音読はスペイン語習得に最良な学習方法【音読のやり方も丁寧に解説】

- 音読による語学習得の仕方を知りたい人
- 何を音読するべきか分からない人
語学習得の目的は人それぞれですが、スペイン語で会話をしたいのであれば、スペイン語を発することが習得の近道であることは間違いないです。
ここでは『音読の進め方』に焦点を当てて、何を、どう音読するべきか、その際の注意点について紹介していきます。
筆者はJICA海外協力隊に参加した際に、訓練所にてスペイン語に初めて触れました。そこで出会ったスペイン語講師は『スラスラ読めるようになるまでとにかく音読しろ』と教えてくださいました。
スペイン語習得における音読の重要性
まず大前提ですが、スペイン語に限らず、語学において発音できないものは、聞き取ることができません。

知らない単語・熟語フレーズなどは聞き取れませんよね。
それに加えて、自分の喋るスピードが聞き取れるスピードを超えることはありません。
例えば、以下はスペインのニュースサイト El País から引用した一文です。
Los especialistas advierten de que si las medidas han funcionado lo que hay que hacer es mantenerlas y no relajarlas porque las cifras son aún muy mala.
El País, El estado de alarma tarda cuatro semanas en reducir la incidenciaより引用
この一文をスラスラ読めない人が、ニュース番組にてこれを聞き取れるでしょうか。おそらく無理でしょう。
読めない、話せないなら、聞き取れる訳がないのです。
しかし、逆に考えてみると発音できるようになると聞き取れるようになるということです。つまり、音読法はリスニング力向上に繋がるので、推奨される学習方法の一つです。
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スペイン語学習における音読のやり方





『学びは自由』ですので、あくまで参考程度に。
難しいことを考えずに3ステップです。
特にステップ2と3の順番が重要です。
注意してほしいのは、単語を調べながら音読を進めないという点です。
1. 音読素材を決める


音読をする際は、自分の学習レベルを意識して、音読すべき素材を見定めるといいです。音読すべき素材にもレベルがあります。
「何を音読しようか」と悩んだ時は、単語▶︎フレーズ▶︎短文▶︎長文のステップアップを意識していきましょう。
スペイン語学習を始めたばかりの方 ▶︎『単語』
初級文法に不安がある方 ▶︎『短文』
ある程度学習が進んでいる方 ▶︎『長文』



自分に学習レベルに応じて、適切な素材を選びましょう。
初心者は単語・短文を音読
音読をしようと思い立った時に、最初にやりがちなのが、いきなり長い文章を読むことです。
単語・フレーズで正しい発音が十分に練習できていない人がいきなり難しい文章を読んでも、知らない単語のたびに止まってしまいます。これは効率的ではありません。
そのため、初級文法(直説法〜接続法まで)に不安がある方は、単語・短文の音読から始めましょう。単語の音読とは何かというと、単語帳を用いてひたすら単語を正しい発音で声に出すことです。
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長文は短文の集まりです。いきなり長文を音読するのに抵抗がある人は『短文』を音読しましょう。短文の音読は、問題集・単語帳・辞書などに掲載されている例文で行うといいでしょう。
問題集や文法書には、文法解説するために基本的には例文がついていますよね。例文でなくても、問題の一文でもいいと思いますが、それらの短文が活用できそうです。
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慣れてきた人は長文を音読
スペイン語の文を読むことに慣れてきたなと感じたら、長文を積極的に読むことをお勧めします。
長文を読みたい人にオススメできるのはネットニュースです。ニュースは、どんどん更新されていきますし、自分の興味のある記事を読むことができます。
筆者はいくつかのニュースサイトをリーダーサービスFeedlyに登録しておいて、時間が空いた時に記事をチェックするようにしています。下記に、いくつか紹介しておきます。
El Paísの記事はスペイン語検定DELEで引用されることもあるので、スペイン語学習に適していると言えます。
他にもPODCASTを配信しているものなど、広告なしの公営のものなどいろいろありますので、自分のお気に入りを見つけてみてください。
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FeedlyとInstapaperの2つのアプリを用いて、スキマ時間を有効活用してニュースのチェックをしています。活用の仕方はFeedlyとInstapaperを使ってスペイン語学習の効率アップをご覧ください。


2. スラ読み


自分が音読する素材が決まったら、あとはひたすら音読するだけです。『スラ読み』という名前は、JICAスペイン語講師からいただきました。
スラスラ読めるようになる(一度も突っかからない)まで、何度も繰り返し音読するだけですが、注意点がいくつかあります。音読を始めるにあたって、次の4点を意識しましょう。
- 毎日継続すること
- 時間を測る
- 単語を調べながらやらない
- 普段よりも大きい声量で行う
毎日継続すること
1日でも音読をやらない日があると、人生ゲームでいう「ふりだしに戻る」感覚に陥ります。筆者はなかなか継続できないこともあり、何度もこの感覚を経験しました。
1日休むと3歩ほど後退します。頑張り過ぎなくていいので、1日1歩着実に進んでいきましょう。



筆者も忙しい日でも、最低10分は音読するようにしています。
時間を測る
漠然と音読をしていても、繰り返していく内に飽きてしまうかもしれません。そのため、時間を測ることで「前の自分と競争する」という状況を作りましょう。これによって、前の自分に勝つために緊張感が増し、モチベーション高く音読に望むことができます。
また、音読スピードを数字として記録しておくと、客観的に分析もできます。自分の成長を実感できるのでオススメです。
単語を調べながらやらない
たとえ知らない単語があって文章の意味が分からなくても、スラ読みができるまでは辞書等で意味を調べません。スラ読みができるようになったら、知らない単語でも意味を推測することができます。少なくとも品詞は何か分かるはずです。
逐一、単語や表現を調べてしまうと疲れちゃいます。単語を一つひとつ辞書で調べるのって、割と根気が必要ですよね。それで嫌になって、音読まで辿り着かなかったらもったいない。
また、特に試験では長文を読む際に、知らない単語があっても辞書で調べることなんてできないですよね。知らない単語がある程度あっても読み進めることができるように、最初もしくは途中で調べないことです。



最初は「この〇〇はどんな意味だろう…。」くらいの感覚でいいと思います。
とはいえ、音読しようとしている文章において知らない単語ばかりの場合は、単語の意味を推測することもできませんよね。そういう場合はその素材は自分のレベルにあっていないと判断して、別の音読素材を探しましょう。
普段よりも大きい声量で行う
もう一つ大事な点は、声をしっかり出すことです。目安としては、普段会話している声よりも少し大きいくらいを意識するといいでしょう。
ボソボソと声を出していても音読としては全く意味がありません。口や舌の形をスペイン語に慣らすためには、その口や舌を十分に動かす必要があります。これはスポーツの基礎練習と同じです。



僕は気分転換も兼ねて近くの公園とかで音読しています。大きい声出せますし、気持ちいいですよ。
3. 辞書で語彙補充


スラ読みしたあと、語彙の補充を行っていきます。スラ読みしていて、どうしても理解ができない箇所の単語もしくは熟語表現を辞書や単語帳などで調べます。
とはいえ、分からない箇所がたくさんあった場合、全てを調べるのに時間がかかってしまします。それでは、続けるのが苦しくなってしましますので、調べる語彙は5つだけに絞り、他の単語を捨てる代わりにその5つは確実に覚える意識を持つといいでしょう。
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もし、記事内の全ての単語や表現が理解できている状態なら、文章のレベルを上げましょう。次のレベルの長文に挑戦できるはずです。
まとめ
最後に、この記事をまとめます。
音読は、自分の声がダイレクトに聞こえてくるので少し恥ずかしいと思いますが、得られる効果は絶大ですし、何よりやっていて楽しいですのでチャレンジしてみてください。
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