- 「〜しちゃった」をスペイン語で何というか知りたい人
- 再帰動詞の用法を知りたい人
自分の意識に関係なく「〜してしまった」とか「〜しちゃった」と思うことはよくありますよね。
例えば、「有名人の名前を忘れちゃった」などです。このような表現は無意識表現または無意思表現などと呼ばれます。
今回紹介する表現は、辞書から集めて整理したものと、筆者がJICA海外協力隊としてパナマに在住していた時によく聞いたものをまとめたものです。
この記事はPodcastでも紹介しています。
無意識表現には再帰動詞を使う!?
スペイン語で「〜しちゃった」と表現するには再帰動詞を用います。「忘れちゃった」なら Olvidarse ですし、「壊しちゃった」なら Estropearse もしくは Romperse です。
基本的な考え方
マスターするためには①主語②語順の2つはどうなっているかを考える必要があります。考えるべきポイントはこの2つですので、簡単に理解でき、使用することもできます。
- 主語は何か
- どんな語順か
1. 主語は何か
例えば「私は財布を落としてしまった」をスペイン語で表現する時の主語は「私」ではなく「財布」になります。
別の例「レポートを提出するのを忘れてしまった」ではどうでしょうか。この場合の主語は「レポートを提出すること」です。
このように日本語でいう場合と違います。
詳細は後述しますので、ここでは『日本語でいう場合とスペイン語の場合では主語がちょっと違うぞ』ということをポイントとして押さえてください。
2. どんな語順か
基本的には、語順は上図の形をとります。
間接目的格代名詞は me「私に対して」や te「君に対して」のことを指します。
本来、再帰格代名詞は主語によって変化しますが、『〜しちゃった』表現中では主語が物や行為になることがほとんどですので『Se』になります。例えば、「財布を落としちゃった」という例文では、財布が主語ですから、主語は三人称単数、つまり再帰格代名詞は se になります。
例文でニュアンスを確認
Caérsele:落ちてしまった
Se me cayó la cartera en alguna parte.
どこかに財布を落としちゃった。
主語はla cartera 財布です。その「財布が私に対して、(勝手に)落ちてしまった」と解釈します。言い換えて、「私は財布を落としてしまった」となります。
Se me cayeron los libros en el suelo.
本を床に落としちゃった。(意識せずうっかり)
主語はlos libros 複数の本です。そのため、再帰動詞も三人称複数形になります。つまり、se cayeron となります。「複数の本が私に対して(私の意識外で)、落ちてしまった」と解釈します。言い換えて、「私は本を落としてしまった」となります。
主語によって、再帰動詞も三人称単数か三人称複数か変わる!
Olvidársele:忘れちゃった
Se me olvidó presentar un reporte al profesor.
先生にレポートを提出するのを忘れちゃった。
上の例文のように、主語に不定詞を持ってくることもできます。主語はpresentar(ここでは提出する)です。「先生にレポートを提出することが私に対して、忘れられた」と解釈します。つまり「私は先生にレポートを提出することを忘れてしまった」となります。
主語に動詞の不定形を持ってくることもできる!
Derramársele:こぼしちゃった
A él se le derramó la leche a la mesa.
彼はテーブルに牛乳をこぼしてしまった。
主語はla leche 牛乳です。動詞Derramarは「〜をこぼす」という意味の他動詞です。この例文では間接目的格代名詞の部分がleになっています。これは三人称の誰かということになります。この部分を「me, te, le, nos, os, les」に変えるだけで、意味上の主語を変えることができます。
「私がこぼしちゃった」▶︎ me
「君がこぼしちゃった」▶︎ te
「彼(彼女,あなた)がこぼしちゃった」▶︎ le
間接目的格代名詞がleだと彼なのか彼女なのか、あなたなのか分かりませんので 「a + 人」を付け加えます。それが冒頭のA él です。élですので「彼がこぼしちゃった」ということです。
間接目的格代名詞を変えることで「誰が〜しちゃった」のかを変えることができる!
まとめ
本記事をまとめます。
以上です。スペイン語学習の役に立てば嬉しいです。