたと思います。
ステータスの欄がアクティブになっていたら完了です。
3. チャンネル・番組の作成
Apple IDが必要
Apple Podcaster Programに登録
銀行口座の入力
納税フォームの提出
Podcastの契約ステータスが「アクティブ」になったら、いよいよチャンネルと番組の作成をしていきます。
チャンネルとは複数の番組をまとめたものになります。
異なる分野の番組を持ちたい場合や、個人ではなく法人が複数人で異なる番組を持ちたい場合などはチャンネルを作成するといいでしょう。
ただし、有料サブスクを提供したいと考えている人は番組が一つでもチャンネルを作成する必要があります。
これはチャンネルにおいてサブスクの設定ができるためです。次項で解説します。
チャンネルの作成
チャンネル画面では、以下のものを設定することができます。
- チャンネル名
- チャンネルバナー(ロゴ)
- チャンネルアイコン
- 説明
- WEBサイト(オプション)
- チャンネルバナー(ロゴ):3000×750ピクセルの透過PNG
- チャンネルアイコン:3000×3000ピクセルのPNG形式またはJPEG形式
チャンネルバナー(ロゴ)のサイズは3000×750ピクセルの透過PNGになります。背景色は16進数で決めることもできます。また、不可能なテキスト配置もあるのでAppleの公式ガイドラインを参照するといいでしょう。
チャンネルアイコンのサイズは3000×3000ピクセルのPNG形式またはJPEG形式になります。
サイズが公式が示すものに準拠していないと、画質が悪かったりするなど表示がうまくいかないことがあります。
筆者は番組のアートワークなどは全てデザイン作成サービスCanva Proで作成しました。
番組の作成
Podcastタブの初期画面で番組を追加を押します。すると、番組タイプを選択する場面が出てきます。
- RSSフィードがある番組
- RSSフィードがない番組
Apple Podcastでサブスクを提供したい場合は「RSSフィードがない番組」を選びましょう。
RSSフィードがあれば、他社のプラットフォーム(Spotify, Google podcasts, Amazonなど)で配信が可能になりますが、Apple Podcastでのサブスク提供はできなくなります。
番組タイプが選べたら、番組情報を設定していきます。ここの設定は、一時保存しながらできるので焦ることはありません。
設定できることは以下の通りです。
- 番組アートワーク
- 番組名・アーティスト名
- 番組説明
- 番組の種類・更新頻度
- カテゴリ・言語
- 著作権の権限
- WEBサイト(オプション)
- コンテンツ配信権の有無
こうやってみると、かなり細かく設定できます。
番組アートワークのサイズは3000×3000ピクセルのJPEGまたはPNG形式です。ただ、筆者が設定するときはPNG形式ではうまくいきませんでした。
番組の種類は「エピソード形式」「連続番組形式」の2つから選択できます。
エピソード形式とは、特定の順番で視聴する必要がない番組のことで、連続番組形式とは、エピソードを連続して視聴することを意図する番組のことを言います。
カテゴリは自分の番組を検索してもらうために設定しましょう。
コンテンツ配信権についてはサードパーティ製のコンテンツを含むかどうか選択しましょう。
サードパーティ製のコンテンツとは「第3者が作ったコンテンツ」のことです。
著作権フリーの素材を使っている音源等を使っている、もしくは何も使っていないなら、「サードパーティ製のコンテンツを含みません」でいいでしょう。
もし、著作物を使っているけれど、配信の権利を得ている場合などは「サードパーティ製のコンテンツの権利を保有しています」を選択すればいいでしょう。
どちらも著作権的に問題がないことを申告するということです。
4. サブスクリプション設定・申請
Apple IDが必要
Apple Podcaster Programに登録
銀行口座の入力
納税フォームの提出
チャンネルにサブスクを設定するために次の4つを行います。
- プロモーションバナーとアートワークを作成する
- サブスクリプションの内容を決定する
- 価格モデルを設定する
- サブスク登録者向けの音源をアップする
プロモーションバナーとアートワークの作成
サブスク用のプロモーションバナーとアートワークを作成します。
- バナー:1080×1080ピクセルのPNG形式またはJPEG形式
- アートワーク:3000×3000ピクセルのPNG形式またはJPEG形式
設定すべきアートワークがかなりありますが、その分個性も出せるということです。
アートワークの設定は任意ですが、サブスク未登録のリスナーに対して効果的にプロモーションしたい場合は作成した方がいいでしょう。
筆者はCanvaで作りましたが、もし、自分でアートワーク等を作る自信がない人はココナラで得意な人に頼むといいでしょう。
» ココナラで依頼する
サブスクリプションの内容決定
プロモーション設定画面では、サブスクの内容とプロモーション用アートワークを設定することができます。
サブスクの内容としては次の中から3つを設定できます。公式ガイドラインはこちら。
- 広告フリー(Ad-free listening):登録すると広告がフリー
- 限定エピソード(Additional episodes):登録者のみ視聴できるコンテンツ
- 早期アクセス(Early access):先行配信のコンテンツにアクセス可能
- 限定番組(Subscriber-only shows):登録者のみアクセスできる番組
- アーカイブアクセス(Archive access):アーカイブにもアクセス可能
各エピソード、各番組でサブスクが設定できるので、例えば、1つの番組に無料、有料のコンテンツをおくことができたり、無料番組と有料番組に分けて運営することもできます。
筆者は無料番組として「なまけものじかん」、有料コンテンツを含む番組として「Caminando hacia」を運営しています。
自分のチャンネルに合わせたサブスクの設定をしましょう。
価格モデルの設定
続いて、サブスク登録するための価格を設定していきます。
チャンネルタブの下部にて価格モデルを設定できます。設定できるものは以下の3つです。
- 月間価格
- 年間価格(オプション)
- 無料トライアルの期間(オプション)
サブスクサービスを始めるには、少なくとも月間価格を設定する必要があります。金額自体は後で変更可能ですが、特に、値上げする場合はユーザーが離れる可能性があるので、慎重になりましょう。
金額は50円〜設定することができます。年間2400円のプログラム参加料を支払っているので、サブスクで得たお金は100%クリエーターのものになります。手数料は無料です。
サブスク登録者のための音源アップロード
ここまでの設定作業が終われば、あとは実際に収録して音源をアップしていきます。
筆者のような有料コンテンツと無料コンテンツを含む番組を提供するなら、音源をアップするときに、誰でもアクセスできる(無料エピソード)にするかサブスク登録者限定にするかを選択できます。
まとめ
記事の内容をまとめます。
やってみて感じたことですが、初期設定がかなり大変なので、Podcast初心者は骨が折れると思います。
それでもApple発祥のPodcastを本気で始めたい人は、サブスクプログラムに参加して、音声配信を始めましょう。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございます。