スペイン語技能検定を受験する価値ある?【試験内容やレベルを解説】

想定している読者
  • DELEとは別にある西検がどんな試験なのか知りたい人
  • 西検を受験してみたいけど、どのくらいのレベルなのか知りたい人
  • 「西検は受ける意味あるの?」と思った人

この記事では「スペイン語技能検定とは何か」「スペイン語技能検定のレベル「試験時期や内容」などをまとめました。

2021年4月にスペイン語技能検定を主催している日本スペイン協会のHPや試験内容がリニューアルして、非常に分かりやすくなりました。
確認 日本スペイン協会のサイトを見る

スペイン語技能検定は2021年にリニューアルしたよ!
記事のまとめ
  • スペイン語技能検定は歴史が古い。
  • 試験は年に2回(春季・秋季)開催される。
  • 申し込み方法は「オンライン申込」のみ
  • 階級によるが、スペイン語技能検定は受験する価値がある。
  • スペイン語技能検定は2級以上から価値がある。
  • 初心者は難しければ4級から取得を目指すと良い。
  • スペイン語技能検定の階級と英検と階級は同じではない。
  • スペイン語技能検定の3級 = 英検の2級
  • スペイン語技能検定の5級 = 英検の3級
目次

スペイン語技能検定とは

スペイン語技能検定(Evaluación oficial del conocimiento de la lengua española)とは公益財団法人日本スペイン協会が主催する外国語検定です。

国や企業からの要請で1973年に始まり、現在は文部科学省の認定・後援で実施されています。

そのため、大学や高校でのも単位習得などに採用されているようです。

DELEは1988年に始まったのでDELEよりも歴史が長いということです。ちなみにSIELEは2016年に始まりました。

試験時期

試験は年に2回(春季と秋季)実施されます。

時期1次試験2次試験
春季6月中旬7月中旬
秋季10月下旬12月上旬

2次試験が課されるのは1・2級のみです。

1次試験結果は2次試験の10日前に郵送で届くので、1次試験が終わった後、すぐに2次試験の対策を進めた方がいいでしょう。

受験を考えている場合は公式サイトで確認をしてください。

検定料

スペイン語技能検定の申し込み方法は「オンライン申込」のみです。検定料は以下の通りです。

以前は、郵送での申し込みも出来ましたが、廃止されました。

階級検定料
1級12,000円
2級10,000円
3級8,000円
4級6,000円
5級5,000円
6級4,000円

詳しい申し込み手順については、以下の記事をご覧ください。

スペイン語技能検定のどの級を持っていれば役に立つのか

よくある質問

スペイン語技能検定の受験の意味はある?

階級によりますが、十分受験する価値はあると思います。

スペイン語技能検定の何級を取得すればいい?

目的によります。仕事で活用したいのであれば2級以上、海外旅行や留学のためであれば4級以上を目指しましょう。

スペイン語技能検定も、DELEやSIELEのような国際的な評価を得られるスペイン語試験同様に、受験するに価値はあると考えます。

ただし、2級以上の取得を目指すのがいいでしょう。

試験形式と文法範囲を見てみると、4技能(読む、聴く、書く、話す)が全て測られるのは2級以上です。

2021年以前は3級でも口述試験が課されていました。

階級試験形式文法範囲
1級1次:筆記,リスニング(90分)
2次:口述(10分)
全範囲
2級1次:筆記,リスニング(90分)
2次:口述(8分)
全範囲
語彙数:約3,500語
3級1次:筆記,リスニング(90分)直説法過去未来完了,
接続法現在完了(過去・過去完了)なども含む
語彙数:約2,500語
4級1次:筆記,リスニング(60分)直説法過去完了(未来・未来完了・過去未来),
接続法現在,
命令法や受け身表現なども含む
語彙数:約1,500語
数字:100万まで
5級1次:筆記,リスニング(50分)直説法現在不規則(過去・現在完了),
過去分詞・現在分詞,
再帰動詞・gustar型動詞などを含む
語彙数:約1,000語
数字:1万まで
6級1次:筆記,リスニング(50分)直説法現在,
所有詞(前置形)・指示詞などを含む。
語彙数:約500語
数字:100まで
日本スペイン協会より

DELEやSIELEは国際的な試験なだけあって、4技能それぞれの試験があります。

スペイン語技能検定の2級以上であれば、4技能を評価してもらえるので、自分のスペイン語力を証明することができるため、受験する意味はあるでしょう。

また、スペイン語を使って仕事をしたいと考えている人も、同じく2級合格を目指しましょう。

スペイン語求人をみても、求められるスペイン語力に「B2」と書かれているものが多いからです。

「B2」というのは、MCERの評価指標の一つ(後述)で、中上級に位置付けられています。


とはいえ、いきなり2級合格を目指すのは難しいです。

スペイン語初心者の方は、まず4級の合格を目指してみましょう。

スペイン語技能検定4級の文法範囲は「直説法〜接続法現在形、命令形」など初級文法レベルとなっています。

接続法は初心者の大きな壁となりますので、ここを突破できるかどうかが鍵となりそうです。

スペイン語を学習する目的は、人それぞれですが、海外旅行や留学など海外での生活を見据えているのであれば、4級以上が望ましいです。

ここまでのポイント

  • スペイン語技能検定は2級以上から価値がある。
  • 初心者は難しければ4級から取得を目指すと良い。

よくある質問

英検やTOIECなどの他の検定と、どのくらいのレベル差があるのか。

スペイン語技能検定の階級と英検の階級は同じではありません。例えば、スペイン語技能検定の5級は英検の3級と同等レベルです。

スペイン語技能検定のレベルについて、MCER(Marco Común Europeo de Referencia)をもとに、もう少し掘り下げてみていきましょう。

*ヨーロッパ言語共通の評価指標のこと。言語の習得状況を評価するための「ものさし」。英語ではCEFR(セファール)と言われています。

スペイン語技能検定、DELE、SIELEとその他英語検定の対応表は以下のようになります。

MCER西検DELESIELETOIEC英検
C2C2
C11級C1858-1000945-9901級
B22級B2685-857785-944準1級
B13級B1459-684550-7842級
A24級A2277-458225-549準2級
A15・6級A1140-276120-2243級・4級・5級
文科省の資料より作成

西検のレベルについては、日本スペイン協会において新たに明記されました。6級はPre A1に分類されるようです。

ここから分かることは大きく以下の2つです。

スペイン語技能検定のレベルに関して分かること
  • スペイン語技能検定と英検の階級は同一ではない。
  • スペイン語技能検定5級と英検3級は同等レベル。
  • スペイン語技能検定3級は英検2級と並ぶので高校卒業レベル。

スペイン語学習者として押さえたいことは、スペイン語技能検定の階級と英検の階級は同じでは無いということです。

スペイン語技能検定5, 6級は英検3, 4, 5級に対応しそうです。

これは妥当なのか調べてみました。

スペイン語技能検定6級と英検3級のレベルについて、それぞれ以下のように記述がありました。

スペイン語検定6級の検定基準
英検3級の検定基準
  • 4技能(読む、書く、聞く、話す)の基本を理解している
  • 日常生活において最低限のやりとりが可能である
  • 身近な英語を理解し、また使用することができる。
  • 読む:身近なことに関する文章を理解することができる。
  • 聞く:身近なことに関する内容を理解することができる。
  • 話す:身近なことについてやりとりすることができる。
  • 書く:身近なことについて書くことができる。

どちらの試験も4技能(読む、書く、聞く、話す)に関しては言及されています。

しかし、スペイン語技能検定6級の試験には筆記試験(マークシート形式)とリスニング試験しかなく、2技能「書く・話す」については試験がありません。

一方、英検では3級から面接試験も課されるので、スペイン語技能検定6級と英検3級は同等ではないと言えるでしょう。


スペイン語技能検定5級は面接試験が無いものの、試験内容が「直説法の学習を終えた段階」ということなので、これは中学卒業レベルの英検3級と同等レベルといっていいと思います。

日本スペイン協会が示す各階級の到達レベルと受験目安などは以下のようになっています。

階級レベル受験目安
1級社会生活の全般にわたってスペイン語を運用可能
専門的業務に携われる
・スペイン語を5年以上継続的に学んでいる方
(もしくは翻訳や通訳などの経験がある方)
・1級合格者は全国通訳案内士試験筆記試験語学科目が免除
2級社会生活の全般にわたってスペイン語を運用可能
一般的業務において活用可能
・スペイン語を4年以上継続的に学んでいる方
・スペイン語圏で1年程度の留学経験がある方
3級スペイン語4技能の活用可能
スペイン語圏で生活する中で適切なやりとりが可能
・スペイン語圏のスペイン語に語彙や用法の多様性があることを理解
・スペイン語の授業を約300時間以上受講している
4級スペイン語4技能の活用可能
日常生活において状況に即したやりとりが可能
スペイン語の授業を約200時間以上受講している
5級スペイン語4技能の基本を理解
日常生活において平易なやりとりが可能
スペイン語の授業を約100時間以上受講しているか
6級スペイン語4技能の基本を理解
日常生活において最低限のやりとり可能
スペイン語の授業を約50時間以上受講しているか
スペイン語技能検定のレベル表

公式サイトではサンプル問題と合わせて、その問題の出題意図が記されているので、受験を考えている人は確認してみることをお勧めします(2023年3月現在、公式サイトでは「準備中」になっています)

各階級の合格基準は以下の通りです。

  • 1級:80%以上
  • 2級〜6級:70%以上

当サイトでは、1級から4級までのサンプル問題を分析してまとめてありますので、問題が気になる方は合わせてご覧ください。

まとめ

本記事をまとめます。

スペイン語技能検定も積極的に受験したいね!
記事のまとめ
  • スペイン語技能検定は歴史が古い。
  • 試験は年に2回(春季・秋季)開催される。
  • 申し込み方法は「オンライン申込」のみ
  • 階級によるが、スペイン語技能検定は受験する価値がある。
  • スペイン語技能検定は2級以上から価値がある。
  • 初心者は難しければ4級から取得を目指すと良い。
  • スペイン語技能検定の階級と英検と階級は同じではない。
  • スペイン語技能検定の3級 = 英検の2級
  • スペイン語技能検定の5級 = 英検の3級

西検の対策問題集は過去問が盛り込まれている『スペイン語検定対策問題集』というのが白水社から出版されています。
関連 スペイン語検定4級対策問題集は必要か【使用レビュー】

*以上の問題集は、試験が改訂される前に出版された問題集です。新版が発表されるまでは、購入しない方が無難です。

以上です。この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。

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