関係詞は接着剤!スペイン語における関係詞の意味と使い方を丁寧に解説

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想定している読者
  • スペイン語における関係詞ってなに?と疑問を持っている人
  • 関係詞の種類を知りたい人
  • スペイン語の関係詞にはどんな用法があるのか知りたい人

スペイン語学習をしていてつまづくポイントの一つが『関係詞』です。

ここでは、関係詞とは何か、関係詞の種類やその使い方を解説します。

ぜひ最後まで読んでいってくださいね
記事のまとめ
  • 関係詞は名詞と文の接着剤のこと
  • 先行詞は文によって修飾された名詞のこと
  • 関係節は関係詞によって導かれた文のこと
  • 先行詞が関係節内でどんな働きをしているかによって、関係詞の分類がされている。
  • 関係詞の用法は6つ!
  1. 制限用法
  2. 非制限用法
  3. 独立用法
  4. 同格関係節
  5. 前置詞的用法
  6. 独立分詞構文
目次

関係詞とは接着剤のようなもの

まず、名詞を修飾する方法は大きく以下の3つがあります。

名詞の修飾の仕方
  1. 名詞 + 形容詞
  2. 名詞 + 前置詞 + 名詞
  3. 名詞 + 関係詞 + 文

名詞 + 形容詞
el coche rojo – 赤い車

形容詞で名詞に説明を加えるためには、性数一致を行う必要があります。el coche は男性単数名詞なので、形容詞 rojo/a は rojo になります。もちろん、形容詞は名詞の前に置いて修飾することもあります。

名詞 + 前置詞 + 名詞
el coche de alquiler – レンタカー

前置詞を用いて、別の名詞をくっつけることもできます。el coche と (el) alquiler はそれぞれ名詞で、それらを前置詞 de で繋いでいます。


関係詞とは、名詞を文で修飾するために必要な接着剤のようなものです。

名詞 + 関係詞 + 文
el coche que compré hace unos días – 私が数日前に買った車

名詞(句)をくっつける場合は前置詞でいいのですが、これが主語と動詞を含んだ文となると、接着剤として「関係詞」が必要になります。

③のように文で修飾された名詞を「先行詞」と言います。また、関係詞で導かれた文を「関係節」と言います。

関係詞の種類【一覧】

関係詞には、その働き方によって3種類に分類されます。

スクロールできます
関係詞関係詞の働き(イメージ)関係詞の種類
関係代名詞接続詞 + 代名詞que, el que, quien, el cual, cuanto
関係形容詞接続詞 + 所有形容詞(su)cuyo, cuanto
関係副詞接続詞 + 副詞(場所、時間など)cuando, donde, como, cuanto

名前に代名詞や形容詞、副詞が含まれているので、関係詞もそれらの品詞の働き方をします。

例えば、関係形容詞は、2つの文を1つに繋げつつ、形容詞的な意味も含むということです。

先行詞が関係節内でどんな働きをしているかで、関係代名詞なのか、関係形容詞なのか、関係副詞なのかが分類されます。

どういうことなのか例文を確認してみましょう。

関係代名詞

Voy a la playa que mi madre conoce bien.
「私は母がよく知っているビーチに行きます」

関係代名詞は接続詞と代名詞の働きをするので、

Voy a la playa. Y mi madre la conoce bien.

と書き換えられます。先行詞 playa は 関係節内では動詞 conocer の直接目的格代名詞 la に当たります。

こちらの記事でさらに詳しく

関係形容詞

Tengo una amiga cuyos padres son médicos.
「私は両親が医者である友達が一人います」

関係形容詞は接続詞と所有形容詞の働きをするので、

Tengo una amiga. Y sus padres son médicos.

と書き換えられます。

先行詞 amiga は関係節内では所有形容詞 sus に当たります。

こちらの記事でさらに詳しく

関係副詞

Vamos a la playa donde hay poca gente.
「私たちはビーチに行きます。そこには人がほとんどいません」

関係副詞は接続詞と副詞の働きをするので、

Vamos a la playa. Y hay poca gente en la playa.

と書き換えられます。先行詞 la playa は関係節内では副詞(前置詞句)en la playa に当たります。

こちらの記事でさらに詳しく

関係詞の使い方【まとめ】

関係詞の用法は大きく分けて6つあります。

関係詞の用法リスト
  • 制限用法
  • 非制限用法
  • 独立用法
  • 同格関係節
  • 前置詞的用法
  • 独立分詞構文

文法用語は難しく感じますが、パターンを分別しやすいので敢えてここでは使用して説明していきます。

6パターンありますが、ひとまずは「制限用法」「非制限用法」「独立用法」を覚えましょう。

1. 制限用法

制限用法とは先行詞の意味を限定する用法です。

La chica que vino a la casa ayer era bonita.
昨日家に来た少女は可愛かった

例文中のqueは関係代名詞で、関係節 que vino a la casa ayer が先行詞 la chica を修飾しています。

「先行詞の意味を限定する」とは、ここでは、何人かいる la chica の中から昨日家にきた la chica へと特定していると考えます。

この制限用法を持つ関係詞は以下の通りです。

  • que
  • el que
  • el cual
  • quien
  • donde
  • cuyo
  • como

*cuantoも制限用法を持ちますが、その使用はまれなようです。

2. 非制限用法

非制限用法は、先行詞に追加説明をする用法です。制限用法とは異なり、先行詞の絞りこみの意味はありません。

制限用法と非制限用法の区別の仕方として、基本的には「コンマ」もしくは「休止」があります。

La chica, que vino a la casa ayer, era bonita.
その少女は昨日家に来たんだけど、可愛かった

前項の制限用法との違いは、コンマがあるかないかです。

これは非制限用法のサインで、先行詞 la chica に補足を加えています。

意味の違いですが、この場合は先行詞がすでに明確です。

つまり、どの chica について話しているか分かっているということです。

先行詞が固有名詞(地名とか人名)など特定のものである時は、非制限用法と考えるといいでしょう。

Satiago, el que está en Panamá, tiene un buen sistema de transportes.
パナマのサンティアゴは交通機関が整備されている。

先行詞が明確なら、関係節で補足しているだけです。

この用法を持つ関係詞は以下の通りです。

  • que
  • el que
  • el cual
  • quien
  • donde
  • cuyo
  • cuando
  • cuanto

*comoも非制限用法を持ちますが、非常に少ないようです。

3. 独立用法

関係詞自体が先行詞の意味を含んだ用法です。

¿Tú puedes imaginar lo que me dolió en aquel entonces?
当時の私の苦しみを想像できますか?

例文の lo que が関係詞になります。独立用法の lo que は「〜すること」という名詞節(句)を作ることができます。

例文の lo que が作る関係節は動詞 imaginar の目的語になっています。

この用法を持つ関係詞は以下の通りです。

  • el que
  • quien
  • donde
  • cuando
  • cuanto
  • como

4. 同格関係節

イメージしやすいように説明すると、同格用法とは、制限用法のように先行詞の意味を限定し、非制限用法のように補足説明する用法です。

つまり、制限用法+非制限用法の用法ということになります。

Yui Aragaki, la que es una actriz de Okinawa, se casó con un actor.
新垣結衣は沖縄の女優ですが、ある俳優と結婚しました。

まず例文の la que が関係詞になります。

関係節 la que es una actriz de Okinawa が先行詞の Yui Aragaki を修飾しているという構造です。

途中、非制限用法のようにコンマを伴って関係節が挿入されており、かつ制限用法のように先行詞を限定しています(Yui Aragakiという同姓同名の方が複数人いると考えられるため)。

この用法を持つ関係詞は以下の通りです。

  • el que
  • quien

5. 前置詞的用法

関係詞自体が前置詞のように働く用法です。

Vamos donde María, que nos llamó hace un rato.
マリアのところに行きましょう。さっき私たちを呼んでたから。

例文の donde が関係詞です。名詞の前において「〜の所に(へ)」という意味になります。

前置詞っぽく使えるので、非常に便利です。

この用法を持つ関係詞は以下の通りです。

  • donde
  • cuando
  • como

6. 独立分詞構文

独立分詞構文とは、関係詞が先行詞と関係節を繋ぐ働きをせず、代名詞として働く用法です。「過去分詞 + el cual」で分詞構文を作ります。

Tuvo muchas tareas, hechas las cuales, fue a la cama.
彼(彼女)はたくさん宿題があったが、それが終わると、就寝した。

例文の「hechas las cuales」が分詞構文となります。

この用法では、過去分詞が主節の主語と異なる名詞を従えます。

例文における主節の主語は Él(もしくはElla)ですが、分詞構文 hechas las cuales では、意味上の主語は las tareas(las cuales)です。

先行詞は tareas なので、過去分詞 hecho と 関係詞 el cual は性数を一致させ、hechas と las cuales になります。

この用法を持つ関係詞は el cual だけです。

まとめ

記事の内容をまとめます。

関係詞の理解は進みましたか?
記事のまとめ
  • 関係詞は名詞と文の接着剤のこと
  • 先行詞は文によって修飾された名詞のこと
  • 関係節は関係詞によって導かれた文のこと
  • 先行詞が関係節内でどんな働きをしているかによって、関係詞の分類がされている。
  • 関係詞の用法は6つ
  1. 制限用法
  2. 非制限用法
  3. 独立用法
  4. 同格関係節
  5. 前置詞的用法
  6. 独立分詞構文

以上です。この記事では、スペイン語の関係詞について、意味や使い方を解説してきました。

関係詞それぞれのより詳しい説明に関しては、下記のリンクから記事をご覧ください。

筆者が文法学習で使用している参考書は以下の2つです。

\筆者が主に使用している参考書/

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