時の接続詞には、cuando や mientras 、antes de que など副詞と接続詞 que を組み合わせたものがあります。これらが導く副詞節において直説法を使うか、接続法を使うかで意味が変わってきます。
時の接続詞の考え方
冒頭でも述べましたが、ここでの『時の接続詞』とは cuando や mientras などの単語に加えて、接続詞 que と siempre や hasta などの副詞を組み合わせた熟語表現も含みます。
cuando + 直説法/接続法の違い
時の接続詞の代表的な単語は cuando です。「〜の時」という意味です。「cuando + 直説法」と「cuando + 接続法」とでは意味合いが異なります。
基本的には時制で使い分けましょう。現在・過去の事柄を話すなら、cuando + 直説法を用いて、未来の事柄を話すなら、cuando + 接続法を用います。
時の接続詞に導かれる副詞節内において、具体化していない内容(特に未来のこと)を述べる場合は接続法を用います。未来のことはこれから起こる事柄なので、まだ具体化していません。
確認【接続法は5パターン】スペイン語の直説法と接続法の違いとは
副詞・副詞節というのは、基本的にそれがなくても意味は通ります。
Leo este libro cuando tengo tiempo.
私は時間がある時には、この本を読んでいます。
cuando が導く副詞節とは、cuando tengo tiempo の部分です。「時間がある時に」という意味ですが、これが仮になくて、Leo este libro だけでも「この本を読んでいます(読みます)」のように文として完成しています。
このように副詞・副詞節というのは『無くてもいいけど、動詞や文章の飾りつけをする役割』を持っています。
時の接続詞の使い方を確認
例文を通して、違いやニュアンスを確認していきましょう。
Cuando
以下の例文では、cuando 以後の動詞 tener がそれぞれ tengo, tenga と異なっています。これによって、どんな違いがあるのでしょうか。
Leo este libro cuando tengo tiempo.
時間がある時には、この本を読んでいます。
Voy a leer este libro cuando tenga tiempo.
時間がある時に、この本を読むつもりです。
解説
ポイントは習慣なのか、単発なのかです。習慣として「時間があるときは大体いつも」本を読んでいることを言いたい場合は直説法です。
現在の習慣は直説法で表現します。つまり、… cuando tengo tiempo となります。主節も近い未来を表す構文「Ir a 不定形」を用いず、直説法現在形を用いて Leo este libro とします。
それに対して、習慣ではない場合を考えてみましょう。
例えば「自分が手に持っている本について、友人が『その本どうしたの?』と聞いてきた時に、これから時間がある時に読むつもりであることを伝える場面」などは、習慣ではなく、未来の内容です。
未来の内容は接続法で表現します。つまり、…cuando tenga tiempo となります。また、後者では、近い未来を表す構文「Ir a 不定形」を用いて、Voy a leer este libro としています。
Hasta que
次に hasta que の用法を見ていきます。
La esperaba aquí a ella hasta que ella terminó el trabajo.
彼女が仕事を終えるまで、ここで待っていました。
La esperaré aquí a ella hasta que ella termine el trabajo.
彼女が仕事を終えるまで、ここで待ちます。
解説
時のフレーズ hasta que も cuando と同様に後ろに直説法と接続法のどちらも伴うことができ、意味合いも変わります。hasta que が導く節内の動詞が terminó と termine で活用が異なります。
前者においては、主節の動詞が esperaba と過去時制で、実際に彼女を「待っていた」ということなので、現実の内容です。したがってhasta que 以降は直説法を用います。
後者においては、主節の動詞は esperaré なので未来時制で、彼女が仕事を終えるのは『これから』です。つまり、まだ具体化していない未来のことなので、hasta que 以降は接続法を用います。
Antes de que
最後に時のフレーズ Antes de que を見ていきましょう。
Antes de que llueva, me voy a mi casa.
雨が降る前に家に帰ります。
Compré un paraguas antes de que lloviera.
雨が降る前に傘を買いました。
解説
antes de que(〜する前に) や para cuando(〜する時まで/〜する時のために) などは、まだ起きていない(その時点でまだ起きていなかった)事柄について述べるので、常に接続法をとります。
前者における「雨が降る前に」というのは、その時点ではまだ雨が降っていないということを表しています。これから降るかもしれないし、降らないかもしれませんが、未来について述べています。
したがって、動詞 llover は接続法現在形 llueva と活用されます。つまり …antes de que llueva となります。
後者では、時制の一致をしています。主節で Compré un paraguas(傘を買いました)と過去の事柄を述べています。主節が過去時制ですので、副詞節内の時制も過去時制になります。
したがって、動詞llover は接続法過去形 lloviera と活用されます。つまり …antes de que lloviera となります。
『過去の内容なら、直説法ではないのか』と迷ってしまいがちですが、ここでの「雨が降る前に」という表現は、その過去の時点から見た未来のことです。
まとめ
記事の内容をまとめます。
音読は語学習得の1番の近道です。例文をスラスラ読めるようになってきたら、例文を参考に口頭で作文してみましょう。
確認【音読のメリット5選】文章をスラスラ読めるようになりたい人へ【スペイン語】
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