- 初級から中級にレベルアップしたいと考えているスペイン語学習者
- 「中級スペイン文法」を購入しようか迷っている人
ある程度スペイン語の学習が進むと、「もっと詳しく知りたい」と欲が出てきます。それが初級から中級への脱却ポイントです。
DELE B1, B2レベルくらいになると、急に『中級』とか『上級』っていうワードが欲しくなります。
この記事を読んでいる読者さんも、より高みへ行きたいと考えていることだと思います。
そこで、スペイン語学習の中上級者におすすめされる『中級スペイン文法』を実際に使ってみてのレビューをしていきます。購入の参考になれば嬉しいです。
ちなみに、本書は東京外語大の基本図書にも指定されているそうです。基本て。
中級スペイン文法の構成と特徴
本書は大きく3つのパートに分かれています。
第1パートでは、全24章にわたる文法項目(Gramática)が細かく記載されています。
第2パートでは、表現編(Expreciones)として、比較表現など語法について記載されています。
第3パートでは、スペイン語史やアメリカ大陸におけるスペイン語(Histria)についてまとめられています。ここのパートはだいぶオタクです。
スペイン語文法の習得を目指すのであれば、基本的には第1・2パートで必要十分です。
スペイン語の成り立ちにも興味がある人はぜひ第3パートも読んでみてほしい。
中級スペイン文法のメリット・デメリット
メリット
- とにかく例文が豊富で、説明が詳細なので痒いところに手が届く
- 各文法項目に精通する専門家が執筆を担当している
- 体系的であること
文法の説明が詳しいことはもちろん、それぞれの説明に例文が付属されています。
しかも、その分量が膨大です。600ページを超えるページ数がありますが、見たところ、その半分弱は例文に割かれているのではないかと思います。
いくら日本語での説明が豊富でも、スペイン語での具体例がないと納得できませんよね。
それらの文法説明と例文は、それぞれの分野に精通している9人の専門家によって執筆されています。
また、より厳密なものにするために、共著者が他者の執筆項目にも推敲を加えたり、意見交換を行ったりしたとのことです。文法書としてのレベルの高さはこういったところから来ています。
体系的であることも重要です。目次からも分かるように、全ての文法項目について網羅的に掲載されています。
DELE C1受験に向けて勉強している筆者ですが、この文法書で解決できなかった文法事項は今のところないです。
内容量に関して言えば、書籍のタイトルに「中級」と入っていますが、だいぶ謙遜している気がします。
デメリット
- 図解がほとんどされてない
- ある程度学習が進んだ人でないと手が付けられない
とはいえ、使用するにあたって気をつけるべき点もあります。
本書は、初版が1995年に出版され、その後14回に渡って改訂されてきましたが、近年の参考書に見られる図解はほとんどありません。
日本語による説明と例文がメインです。そのため、スペイン語を学習し始めたばかりの人はその細かさに心が折れると思います。
使用する人を選ぶ文法書であると言えるでしょう。
「新版 スペイン語の入門」や「文法から学べるスペイン語」などの参考書である程度学習した人でないと手が付けられないでしょう。
「棚に置きっぱなし状態」になんてことにならないように。
中級スペイン文法を用いた学習方法
練習問題がついていないので、基本的には辞書的な使い方になるでしょう。本書を第1章から進めることはないです。
気になるところからどんどん索引して、理解を深めていくのが良さそうです。
白黒刷りで、余白もある程度あるので、書き込むことは可能です。
上の写真の通り、筆者は自分の学習した軌跡が分かるように、マーカーを引いたり、書き込んだりしています。
- 文法項目(見出し):緑マーカー
- 重要な説明:赤線
- 例文:オレンジマーカー
見出しに色をつけるのは、どこに何の文法項目が記載されているのかすぐに分かるようにするため。
説明に赤線を引くのは、どこを読めばいいか限定するため。
例文をマークするのは、音読練習しやすくするため。
自分なりに説明を加えていくと楽しいですよ。
別でノートを作るのは持ち物が増えるのでやっていません。
一番効果的なのは、自分なりの説明を加えることだと思います。言語化することで確実に理解は深まります。