- 接続詞comoの使い方に悩んでいる人
- 接続詞のcomo、副詞のcomo、疑問詞のcómoがごっちゃになっている人
スペイン語ではcomoという単語が非常によく出てきます。副詞や接続詞、関係詞など多くの品詞を持つためです。
それによって多くのスペイン語学習者が「ここのcomoはどういう意味なのか」疑問に思い、悩んでしまいます。

初心者はアクセント記号がついたcómoと混合してしまうこともあるでしょう。
この記事では、comoの接続詞としての用法についてまとめて解説していきたいと思います。
関連 関係副詞 como の使い方を例文で理解


接続詞Comoの意味
接続詞comoの意味は大きく次のものがあります。
- 様態・方法:〜のように
- 理由:〜だから
- 同等比較:〜と同じくらい
- 並列:〜も…も
- 条件:もし〜なら
上記の中にはComo単体ではなく、他の単語と一緒に用いられるものもありますので、それぞれ例文を通して意味を確認していきましょう。
1. 様態・方法:〜のように
様態とは、物のありかたや行為のありさまのことを言います。「雪のような白さ」や「言われたように書く」などがそれに当たります。
この用法では、直説法を伴う場合と接続法を伴う場合とがあります。これらの違いは以下にあります。
例文を観察してみましょう。
Hazlo como acabo de decirte.
私が今言ったように(事実)、やってみて。
Hazlo como yo te diga ahorita.
私がこれから言うように(まだ不明)、やってみて。
前文では、接続詞comoが直説法を伴っていますので、内容が事実であることを意味します。
acabo de decirteは「(私が)君に今言ったのように」となりますが、すでに話した内容というのは私や君にとっても周知の事実になります。したがって、直説法になります。
それに対して、接続法が伴っている文では、como以下が未だ不明な内容になります。その時点では「これから言う内容」は明確になっていません。
まとめると、様態・方法の意味を持つ接続詞comoは内容が事実であれば直説法、仮定的であれば接続法を伴います。
また、この用法は関係副詞comoの独立用法と考えることもできます。この辺り少しややこしいと思いますが、関係副詞のcomoについては以下の記事にまとめてありますので、合わせてご覧ください。
関連 【スペイン語】関係副詞 como の使い方を例文で理解


2. 理由:〜だから
接続詞comoが「理由」の意味で用いられる場合は、直説法のみを伴います。また、comoが導く節は主節よりも前に置かれます。
Como + 直説法, 主節



ちなみに理由の接続詞として代表的なPorqueは主節よりも後に置かれることがほとんどです。
例文を観察してみましょう。
Como oí un sonido de camión de bomberos, pensé que había sucedido un incendio.
消防車の音が聞こえたので、私は火事があったのだと思いました。
Como節では動詞Oírがoíと直説法点過去形となっています。また、主節よりも前に置かれていることも分かります。
3. 同等比較:〜と同じくらい
同等比較とは、2つ以上のものを比較しながら「同じくらい〜だよね」と評価することを言います。
この用法では、接続詞comoとtanto(形容詞・副詞)やその省略形であるtan(副詞)を合わせて用いられます。
- 形容詞tanto + 名詞 + 接続詞como
- 動詞 + 副詞tanto + 接続詞como
- 副詞tan + 形・副 + 接続詞como
これらの表現には出会ったことがある人が多いと思いますが、ややこしくしている点がtantoの品詞です。tantoには形容詞と副詞の品詞があります。



知っての通り、形容詞は名詞を修飾し、副詞は名詞以外を修飾します。
tanはtanto(副詞)の語尾が消失した形なので、副詞になります。tantoはmásやmenosなど以外の形容詞・副詞の前でtanに変わります。
これらを踏まえると、上の4つのtan(to) … como 〜構文の構造は理解できると思います。
それぞれ例文を観察してみましょう。
例1)No tengo tanta suerte como la persona a la que le toca la lotería.
私は宝くじに当たる人ほど運はよくない。
例2)Eso no es tanto como para sorprenderte.
驚くほどのことではない。
例3)Yuki habla español tan bien como nativo.
ユウキはネイティブと同じくらい上手にスペイン語を話す。
例1は「形容詞tanto + 名詞 + 接続詞como」の形です。ここでのtantoは形容詞なので直後に名詞を置き、性数一致させます。
否定文なので「〜ほど…ない」という意味になります。
例2は「動詞 + 副詞tanto 接続詞como 」の形です。ここでのtantoは副詞として直前の動詞serを修飾しています。



No es tanto como para 〜で「〜するほどではない」と覚えておくといいでしょう。
例3は「副詞tan + 形・副 + 接続詞como」の形です。tanは直後の副詞bienを修飾しています。
4. 並列:〜も…も(同じくらい)
この用法でもcomoはtantoと併せて用いられます。tanto 〜 como …で「〜も…も同じくらい」という意味があります。



… Y también 〜「もまた」と似た表現ですね。
Tanto José como yo queremos a María.
ホセも私も同じくらいマリアが好きだ。
José y yo queremos a María.
ホセと私はマリアが好きだ。
例文では、Joséとyoがつなげられています。このようにtantoとcomoで名詞を繋ぐことができます。
5. 条件:もし〜なら
条件文といえば接続詞のsiですが、接続詞comoにも同じような意味があります。
comoが作る条件文は、悪い事柄について述べる場合に用いられます。また、comoが作る条件節では、必ず動詞が接続法になります。
Te va a despedir como cometas el mismo error una y otra vez.
同じミスを何度もしてたら、クビにされるぞ。
「同じミスをしたら〜」という条件は悪い事柄ですので、comoが条件文として使えます。comoに続く動詞cometer「(ミスなどを)犯す」も接続法現在形cometasになっています。
もちろん、接続詞siを用いても間違いではないですので、難しいと感じる人はsiを使うといいでしょう。
関連 Siを使った仮定文は『イマイマ』『カコカコ』『カコイマ』を考えよ


comoの意味[番外編]
番外編としてcomoを用いた他の接続詞句も紹介しておきます。
como que + 直説法「〜しているような(比喩)」
como si + 接続法「まるで〜である[あった]かのように(比喩)」



上の2つもよく聞く接続詞句ですね!
これは確かではありませんが、ここでのcomoは接続詞ではなく、副詞であると考えます。副詞のcomo+接続詞のque, siということです。
そのため、前章の5つの用法と区別して紹介しました。
念の為、例文も紹介しておきます。
Miré como que estaba llorando la niña. Pero no lo fue.
女の子が泣いているように見えた。でも違った。
Me lo explicó como si lo hubiera visto.
彼は私にそれをまるで見たかのように説明した。
como si + 接続法過去形で「まるで〜であるかのように」と現在のことを述べるのに対して、como si + 接続法過去完了形で「まるで〜であったかのように」と過去のことを述べることができます。
como + que[si]で比喩表現ができるので、是非使いこなしたいですね。
以上です。
接続詞comoの使い方は理解できたでしょうか。意味が多岐に渡るということはそれだけ用いられているということですので、なんとしても習得したいところです。
言葉は、使われるほどに変化していくものです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。スペイン語学習の役に立てば嬉しいです。