- 関係詞cuantoと疑問詞cuántoがごちゃ混ぜになっている人
- 関係詞cuantoの意味や用法を知りたい人
関係詞のcuantoは、関係代名詞や関係形容詞、関係副詞の3つの顔を持っています。
口語表現ではそこまで使用されないcuantoですが、cuanto … tanto más …「〜すればするほど、ますます〜だ」のような比例表現はよく用いられるので、無視できない関係詞でもあります。
この記事では、関係詞cuantoの意味や用法、使う際の注意点についてまとめました。
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関係詞cuantoの用法
関係詞cuantoは関係詞queと同じく「関係代名詞」「関係形容詞」「関係副詞」の3つの働きをします。
関係詞の種類については、【関係詞って何?】初心者でも分かる関係詞の基本【スペイン語】を参考にしてください。
- 関係代名詞(制限用法、独立用法、比例表現)
- 関係形容詞(制限用法、比例表現)
- 関係副詞(独立用法、比例表現)
制限用法とは、先行詞の意味を限定する用法です。
独立用法とは、関係詞自体が先行詞の意味を含んだ用法です。
また、ここでの比例表現とは「〜すればするほど…だ」を意味します。これは関係詞cuantoがmásやmenosなどの比較表現を伴って表されます。
これらの関係詞の用法については次の記事にて解説していますので、関係詞にまつわる用語を詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。
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用法1:関係代名詞cuanto
関係代名詞としてのcuantoは、「〜する全ての」という意味の制限用法と先行詞を含んで「全てのモノ・人」という意味の独立用法があります。
【制限用法】関係代名詞cuanto
Puedes probarte todo cuanto queiras.
好きな服をどれでも試着できますよ。
関係代名詞のcuantoは時にtodoを先行詞にすることがあります。todoをcuanto quierasで修飾しているわけです。「君が欲している全てのもの」となります。
quierasと接続法になっているのは、話者が「君」の好きな服を知らないためです。
直説法と接続法の違いは「確信度」に関わります。つまり、もしここが直説法(quieres)なら、話者は「君」が試着したいと思う服を全て知っている状態になります。
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cuantoは文章語として用いられますが、口語では次のように関係代名詞queが用いられます。
Puedes probarte todas las ropas que quieras.
【独立用法】関係代名詞cuanto
En el pueblo hay una chica muy querida por cuantos le conocían.
この村には、知り合いみんなから愛されている娘がいる。
例文中のcuantosは先行詞(ここではtodos「みんな」)の意味を含んだ独立用法です。
関係詞queを用いて書き換えれば、次のようになります。
En el pueblo hay una chica muy querida por todas las personas que le conocían.
(もしくは …por todos los que…)
【比例表現】関係代名詞cuanto
Habrá tantas más posibilidades de acuerdo cuantos menos seamos.
人数が少なければ少ないほど、合意の可能性が高まるだろう。
(例文はRAEより引用)
RAEの説明によれば、形容詞のmásやmenosの前につく関係代名詞cuantoは比例表現「〜すればするほど、〜だ」を作ります。
また、副詞tantoを伴うことが多く、その場合構造が「cuanto…tanto más(menos)…」ではなく、「…tanto más(menos)… cuanto…」となることの方が多いとのことです。
例文のcuantosは先行詞を含んだ独立用法と考えられます。
用法2:関係形容詞cuanto
関係形容詞としてのcuantoは先行詞の性数によって、cuanto/a, cuantos/asに変化します。
また、この用法は文章語で口語ではあまり用いられません。口語ではcuantoの代わりに「todo el[la] 名詞 que」が用いられます。
【制限用法】関係形容詞cuanto
Les saludó uno por uno a cuantas personas participaban en la fiesta.
彼はパーティに参加している全ての人に一人ずつ挨拶をした。
先行詞はcuantasに続くpersonasです。そのため、性数一致を行いcuantasになっています。
このように先行詞は関係形容詞cuantoの後ろに来ることもあります。(前に来る場合もあります。)
口語では次のように言い換えられます。
Les saludó uno por uno a todas las personas que participaban en la fiesta.
【比例表現】関係形容詞cuanto
Cuantos más libros leo, (tanto) más estaré inteligente.
本を読めば読むほど、私は賢くなれるだろう。
関係形容詞cuantoバージョンの比例表現です。名詞librosの性数に一致させ、cuantosになっています。
tantoはあってもなくても意味は同じです。
用法3:関係副詞cuanto
関係副詞のcuantoは副詞として働いているので変化しません。例えばcuantaやcuantosなどにならないということです。
【独立用法】関係副詞cuanto
Le aconsejé a María que llorara cuanto quisiera.
私はマリアに好きなだけ泣いた方がいいとアドバイスした。
関係副詞のcuantoは「できる限り」「できるだけ」と訳すことができます。
例文ではcuanto quisieraで「したい分だけ・好きなだけ」となります。助言の動詞aconsejarは助言の内容を接続法で表します。
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Respiré cuan hondo era.
できる限り深く深呼吸した。
この用法はmás, menos, mejor, mayorなどの前ではcuantoのままですが、それ以外の形容詞・副詞の前ではcuanになります。
例文では、直後に形容詞のhondoがありますので、cuantoはcuanになります。
Respiré profundamente lo más posible.
などでも同義です。
【比例表現】関係副詞cuanto
Cuanto más te quejas de los demás, (tanto) más se alejan de ti.
君が人の文句を言えばいうほど、人は君から離れていく。
比例表現の関係副詞バージョンです。例文中のcuantoは副詞としてquejarse「文句を言う」を飾っているわけです。
まとめ
記事の内容をまとめます。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございます。スペイン語学習の役に立てば嬉しいです。