- スペイン語技能検定を受験するか迷っている人
- どんな問題が出題されるのか知りたい人
この記事をご覧になっている人は、ある程度スペイン語を学習してきた方々だと思います。
さらに、スペイン語技能検定1級を取得すると、全国通訳案内士のスペイン語試験が免除になるので、取得を目指している人もいるのではないでしょうか。
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また、スペイン語技能検定は年に2回実施されますが、1級は秋のみの開催になります。
スペイン語技能検定(以下、西検)は2021年4月にリニューアルされたので、これまでとは問題の形式が少し異なるようです。そこで、問題分析をして、どんな問題が出題されるのかサクッと理解しましょう。
1級のサンプル問題を分析
日本スペイン協会によれば、西検1級は MECR C1レベル相当となっています。
サンプル問題とDELE C1の問題を比較すれば分かるように、DELE C1ほどの難しさはないように思えます(個人的見解です)。
B2とC1の中間くらいが妥当ではないでしょうか。
1級問題の概要
以下では、そのサンプル問題を整理して解説していきます。他の階級と比べて、西検1級の問題は4技能のバランスが良いと感じます。
- 全文法事項が試験範囲
- 1次試験(筆記・リスニング問題)のほかに2次試験(口述)がある
- 試験時間は約100分(筆記75分,リスニング15分,口述10分)
- 1次試験の問題は全部で40問
大問 | 1次 第1問 | 1次 第2問 | 1次 第3問 | 1次 第4問 | 1次 第5問 | 2次試験 |
---|---|---|---|---|---|---|
解答形式 | マーク | マーク | マーク | マーク | マーク | 口述 |
問題数 | 17問 | 1問 | 2問 | 14問 | 6問 | 1問 |
問題形式 | 総合問題 | 和訳問題 | 西訳問題 | 段落並べ替え問題 | リスニング ニュース インタビュー | 要約 面接 |
問題内容 | 長文を読み、文法問題・和訳問題等に解答 | 提示されているスペイン語文を和訳 | 日本語文(150字程度)をスペイン語に訳す | 4つの段落の文章において、空欄補充や段落の並べ替え | リスニング後、問題文の正誤を答える | スペイン語で要約 面接官との質疑応答 |
1次試験の問題分析
第1問:総合問題
300単語程度の長文の中に、文法問題やスペイン語文の和訳問題、正誤問題があります。文章を正しく理解していないと、文脈に適するような和訳ができません。基本的な文法から語彙力が問われます。
サンプル問題1は El Mundo の『ONCE: sorteo del Cupón Diario del miércoles 21 de noviembre de 2018』をもとに作られていると思います(筆者調べ)。あくまで問題文からの推測なので、確証はありません。
第2問:和訳問題
第2問は和訳問題です。日本社会などに関するスペイン語の文章が出題されるようです。
文章の長さについては言及がありませんが、1問しか出題されないことを考えると、それなりの長さ(第1問と同程度)の文章を和訳することになりそうです。
サンプル問題2は『Inmigración y emigración en Japón,” Anuario Internacional CIDOB 2013』をもとに問題が作られています。
この抜粋文を和訳することになりそうです。日頃から、日本社会に関するニュースや統計をチェックする必要があります。
第3問:西訳問題
第2問とは逆に、日本語の文章をスペイン語に訳す問題です。外交、経済、社会、文化などに関する 150字程度の日本語の文章が2題出題されます。
サンプル問題3(1)は『Salón del Manga』に関する文章です。Salón del Manga は毎年バルセロナで開催されている漫画やアニメのイベントです。
第2問に続いて、日本文化に関わる内容が出題されるので、アンテナ高く情報収集したいところです。
例えば、スペイン国営の放送協会『RTVE』内で「Japón」と検索するだけでもかなりの記事が閲覧できます。
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第4問:段落並べ替え問題
第4問は特徴的な問題です。複数の Párrafos から成る文章において、空欄補充や段落の並べ替え等を行います。また、不定詞を正しく活用できるかも問われます。
サンプル問題4では、4つの Párrafos をもとに問題に答えていきます。4つを並べ替える場合の数は、全部で24通りありますが、この並べ替え問題は選択肢が4つしかありません。
すでに絞られているので、割と解答しやすいかも。
ただし、『複数のパラグラフから成るスペイン語の文章』と公表されているので、Párrafosが4つとは限りませんので注意してください。問題によっては、5つなどの場合もあるかも。
第5問:リスニング問題
1次試験の最後の問題はリスニング問題です。試験時間は15分ですが、音声が3回流れるので、実質5分弱/回のリスニングになると思われます。
2級のリスニング問題同様、ニュースやスピーチ、インタビューなどの内容を聞き取り、その後、問題文の正誤を判断します。
よくある Verdadero o Falso の問題です。
2級と異なる点は正誤を判定する問題文が日本語ではなく、スペイン語であるという点です。
また、音声の内容のタイプを答える問題が最後にあります。
これはイメージしにくいですが、要するに「どんな内容の音声ですか?」と聞かれているということです。
選択肢から適するものを1つ選びます。内容を正しく理解できているかを問われています。
2次試験:口述試験
1次試験に合格した方だけが進める2次試験の内容を整理していきます。
- 試験時間約20分間(準備10分、試験10分)
- 課題文は3種類から1種類選ぶ
- 課題文は日本の文化・習慣や経済・外交などについての時事的な内容
- 課題文は日本語
- 語彙数は250〜400
- メモ可能
2次試験は口述試験です。試験時間は準備も合わせて約20分です。事前に3種類のテキストが配られ、その中の1つについて、要約・自分の意見を述べていきます。メモは可能ということですが、辞書等の使用は禁止されています。
3種類のテキストから1種類を選び、テキストに書かれた問いについて考えをまとめる
日本語の記事を読み、問いについてスペイン語で説明する
記事に対する自分の意見を述べる
2級と異なり課題文は日本語です。それを読み、スペイン語で2分間程度要約・説明を行います。その後、面接官との意見交換や質疑応答などが行われます。
2次試験では、次の5つの項目について評価されるそうです。事前にどんな観点で点数がつけられるのかを理解しておくことは、合格するためには重要なことです。
- 文法
- 語彙
- 構成力
- 表現力・説得力
- 発音・イントネーション
まとめ
最後に記事の内容をまとめます。
他の階級についても同様に試験内容をまとめていますので、どのレベルを受験するか悩んでいる人は合わせてご覧ください。
以上です。ここまで読んでくださりありがとうございます。西検1級合格目指して対策頑張りましょう!