- スペイン語の動詞Pasarの意味や用法を知りたい人
- Pasar の使い方を例文を通して理解を深めたい人
- Pasar を用いた例文を探している人
Pasar を辞書で引くと、いろんな意味が出てきて、少し複雑で難しいと感じる方もいるはずです。
なぜなら、自動紙としても他動詞としても使われるからです。
そこで、この記事では『Pasar』について、活用・意味・用法を確認していきましょう。
PASARの活用
動詞PASARは規則的に活用されます。
PASARの不定形は以下の通りです。
- 不定詞:Pasar
- 現在分詞:Pasando
- 過去分詞:Pasado
直説法現在形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | paso | pasamos |
二人称 | pasas | pasáis |
三人称 | pasa | pasan |
直説法点過去形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | pasé | pasamos |
二人称 | pasaste | pasasteis |
三人称 | pasó | pasaron |
直説法線過去形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | pasaba | pasábamos |
二人称 | pasabas | pasabais |
三人称 | pasaba | pasaban |
直説法未来形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | pasaré | pasaremos |
二人称 | pasarás | pasaréis |
三人称 | pasará | pasarán |
直説法過去未来形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | pasaría | pasaríamos |
二人称 | pasarías | pasaríais |
三人称 | pasaría | pasarían |
接続法現在形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | pase | pasemos |
二人称 | pases | paséis |
三人称 | pase | pasen |
直説法現在形一人称単数形の語幹 pas- が接続法現在形の活用母体になります。その語幹に -er, -ir動詞の活用語尾 e, es, e, emos, éis, en をくっつけます。
関連 接続法における動詞の活用の仕方【スペイン語】

接続法過去形
直説法点過去形三人称複数形の語幹 gustar- が接続法過去形の活用母体になります。
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | pasara | pasáramos |
二人称 | pasaras | pasarais |
三人称 | pasara | pasaran |
PASARの意味と用法
動詞Pasarは用法が多いこともあり、使用頻度は高いです。ただし、自動詞としての意味と他動詞としての意味は似ていますので、比較的覚えやすいと思います。
\PASARの用法/
- Pasar 時間が過ぎる/何かが起こる
- Pasar por + alguien/algún lugar 〜のところに寄る
- Pasar de algo 〜に関して超過する
- Pasar de + algún lugar 〜から移動する
- Pasar algo 時間を過ごす/試験に合格する
自動詞としてのPasar
基本的な意味は「何かが過ぎる」と捉えるといいです。Pasar の主語と、その後に続く前置詞によって、意味が変わります。
- ある主語が場所を「過ぎる」は『通る』と考える。(他動詞でも表現できます)
- 出来事が「過ぎる」は『起こる』と考える。
- 時が「過ぎる」はそのまま『時間が過ぎる』と考える。
- 何かが限界を「過ぎる」は『超える』と考える。
主語によって、意味・ニュアンスが変わり、それに伴う前置詞が変わるというイメージです。
Pasar
主語によってPasarの意味が変わります。
Pasarの主語が時間であれば「過ぎる」になりますし、出来事が主語であれば「起こる」となります。
La casa va empeorándose a medida que pasan los años.
家は時間が経つにつれてだんだん劣化していく。
副詞節 a medida que 以降の部分が該当箇所です。
副詞節の主語は los años です。時が主語ですので「年が過ぎる」と考えるといいでしょう。そのため、副詞節は「年が過ぎるにつれて」となります。
¿Qué te pasa? – No, no pasa nada.
どうしたの? – ううん、なんでもないよ。
¿Qué te pasa?は「何かあったの?」という意味でよく使用される声がけです。
他にも、¿Qué pasó?などもありますが、間接目的格代名詞を用いて(例文中はte)、誰に対して「どうしたの?」と声をかけているのか明確にすることがあります。
前半の分を直訳すると「君に対して何が起こったの?」となりますが、自然になるように「何があったの?」とか「どうしたの?」というように意訳して考えます。
Pasar por + alguien(algún lugar)
Pasar por + 人(もしくは場所)で「〜のところに寄る」という意味になります。
Pasar の後ろに前置詞のpor がありますので、どこか場所を「通る」という意味になります。por の後ろに場所や人がきます。
Mañana pasa por mi casa. – Sí, pasaré por ti en la tarde.
明日、私の家寄っていって。- うん、午後に君のトコ寄っていくね。
前半は mi casa ですので「私の家を通る」、つまり「私の家に寄る」ということです。後半の文は、por の後ろに ti がきていますが「君のところに寄る」ということです。
例えばpor míを使えば、前半の文は「Mañana pasa por mí」でも通じます。ただし、意味は「私の家」というよりも「私がいるところ」というニュアンスになります。
Pasar de + lugar [a + lugar]
前置詞deやaを伴うと、どこどこから、どこどこへ「移動する」という意味になります。
La epidemia pasó de una vez de China a otros países el año pasado.
伝染病は、昨年中国から他の国々に一気に広がった。
主語がLa pandemia ですので、伝染病が過ぎるわけですが、これだけだと意味が通じません。場所が必要です。
そこで、例文の後半部分を見てみましょう。場所を伴って、前置詞de は「〜から」を表し、前置詞a は「〜へ」を表します。
つまり『中国から他の国々へ』広がったとなります。
Pasar de + algo
Pasar de + algoで「(重量などが)超える」という意味になります。
Mi maleta pasó de límite de peso al facturar en el aeropuerto.
空港でチェックインする時、私のスーツケースは重量超過していた。
Mi maletaスーツケースが主語です。それが「pasó」してしまったということですが、これだけだと何かが足りないですね。
スーツケースは時間でも出来事でもないですので、何を過ぎたのかを前置詞を伴って表現します。pasó de límite de pesoで「重量制限を超えた」ということです。
他動詞としてのPasar
続いて、他動詞としての Pasar を見ていきましょう。基本的な意味は「移動」です。
他動詞は直接目的語を伴いますので、Pasarの後ろにくる目的語に注目することで、意味を捉えることができます。
Pasar + algo
El tren está pasando un puente que comunica con la isla.
電車は島と通じている橋を渡っている。
está pasando の後ろに直接目的語un puente「橋」がきていますので、動詞pasaは他動詞として働いていることがわかります。
この場合、pasar un puenteで「橋を通る」と考えます。橋の上を移動しているということです。
pasarを自動詞として使用するなら「El tren está pasando por un puente」となります。
「場所を通る」ことを言いたい場合は、あまり難しいことを考えずに前置詞porを入れてもいいし、入れなくてもいいし・・・くらいの感覚でいましょう。
筆者の体感としては、porを伴って自動詞として用いている方がよく聞きます。
He pasado la silla que ayer compré del coche a la casa.
昨日買った椅子を車から家に移動させた。
直接目的語にla sillaがきていますので「(椅子を)移動させる」という意味になります。
その場合は、前置詞 de(どこから) や a(どこへ)を伴います。誰か人のところへ移動させる場合は、a + 人となりますが、間接目的格代名詞を用いて省略することがあります。
例えば「塩を取ってくれる?」と言う場合は「¿Me pasas la sal?」となります。このme が間接目的格代名詞にあたります。la salを「私のところへ(私に)移動させる」ということです。
Pasar + tiempo
Pasar の目的語として「時」が来た場合は、時の移動ということになり、つまり時間を過ごすということです。
Pasé toda la noche haciendo una tarea. Así que me muero de sueño.
一晩中宿題をやって過ごしたよ。だから眠くてたまらない。
paséの後ろにtoda la nocheが来ていますので、『一晩中ずっと過ごした』ということになります。
Pasar の活用形がpaséとなっているので、主語は『私』です。
Pasar + examen
Me gustaría pasar el examen DELE en noviembre.
できれば 11 月に DELE の試験に合格したいなぁ。
直接目的語にel examenなどの「試験」を表す単語が来た場合は「試験を通る」、つまり『試験に合格する』となります。
日本語でも試験をパスすると言いますね。
PASARの熟語表現
ここからは番外編です。よく使われる熟語表現を紹介します。
- Lo que pasa es que :実は〜ということです
- pasarlo bien:楽しく過ごす
Lo que pasa es que le dije la mentira a mi amigo.
実は、友人に嘘をついてしまったんだよね。
直訳すると「起こっていることは que 以下です」ということです。前言に反して何かを言う時などに使われます。que 以下の時制は何が来てもいいので、非常に使い勝手がいいと思います。
¿Cómo lo pasas? – Sí, lo paso bien.
調子はどうだい? – うん、楽しんでいるよ。
Pasarlo bien で一つの表現です。『楽しく過ごす』という意味になります。ラテンアメリカではloの代わりにla になることもあるみたいです。
パナマに住んでいましたが、laのパターンは聞いたことはないです。誰かに楽しいか聞かれた時の返答に使えます。
まとめ
記事の内容をまとめます。
\筆者が主に使用している参考書/
以上です。この記事がスペイン語学習の役に立てば嬉しいです。