この記事をご覧になっている人は、ある程度スペイン語を学習してきた方々だと思います。さらに、スペイン語技能検定1級を取得すると、全国通訳案内士のスペイン語試験が免除になるので、取得を目指している人もいるのではないでしょうか。
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また、スペイン語技能検定は年に2回実施されますが、1級は秋のみの開催になります。
スペイン語技能検定(以下、西検)は2021年4月にリニューアルされたので、これまでとは問題の形式が少し異なるようです。そこで、問題分析をして、どんな問題が出題されるのかサクッと理解しましょう。
1級のサンプル問題を分析
日本スペイン協会によれば、西検1級は MECR C1レベル相当となっています。サンプル問題とDELE C1の問題を比較すれば分かるように、DELE C1ほどの難しさはないように思えます(個人的見解です)。B2とC1の中間くらいが妥当ではないでしょうか。
著作権の関係で、問題自体を転載できませんので、実際のサンプル問題が見たい方は日本スペイン協会が公開している1級サンプル問題をご覧ください。
1級問題の概要
以下では、そのサンプル問題を整理して解説していきます。他の階級と比べて、西検1級の問題は4技能のバランスが良いと感じます。
大問 | 解答形式 | 問題数 | 問題形式 | 問題内容 |
第1問 | 選択・記述 | 17問 | 総合問題 | 長文を読み、文法問題・和訳問題等に解答する |
第2問 | 記述 | 1問 | 和訳問題 | 提示されているスペイン語文を和訳する |
第3問 | 記述 | 2問 | 西訳問題 | 提示されている日本語文(150字程度)をスペイン語に訳す |
第4問 | 選択・記述 | 14問 | 段落並べ替え問題 | 4つの段落に分かれた文章において、空欄補充や段落の並べ替え等をする |
第5問 | リスニング | 6問 | ニュース・インタビュー 聞き取り問題 | ニュースやインタビューなどを聞いた後、問題文の正誤を答える。 |
2次試験 | 口述 | 1問 | 要約・面接 | 日本語の課題文をスペイン語で要約し、その後面接官との質疑応答に答える。 |
1次試験
第1問:総合問題
300単語程度の長文の中に、文法問題やスペイン語文の和訳問題、正誤問題があります。文章を正しく理解していないと、文脈に適するような和訳ができません。基本的な文法から語彙力が問われます。
サンプル問題1は El Mundo の『ONCE: sorteo del Cupón Diario del miércoles 21 de noviembre de 2018』をもとに作られていると思います(筆者調べ)。あくまで問題文からの推測なので、確証はありません。
第2問:和訳問題
第2問は和訳問題です。日本社会などに関するスペイン語の文章が出題されるようです。
文章の長さについては言及がありませんが、1問しか出題されないことを考えると、それなりの長さ(第1問と同程度)の文章を和訳することになりそうです。
サンプル問題2は『Inmigración y emigración en Japón,” Anuario Internacional CIDOB 2013』をもとに問題が作られています。
この抜粋文を和訳することになりそうです。日頃から、日本社会に関するニュースや統計をチェックする必要があります。
第3問:西訳問題
第2問とは逆に、日本語の文章をスペイン語に訳す問題です。外交、経済、社会、文化などに関する 150字程度の日本語の文章が2題出題されます。
サンプル問題3(1)は『Salón del Manga』に関する文章です。Salón del Manga は毎年バルセロナで開催されている漫画やアニメのイベントです。
第2問に続いて、日本文化に関わる内容が出題されるので、アンテナ高く情報収集したいところです。例えば、スペイン国営の放送協会『RTVE』内で「Japón」と検索するだけでもかなりの記事が閲覧できます。
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第4問:段落並べ替え問題
第4問は特徴的な問題です。複数の Párrafos から成る文章において、空欄補充や段落の並べ替え等を行います。また、不定詞を正しく活用できるかも問われます。
サンプル問題4では、4つの Párrafos をもとに問題に答えていきます。4つを並べ替える場合の数は、全部で24通りありますが、この並べ替え問題は選択肢が4つしかありません。

すでに絞られているので、割と解答しやすいかも。
ただし、『複数のパラグラフから成るスペイン語の文章』と公表されているので、Párrafos が4つとは限りませんので注意してください。問題によっては、5つなどの場合もあるかも。
第5問:リスニング問題
1次試験の最後の問題はリスニング問題です。試験時間は15分ですが、音声が3回流れるので、実質5分弱/回のリスニングになると思われます。
2級のリスニング問題同様、ニュースやスピーチ、インタビューなどの内容を聞き取り、その後、問題文の正誤を判断します。よくある Verdadero o Falso の問題です。異なる点は正誤を判定する問題文が日本語ではなく、スペイン語であるという点です。
また、音声の内容のタイプを答える問題が最後にあります。これはイメージしにくいですが、要するに「どんな内容の音声ですか?」と聞かれているということです。選択肢から適するものを1つ選びます。内容を正しく理解できているかを問われています。
2次試験:口述試験
1次試験に合格した方だけが進める2次試験の内容を整理していきます。
2次試験は口述試験です。試験時間は準備も合わせて約20分です。事前に3種類のテキストが配られ、その中の1つについて、要約・自分の意見を述べていきます。メモは可能ということですが、辞書等の使用は禁止されています。
- STEP1試験準備(10分)
3種類のテキストから1種類を選び、テキストに書かれた問いについて考えをまとめる
- STEP2スペイン語で要約・説明(2分)
日本語の記事を読み、問いについてスペイン語で説明する
- STEP3面接官との質疑応答
記事に対する自分の意見を述べる
2級と違って、課題文は日本語です。それを読み、スペイン語で2分間程度要約・説明を行います。その後、面接官との意見交換や質疑応答などが行われます。
2次試験では、次の5つの項目について評価されるそうです。事前にどんな観点で点数がつけられるのかを理解しておくことは、合格するためには重要なことです。
まとめ
最後に記事の内容をまとめます。
以上です。
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