- スペイン語オンラインレッスンとしてのベルリッツの評判を知りたい人
- オンラインレッスンをどの会社で受けようか悩んでいる人
ビジネス英会話として有名な”ベルリッツ”ですが、実はスペイン語のオンラインレッスンも提供しています。
実際に無料体験レッスンを受けて分かったことをまとめていきますね。
ベルリッツとは
140年以上の歴史を持つベルリッツは、独自の教授法『ベルリッツ・メソッド』を持っています。簡潔に言うと、学習言語で物事を考えられるように、習っている言語のみで学習する方法のことです。
ベルリッツが提供するプログラムは、個人の受講者のみならず国内の約5,500以上もの企業に採用されています。
多くの企業が海外研修の一環として、ベルリッツのレッスンを取り入れています。
ベルリッツには、オンラインで受講できるコースと教室とオンラインを併用したコースの2つのコースがあります。関東圏を中心とした55もの教室でレッスンが受講できます。
関連 ベルリッツのスクールを確認する
とはいえ、このご時世、対面でレッスンを受けるのは少し抵抗があります。そこで、ここからは自宅で気軽にレッスンが受けられるオンラインコースについてみていきます。
ベルリッツのスペイン語オンラインレッスンコース
- Berlitz Blended(ベルリッツ ブレンディッド)
- Berlitz Live Online(ベルリッツ ライブ オンライン)
- Berlitz Flex(ベルリッツ フレックス)
オンラインでのレッスンコースは3つあります。それぞれレッスン回数や受講期間などに応じて、レッスン金額が異なりますので、必ず公式サイトから確認をしてください。
BerlitzのオンラインレッスンコースでDELE対策は可能か
最初に伝えておきますが、Berlitzのオンラインレッスンコースでは市販のDELE問題集を用いたDELEの試験対策は難しいです。
難しい理由として、
- 市販のDELE問題集はオンライン上で画面共有できない
- DELE対策をする場合は『教室へ通う』必要がある
が考えられます。ベルリッツは独自の教材を画面共有しながらレッスンを進めてくれます(後述参照)。そのため市販の問題集を用いたレッスンはオンラインでは難しいのでしょう。
そもそもオンラインレッスンでのDELE対策を期待する人の多くは、作文試験の添削もしくは口頭試験の練習を目的としていると思います。
筆者なら口頭試験対策は一人では難しいから、ネイティブに添削してほしいですね。
ベルリッツのオンラインレッスンの売りは「実践的なシチュエーションを想定して、そこで使える会話フレーズを効率よく習得できる」ことです。つまりは、口頭練習がメインなわけです。
DELEの問題集を使ったDELE対策は難しいものの、受講者が試験問題を想定してシチュエーションを設定すれば対策は可能だと筆者は考えます。
DELEの試験問題について理解している人にはいいと思いますが、イチからDELEの問題集を用いて解説してほしい人には向いていないです。
コース | Berlitz Blended | Berlitz Live Online | Berlitz Flex |
---|---|---|---|
タイプ | オンライン+通学 | オンライン | オンライン |
1レッスンあたりの金額 | 6600円〜 | 6215円〜 | 5940円〜 |
レッスン時間 | 40分 | 40分 | 40分 |
レッスン数 | 40回〜 | 40回〜 | オンライン学習40回〜 レッスン20回〜 |
受講期間 | 7週間〜 | 4ヶ月〜 | 6ヶ月〜 |
1. Berlitz Blended コース
Berlitz Blended コースはオンラインでの学習と教室でのレッスン受講を組み合わせたコースです。自宅でも教室でもレッスンが受けられるコースになります。
「今日は天気が悪くてオンラインで受講したけど、次回は天気がよければ教室に通おう」なんていうこともできます。
教室に通学するメリットは、講師の温度感が肌で感じられる点です。オンラインレッスンだと、音量を調整できてしまいますし、接続に不具合があると聞こえづらかったりします。
しかし、オフラインであれば、講師のスペイン語への熱量がそのままダイレクトに伝わってきます。
逆にデメリットとしては、教室が近くにないと通えない点です。ベルリッツは国内に55ものランゲージセンターを有していますが、多くは首都圏や都市部に集中しています。そのため、地方住まいの人には難しいでしょう。
2. Berlitz Live Online コース
完全オンライン型のレッスンコースです。多国籍の教師によるレッスンが「24時間365日」受講可能です。
Berlitz Live Online は Berlitz Blended のように通学することもなく、Berlitz Flex のようにオンライン自習をする必要もないため、3つのオンラインコースの中で最も一般的なコースであると言えます。
とにかくオンラインでレッスンを受けたいという人にピッタリなコースです。
- 完全マンツーマンレッスン
- ベルリッツのレッスンサイクルを効率よく教授できる
- 特定のシチュエーションを強化するオリジナル教材
レッスンがオンラインのみで行われるので、マンツーマンでのレッスンになります。グループで行われることはありません。そのため、自分のペースで学習を進めることができます。
オンラインでレッスンを行うことの最大の恩恵は『効率性』でしょう。1回40分のレッスンをフルに使って、スペイン語の学習ができます。その理由はベルリッツのレッスンサイクルにあります(後述参照)。
体験レッスンを受けてみて『1分も無駄がない』と感じました。
Berlitz Blended コースで通学する場合は、通学に時間が取られてしましますし、次項で後述しますが、Berlitz Flex コースでは、講師と実際にレッスンするのは25分/レッスンになります。
余計な時間を取られず、1レッスン40分をしっかりと確保して学習したいなら、Berlitz Live Online がおすすめ。
3. Berlitz Flex コース
2021年9月よりスペイン語での提供が開始した『Berlitz Flez ライブコーチングセッション(以下、Berlitz Flex)』コースは、「予習・復習型」と呼ばれ、自習とレッスンをオンラインで完結できてしまうものになっています。
このコースは、レッスンを受ける前にeラーニングや動画で予習をしないとレッスンが受けられません。オンラインレッスンでの効果を最大限にするには『予習・復習』が不可欠なわけですが、それを強制してくれるわけです。
「レッスンを受けたければちゃんと予習せよ」ということ。なんとなくレッスンをこなすことはなくなりますね。
事前にフレーズなどの練習をしておいて、会話のところをレッスンしてもらうわけです。インプットしたものを、すぐにアウトプットするサイクルで効果的に学習ができます。
スペイン語初心者が独学で伸び悩む理由は『アウトプット』にあります。
- アウトプットする機会がない
- 自分で作文(口頭作文)したものが正しいのか判断できない
そのため、インプットとアウトプットの学習サイクルが確立しているBerlitz Flexはスペイン語初心者に最適なコースであるといえます。
もし、初めてオンラインレッスンを受講しようと考えているけれど、なかなか勇気が出ないというような人には、ぜひオンラインレッスンで役に立つフレーズをまとめた記事を読んでもらいたいです。
関連 スペイン語のオンラインレッスンで使えるフレーズ80
契約期間内ならライブコーチングが受け放題!?
- 「予習」を2回すると、教師との「ライブ・コーチングセッション」が1レッスン予約可能
- コース修了には「ライブ・コーチングセッション」を20回分の受講が必要
- 全ての学習が終了後、契約期間内であれば1日1回上限で「ライブ・コーチングセッション」の受講が可能
このコースの最大のポイントは、全ての学習(全eラーニング、全チェックポイントテスト、全ライブ・コーチングセッション)を終えた後に、契約期間内であれば、毎日教師とのレッスンが受講できるという点です。
Berlitz Flexでのライブコーチングセッションは25分/回ですが、それが毎日受講できてしまうわけです。つまり、時間とやる気があればいくらでもアウトプットができるわけです。
お値段以上とはこのこと。コスパ良すぎですね。
中級以上の学習者にもおすすめできそうなこのコースですが、まだサービスが開始したばかりで Berlitz が設定するレベル(後述)の1〜4までしかeラーニング教材がないそうです。今後が楽しみです。
ベルリッツでのレベル設定
実際にレッスンを始める前にまず、体験レッスンやカウンセリングから受講者のスペイン語レベルを測定してくれます。その結果と受講者のニーズによって学習プランやコースを提案してくれます。
ベルリッツにおけるレベル設定は以下のようになっています。
レベル | スタート | ゴール |
---|---|---|
1 初級 | その言語を学び始めたばかり | 自分や身近な人を紹介できる 道順を聞いたり、答えたりできる 買い物、食事の注文ができる 会議のアポイントメントが取れる |
2 初級 | よく使われる表現を利用できる | 買い物、食事の際に要望を伝えられる 予約、予約の変更、要望の連絡ができる 趣味や休暇の過ごし方を説明できる 会議で意見を述べられる |
3 中級 | 身近な話題で意思を伝えられる | 近況、交通状況について話せる フライト案内の確認や搭乗手続きができる プレゼンテーションを効果的に開始・終了できる |
4 中級 | 身近な話題で状況を具体的に話せる | 最新のニュースや出来事について意見交換ができる 発生したトラブルについて連絡、説明、相談できる 条件や折衷案の提示など、基本的な交渉を行える |
5 中上級 | 想定内のトラブルに対応できる | 複数のネイティブスピーカーと身近な話題で会話できる 日本のしきたりや伝統などを詳しく説明できる ビジネスにおいて問題の原因や解決法について十分に議論できる |
6 中上級 | 身近な話題で詳細を説明できる | 複数のネイティブスピーカーと幅広い話題で会話できる 人生など深い内容について、豊かな表現で伝えられる 交渉準備や正しい戦略の選択ができ、成果につなげられる |
7 上級 | 身近な話題で感想や考えを話せる | ネイティブスピーカーと対等に話せる ジョークやネイティブ特有の表現を理解、活用できる 専門分野の研究やプレゼンテーションができる |
8 上級 | 身近でない話題の会話に参加できる | 幅広い話題について、ニュアンスを捉えて会話できる 指導者として適切なアドバイスができる 異なる意見をまとめ、問題解決へ導くことができる |
9 プロフェッショナル | 価値観の近い人々と踏み込んだ会話ができる | 政治や思想などセンシティブな話題もこなせる 価値観が異なる相手とも、適切な表現を用いて会話できる あらゆる語学レベルの相手と議論ができる |
10 プロフェッショナル | 価値観の異なる相手とも円滑に意思疎通できる | 信念が真逆の相手とも対話し、円滑な関係を築ける 効果や影響を理解しながら言葉や表現を選べる ビジネス上の危機管理ができる |
ベルリッツのオンラインレッスンの流れ
体系化されたレッスンサイクル
ベルリッツのレッスン時間は40分/レッスンです。独自のベルリッツメソッドに基づいて、受講者が効果的に語学習得できるようなレッスンサイクルが設定されています。
1. ゴール設定・テーマ設定
レッスンの導入は『ゴール・テーマ設定』です。受講者のニーズに合わせて実践的なシチュエーションを設定してくれます。
例えば、テーマを『栄養』と設定すれば「肥満な人に対して、ダイエットをするように勧める」なんていうシチュエーションを考えてくれます。
自分の興味あることから自然に状況を設定してくれる技術がすごいです
前述しましたが、DELEの口頭試験対策をしたい人は、ここで試験問題を意識した状況設定をするといいでしょう。
2. フレーズ練習・語彙補充
シチュエーションが設定できたら、それに関連する単語やフレーズなどの語彙補充をしていきます。類義語や別の表現を知っておくことで表現に幅が出ます。これはDELEに合格するのにも圧倒的に有利です。
レッスン中はメモを取る余裕がほとんどありません。講師がチャット機能を用いて、単語や表現を残してくれます。レッスン後にそのチャットをダウンロードできますので、復習にも利用できます。
筆者はオンラインレッスンを受けるなら録画・録音しておくことを勧めますが、それと講師が残してくれたチャットを併用すれば復習は完璧です。
3. デジタル教材を用いて会話練習
語彙のインプットができたところで、実際にアウトプットしていきます。画面共有をしながら、ベルリッツの独自教材をもとに会話練習をします。
講師と受講者でテキストにある会話文を交互に読んでいきます。テキストにある文章を用いて練習するので『パッと出てこない』状態になりません。
実際のシチュエーションをイメージしながら、インプットしたフレーズを練習できるというわけです。
4. シミュレーション
最後にまとめとしてシミュレーションをします。講師と受講生でそれぞれ役割を決めて、ここまでインプット・練習してきた語彙や表現を最大限にフル活用して会話をします。
前ステップの「会話練習」とは違って、決められた会話文がありません。つまり、自由なわけです。間違えてもいいスタンスでどんどん学んだことをアウトプットしましょう。
追い込まれた状況下で用いた語彙表現は記憶に残りやすいですよ。
ベルリッツ独自の4つのレッスンテクニック
ベルリッツの講師がレッスンで用いているテクニックがあるそうです。教えてもらえたのは以下の4つです。
1. フルセンテンス
ベルリッツの講師は、受講者が単語で返答することをよしとしません。必ず文で答えさせるようにしてくれます。
例えば、「A ti, ¿qué tipo de la comida te gusta?(どんなタイプの料理が好き?)」という質問に対して、「La comida china」と単語で答えるのではなく、「Me gusta la comida china」と文にして答えるように促してくれます。
これによって、文の構造に意識的になれますし、より実践的な力が身に付きます。
2. 訂正と反復
ベルリッツのレッスンでは、受講者が間違えてもちゃんと訂正してくれます。そして、訂正したものをチャットに記録として残してくれます。それを何度も反復練習させてくれます。
間違えるたびに指摘してくれるので、レッスンが終わると非常に疲れると思います。それだけ学びがあるからです。
レッスンにおいて間違いを恐れて発信できないのはお金の無駄ですので、どんどん発信して間違えて、講師に訂正してもらいましょう。
3. A++
A++は、Answer・Add・Ask のことを指します。
講師の質問に答える(Answer)だけじゃなくて、補足説明(Add)して、その後質問を投げ返す(Ask)ことができるように促してくれます。
この3つのプロセス「質問に答えて、広げて、質問を投げ返す」は会話の基本的な流れです。レッスン時から、自然に会話できるように練習ができます。
4. レベルダウンテクニック
受講者のレベルに合わせて、講師が質問やテーマの難易度などを調節してくれるものです。受講者が返答に困ったら、答えやすいようにレベルを下げてくれるということです。
レッスンのための技術が体系化されているということは、どの講師でも同レベルのレッスンを受講できるということです。
無料体験レッスンの流れ
体験レッスンを申し込むと、担当の人からメールが来ます。
レッスンはZoomで行いますが、そのURLを事前に送付してくれますので、それに従って進めていきます。
体験レッスンは概ね約60分〜90分になります。これは人によると思います。
まずはカウンセラーによる簡単なヒアリングがあります。「どんな目的を持ってスペイン語を学ぶのか」やレッスンへの要望などを聞かれます。
カウンセラーは日本人なので、初心者でも安心です。
カウンセリングの内容を把握した講師が、レッスンを始める前にスペイン語のレベルチェックをしてくれます。
レベルチェックと言っても、テストではありません。
筆者の場合は「どこでスペイン語を勉強したのか」や「スペイン語を学んで何がしたいか」などいくつか質問されました。
レベルチェックが終わった段階で、その流れのままレッスンが始まります。体験レッスンは通常のレッスンと同じ流れで進められます。詳しくは『体系化されたレッスンサイクル』の項を参考にしてください。
体験レッスンが終了すると、講師によるフィードバックとカウンセラーによる学習プランの提案があります。下の写真のような評価表(日本語版とスペイン語版)がもらえます。
自分の語学レベルと学習ニーズをもとに、どんなコースで学習するといいのかを一緒に考えてくれます。
強引な勧誘は一切なくて、気持ちよく受講できました。
受講してみて気づいたこと
無料体験レッスンを受講してみて気づいたことをまとめます。
講師のリードが上手だと感じました。無料体験レッスンは、スペインのマドリード出身の講師が担当してくれましたが、受講者がしゃべれるように質問を変えたり言い換えたりして、うまく引き出してくれました。
他にも、海外で料理関係の仕事がしたいっていうことを受けて、シチュエーションを設定してくれました。聞き取りから、目標設定まで非常にスムーズです。
「さて、何をしようか…。」という時間がありません。
個人的に魅力に感じているのがレッスンサイクルです。レッスンのプロセスがシンプルで分かりやすいので、40分を無駄なく学習時間に費やせます。
インプットしたものを、すぐにアウトプットできれば定着もしやすいです。学習はインプットだけではダメですし、かといって何も知識をもたない状況からアウトプットもできません。
このインプット⇄アウトプットのサイクルによって、1分も無駄にしない点が魅力に感じました。
レッスンが充実しているので、レッスン後は疲労感があります。それだけ頭を使ったということです。
疲れを感じるのは、追い込まれた状況になっている証拠。
無料体験レッスンを受けてみて、正直な感想をいうと『現状中級以上の人にはおすすめできない』です。ここでは、中級者とは例えばDELE B1以上を受験しようとしている人やスペイン語検定3級以上の人のことを指しています。
なぜなら、「中級者以上向けの教材にはまだビジネス教材しかない」とのことだったからです。海外出張でスペイン語圏に行く人には対応していても、試験対策として受験を考えている人にはどうだろうといった印象です。
筆者は、JICA海外協力隊としてパナマ共和国で教育関係の仕事をした経験があります。その際、スペイン語学習経験ゼロの状況で、語学訓練所に放り込まれました。
その経験から、今でも心にあるのは「初心者は誰かにスペイン語を教わった方がいい」という思いです。JICAの語学訓練のおかげで、スペイン語の学習を今でも続けられています。
関連 オンラインレッスンを受講する際に注意すべきたった2つのこと【スペイン語】
新たに始まった Berlitz Flex はオンライン学習と語学レッスンが組み合わさったコースなので、自分で学習を進めながら、講師にも質問できます。人に質問しながら学習できる環境は初心者にとって必要な環境だと考えます。
以上です。ここまで読んでくださりありがとうございます。