本記事では、最重要動詞の一つSERの用法を11の例文で説明していきます。
どのように活用されて、その用法にはどんなものがあるのかを紹介していきます。
SERは最も基本的な動詞です。頻繁に使われるが故、動詞の活用はとんでもない不規則形をとります。
SER の意味と用法
Ser + 名詞句[職業・身分] 〜である
¿A qué se dedica usted? – Estoy en paro. Fui profesor desde el año pasado.
職業は何ですか。- 失業中です。去年まで教師でした。
解説
前半の質問はDedicarse a 〜 (〜に従事している)を使用した職業を聞く時のフレーズですが、後半でSer を使用してその質問に答えることができます。desde el año pasado が過去の副詞句なので、点過去Fui を使用します。
Sea lo que sea, para ser médico tienes que estudiar mucho.
とにかく、医者になるためにはたくさん勉強しなければいけない。
解説
冒頭のsea lo que sea は「とにかく、何であれ」という意味です。『接続法 + lo que 接続法』で「何が(を)〜しようとも」という譲歩の意味になります。前置詞Para の後ろに来る時は、動詞は不定形をとりますので、Ser になっています。
Ser + 名詞句[時刻・日付] 〜時(日)である
¿Qué hora era cuando llegaste tarde en el trabajo? – Eran las 9.
仕事に遅刻したとき何時だったの。- 9 時でした。
解説
何時か聞く時の定番フレーズ『¿Qué hora es?』の過去時制バージョンです。注意して欲しいのは、時刻の表現をする際は、点過去を使用せず必ず線過去になります。よって、例文中ではeraとeranを使用しています。las 9 は複数形ですので、eranと複数形になります。
Todavía recuerdo bien lo que me ocurrió como si fuera ayer.
まだ私に起こったことをよく覚えている。まるで昨日のことのように。
解説
como si 接続法 (まるで〜かのように)を使用した例文です。fuera が動詞Serの接続法過去形になっています。Era ayer で「昨日であった」となりますが、実際には昨日のできことではないので「まるで〜かのように」という表現にするためにcomo si (eso) fuera ayer になります。*eso が省略されていると考えましょう。
Ser + 形容詞 〜(な人・もの)である
¿Cómo es María? – Ella es una chica muy simpática y bonita.
マリアはどんな人ですか。- 感じがよくて、可愛い娘です。
解説
疑問詞Cómo は状態や手段などを聞く際に使用します。ここではマリアはどんな人なのかを聞く場面なので、Qué ではなくCómo を用いています。後半の文では、una chicaを省略して『Ella es muy simpática y bonita』と表現しても良いです。
Nos dijo que sería necesario la creatividad para conseguir trabajos.
私たちに言った、仕事を得るには創造力が必要になるだろうと。
解説
例文中のsería が該当部分です。過去未来形になっているのは主節(nos dijo)が過去時制になっているからです。過去未来は過去から見た未来です。つまり、過去の時制の時に、未来のことを言う時は過去未来形をとります。未来形は推量の意味を持ちますので『〜じゃないかな』というニュアンスになります。
Ser + de + 名詞句 〜出身・産である
Esa camisa no la compro aunque sea de seda por que es carísima.
私はたとえシルク製でもそのシャツを買わない、だって高すぎるから。
解説
直接目的語を冒頭に持ってきて、それを強調しています。そのためcompro の前のla は「Esa camisa」を指しています。『aunque + 接続法』で譲歩の「たとえ〜でも」という意味になります。これはある事柄仮定する際に使用します。これは事実を仮定的に述べる時にも使用できてます。つまり、実際に「そのシャツはシルク製である(事実)けれど、たとえそうだとしても買わない」ということです。
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¿De dónde sois? – Somos de Japón.
君たちはどこ出身なの。- 日本出身です。
解説
これも定番のフレーズです。¿De dónde es[eres, sois, son]? で相手の出身を聞くことができます。例文中では質問の相手は『sois 君たち』なので、答える側は『somos 私たち』になります。この動詞の違いは、日本語にはないので、最初は難しく感じるかもしれませんが、動詞の活用練習を頑張りましょう。
Ser + para + 名詞句 〜用である
¿Para quién estás preparando el dulce? – Es para niños que vendrán mañana.
そのお菓子は誰のために用意しているの。明日来る子供達のためです。
解説
Es para 名詞句で「〜用である」と表現できます。前置詞の後ろには名詞句がきますので、名詞がきても良いですし、不定詞を使った名詞句が来ても良いです。「Es para recibir a los niños que vendrán mañana. 」でも同じような意味になりますね。例文では、niños を関係詞que を用いて修飾しています。
Ser + 名詞句[行事] (行事などが)行われる
¿Dónde es la conferencia de hoy? – Es en la sala A-1.
今日の講演会はどこで行われますか。- A-1 です。
解説
例えばla fiesta やla conferencia などイベントが『どこで』『いつ』行われるかという疑問文でSer 動詞は使われます。通常「行われる」を表現する際は、celebrar やtener lugar などの動詞句が使用されます。Estar と間違えやすいので注意してください。Dónde está la conferenciaは間違いです。
Ser + 過去分詞 〜される «受け身»
Los terroristas fueron detenidos en el aeropuerto anoche.
昨夜、テロリストたちが空港で捕まった。
解説
Ser + 過去分詞で受け身の表現ができます。受け身の表現は、再帰代名詞Se を使った方法などいろいろありますが、Ser + 過去分詞は、文語体として新聞やニュースによく現れる印象です。例文中ではfueron detenidos の部分ですが、 過去分詞は主語の性数に一致します。つまり、主語がlos terorristas で男性複数形なので、detenidos になります。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございます。
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