- スペイン語を学習し始めた入門者や初心者
- どのようにスペイン語を学習したらいいか悩んでいる人
- スペイン語初心者だけど、長文を読んでみたい人
- 参考書『耳が喜ぶスペイン語』を購入しようか迷っている人
スペイン語を学習し始めのころは、単語帳や文法書で学習すると思います。やっていくうちに『どのくらい理解できているのか』と不安になると思います。
でも、その後何をしたらいいのか分からないんですよね。
文法書を進めていって、理解できているような気がするけど、『使える状態』にはなっていない。
今回は、初心者の時に音読・シャドーイングの教材として「これをやっておけばよかった!」と感じる参考書『耳が喜ぶスペイン語』を紹介していきます。
耳が喜ぶスペイン語の構成と特徴
本書は大きく2つのパートに分けられています。
STEP1では、スペイン語に慣れることを目的とし、著者の身の回りのことについて紹介されます。
STEP2・3では、さらに一歩進んで、スペイン語圏の文化などにも触れられています。
各STEPの1〜5までの目次を掲載しておきます。*実際はもっとあります。
- STEP1 耳慣らし
- 1 Presentación de mí mismo 自己紹介
- 2 Los apellidos en españoles スペイン人の名字
- 3 Mis sobrinos 僕の甥と姪たち
- 4 El desayuno en España スペインの朝食
- 5 El almuerzo en España スペインの昼食
- STEP2 強化練習
- 1 Los “castells” カステーレス
- 2 Las terrazas veraniegas 夏のテラス
- 3 El origen de la patata ジャガイモの起源
- 4 El saludo en el mundo hispano スペイン語圏のあいさつ
- 5 ¡Ha venido el abuelo! おじいちゃんがやって来た!
- STEP3 ステップアップ
- 1 España, récord mundial en donación de órganos スペイン、臓器提供で世界記録
- 2 El AVE y la tecnología ferroviaria española en el mundo 世界のAVE とスペインの鉄道技術
- 3 Cocinar es cosa de hombres 男子厨房に入る
- 4 El Día de los Muertos 死者の日
- 5 Deportes tradicionales 伝統的なスポーツ
本書では、1つのテーマについて1分弱〜3分弱でまとめられています。
写真のように、スペイン語の文章やそこで使われている語彙、日本語訳が掲載されています。
文章を読んで理解できない部分があっても、語彙一覧や和訳ですぐに確認することができます。
非常に見やすく、分かりやすい構成です。
個人的は、本書は電子版を購入するのがいいと思います。
音源は無料でダウンロードできますし、電子版であれば、スマホやタブレットなどで入れて好きな時に学習ができるからです。
ただし、電子版だと書き込んだりするのがしづらいですね。
『耳が喜ぶスペイン語』は、じっくり腰を据えて文法学習するというよりも、リスニング力向上のための音読やシャドーイングで用いるのに最適な教材です。
そのため、サクッとアクセスできる電子版がいいわけです。
無料で音源をダウンロードすることができます。ただ、そのためには オーディオブック配信サービス – audiobook.jp に登録する必要があるみたいです。
耳が喜ぶスペイン語のメリット・デメリット
1. メリット
次の2つのメリットから、『耳が喜ぶスペイン語』はリスニング力を伸ばしたい人におすすめの教材だと言えます。
- スペイン語音源が聴きやすい
- 興味そそられるテーマと難し過ぎない内容で学習しやすい
リスニング教材として、重要な点は『スペイン語が聴きやすいかどうか』です。
現代では、わざわざスペイン語の書籍を購入しなくても、PodcastやYoutubeなどでネイティブのスペイン語を聞くことはいくらでもできます。
関連 【スペイン語Podcast】学習レベル別オススメ番組4選厳選!
しかし、その中には、話者の独特な話し方によって聞き取りにくいものがあったりします。
スペイン語入門者や初心者は綺麗なスペイン語を聴いて学習をすべきです。
本書の著者『フリオ・ ビジョリア・アパリシオ』さんは、スペイン最古のサラマンカ大学言語学部卒であり、その点信頼できます。
実際、非常に聴きやすいです。
もう一つ、本書のいい点は扱っているテーマです。
目次を見て貰えばわかりますが、単純に各テーマが面白そうですよね。スペイン語を学習する目的は人それぞれだとは思いますが、スペイン語圏の文化について知りたいと思ったことはあるはずです。
改訂版ではスペインの文化に加えて中南米の話題が追加されています。
2. デメリット
唯一あるデメリットは掲載されている語彙一覧をもう少し詳細にしてほしかったという点です。最初の入り口としてはいいのですが、少し物足りないと感じます。
例えば、一番目のpresentaciónの意味は『紹介』となっていますが、他にも『提出』という意味を持ってたりします。文章中の意味として『紹介』としているのは理解できます。
それならせめて品詞名と冠詞を付けて欲しかったなと思います。つまり、
名 La presentación 『紹介』
動 Trabajar 『働く』
形 Casado/casada 『結婚している』
のようにです。
スペイン語は日本語にはない性数を一致させるというルールがあります。これは、名詞を修飾したり、説明したりする際に、形容詞は名詞の性と数に合わせて変化するというものです。
そのため、冠詞(ここでは定冠詞)の “La” があったほうがいいわけです。同様に、形容詞もその性質上、男性形と女性形どちらも記載すべきだと思います。
その点さえ、クリアできていれば★5の参考書になったと思います(現時点では★4)。
耳が喜ぶスペイン語の活用方法
本書を使った学習方法を考えてみたいと思います。
- 作業BGMとして
- 音読教材として
- シャドーイング教材として
1. 作業BGMとして活用
これは書籍自体は使いませんが、音源をただBGMとして流すのもありだと思います。
1テーマの時間が1分弱〜3分いかない程度なので、スキマ時間を利用してサクッと聞くことができますし、料理や筋トレなんかをしながら、数テーマを聴くことができます。
音源の再生時間は全部で約2時間なので、まとまった時間の作業をする際にも『ながら』でリスニングするのも良さそうです。
2. 音読教材として活用
音読教材としても有能です。語学習得には『音読』は必須だと思っていますが、1テーマごとの分量がちょうどいいため、初心者の人でも音読練習がしやすいです。
音読のやり方については、音読はスペイン語習得に最良な学習方法【音読のやり方も丁寧に解説】にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
音読は毎日やることで、スピーキング力やリスニング力の向上が期待できますが、習慣化するためには自分にあったちょうどいいレベルであることが重要です。
1テーマ音読するのに2分かかるとして、それを10回音読しても30分かかりません。10回も同じ文章を音読すればスラスラ読めるようになっているでしょう。
3. シャドーイング教材として活用
音読と並行して、チャレンジしてみて欲しいのが『シャドーイング』です。シャドーイングとは、聴こえてきた音源の少し後ろから追いかけるようにして真似る学習方法です。同時通訳を仕事としている人たちが行っている基本的な訓練のようです。
シャドーイングのやり方は、リスニング力が向上!?シャドーイングの効果と方法【スペイン語】にて解説していますので、合わせてご覧ください。
音声を聴きながら、自分も話すことをするので、音読よりも難しいです。しかし、聴こえてきたことを瞬時に理解して発する必要があるので、リスニング力とスピーキング力はグンっと伸びます。
まとめ
本記事をまとめます。
以上です。この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。