日本の国歌”君が代”のスペイン語歌詞

君が代 スペイン語
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本記事は次のような人に向けて書かれています。

  • 「君が代」の歌詞はスペイン語でなんというのか知りたい人
  • 「君が代」の意味を外国人にどう説明したらいいか悩んでいる人

JICAの青年海外協力隊としてパナマで活動した時に、学校をはじめとする教育現場やあらゆるところで”パナマの国歌”を耳にしました。学校では、月曜日に必ず国歌を合唱します。パナマ人は国歌を大事にしていましたし、日本の国歌『君が代』についてもたくさん質問されました。

それまで正直『君が代』の意味について深く考えたことはありませんでしたので、非常に新鮮な気持ちで『君が代』と向き合えました。ここでは、筆者が『君が代』のスペイン語版と向き合う中で、まとめたものを紹介します。

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『君が代』スペイン語版

«Vuestro Reinado»
Que vuestro reinado, señor, dure

Mil generaciones ocho mil generaciones
Hasta que las pierdas se hagan rocas
Y broten el musgo.

«君が代»
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の巌となりて
苔のむすまで

Vocabulario

国歌を説明するための語彙を確認しましょう。

■ El himno 讃歌
 ▶︎ El himno nacional 国歌
■ El reinado 支配、君臨
■ Durar 続く
■ La generación 世代,代
■ La pierda 石
■ La roca 岩
■ brotar (植物が)芽を出す
■ El musgo 苔

歌詞の文法解説

『君が代』のスペイン語訳をより理解するために、簡単に文法の解説をしていきます。

Que vuestro reinado, señor, dure

解説
まず冒頭のQue ですが、Que + 接続法で願望を表しています。dure と言うのが、動詞Durar (続く)の接続法現在形です。『Que …, dure 』で 「〜が続きますように」という意味になります。主語が「vuestro reinado, señor 」です。ここの解釈は難しい(次項を確認してください)ですが、ここでは「親しい君の繁栄」としておきましょう。

Mil generaciones ocho mil generaciones

解説
La generación は「世代」という意味で『千代に八千代に』対応する部分です。千代とは「非常に長い年代」で、 八千代とは「数多くの年代」という意味ですので、この部分で『何世代に渡っても』解釈するのが良さそうです。冒頭と合わせると、『親しい君の繁栄よ、何世代に渡っても続きますように』となります。

Hasta que las pierdas se hagan rocas

解説
Hasta que + 接続法で「〜が…するまで」となります。Hasta que … に続くのは直説法と接続法の両方があります。使い分けは以下の通りです。

Hasta que [直説法・接続法]の使い分け
  • すでに起こった過去の事柄:直説法
  • 習慣の事柄:直説法
  • これから起こる未来のこと:接続法

君が代では「これから長い年月繁栄が続きますように」と願っているわけですから、未来のことです。つまり、Hasta que 接続法になります。そのため動詞が、se hagan … y broten となっています。

Hacerse + 名詞で「〜になる」という意味で、las pierdas (石)がrocas (岩)となるということです。hasta que …と合わせて『石が岩となるまで』となります。

さざれ石と巌についてはWikipediaには以下のように書かれています。

さざれ石は、もともと小さな石の意味であるが、長い年月をかけて小石の欠片の隙間を炭酸カルシウム(CaCO3)や水酸化鉄が埋めることによって、1つの大きな岩の塊に変化した「石灰質角礫岩」を…(中略)…巌であるとして、

Ybroten el musgo.

解説
最後の部分は、接続詞Y によって、hasta que … と繋がっています。つまり、hasta que (las pierdas) broten el musgo ということです。主語が省略されていますが、las pierdas です。動詞brotar は「(植物が)芽を出す」という意味です。el musgo がコケですので、hasta que と合わせて考えると「石が苔をつけるまで」ということになります。君が代の歌詞をある程度示せているのではないでしょうか。

君が代に関わる議論

君が代の起源は『古今和歌集』に収められた「読人知らず」という和歌だと言われています。もともとは親しい人の長寿を願う歌でした。

それが、時代が流れて『君』が天皇のことだとか、天皇が納めてきた時代や国だと政府が主張しているわけです。日本は戦争によって、他国を統治してきた過去もありますから、その時代の天皇を称える歌だと解釈する政府に意を唱えている人がいるというわけです。

これらの議論については”君が代の「君」は象徴天皇のこと”とは?が簡潔にまとめられていて分かりやすいです。