動詞 Decir「言う」は基本的な動作なだけに、活用が不規則であったり、いろんな使い方ができます。
そんな重要動詞 Decir の意味や用法を10の例文で説明していきます。どのように活用されて、その用法にはどんなものがあるのかを紹介していきます。
Decir の活用
Decir は直説法において不規則に活用される動詞ですので、何度も口に出して練習しましょう。
直説法
現在形
人称 | 活用 | 人称 | 活用 |
一人称単数 Yo |
digo | 一人称複数 Nosotros/as |
decimos |
二人称単数 Tú |
dices | 二人称複数 Vosotros/as |
decís |
三人称単数 Él, Ella, Usted |
dice | 三人称複数 Ellos, Ellas, Ustedes |
dicen |
点過去形
人称 | 活用 | 人称 | 活用 |
一人称単数 Yo |
dije | 一人称複数 Nosotros/as |
dijimos |
二人称単数 Tú |
dijiste | 二人称複数 Vosotros/as |
dijisteis |
三人称単数 Él, Ella, Usted |
dijo | 三人称複数 Ellos, Ellas, Ustedes |
dijeron |
線過去形
人称 | 活用 | 人称 | 活用 |
一人称単数 Yo |
decía | 一人称複数 Nosotros/as |
decíamos |
二人称単数 Tú |
decías | 二人称複数 Vosotros/as |
decíais |
三人称単数 Él, Ella, Usted |
decía | 三人称複数 Ellos, Ellas, Ustedes |
decían |
未来形
人称 | 活用 | 人称 | 活用 |
一人称単数 Yo |
diré | 一人称複数 Nosotros/as |
diremos |
二人称単数 Tú |
dirás | 二人称複数 Vosotros/as |
diréis |
三人称単数 Él, Ella, Usted |
dirá | 三人称複数 Ellos, Ellas, Ustedes |
dirán |
過去未来形
人称 | 活用 | 人称 | 活用 |
一人称単数 Yo |
diría | 一人称複数 Nosotros/as |
diríamos |
二人称単数 Tú |
dirías | 二人称複数 Vosotros/as |
diríais |
三人称単数 Él, Ella, Usted |
diría | 三人称複数 Ellos, Ellas, Ustedes |
dirían |
接続法
接続法の活用は直説法現在形一人称単数 digo と直説法点過去形三人称複数 dijeron を母体として変化していきます。
接続法現在形▶︎ dig-
接続法過去形▶︎ dijer-
接続法においての動詞の活用は複雑に感じるかもしれませんが、規則活用ですので意外と簡単に覚えられると思います。
関連 接続法における動詞の活用の仕方【スペイン語】
現在形
人称 | 活用 | 人称 | 活用 |
一人称単数 Yo |
diga | 一人称複数 Nosotros/as |
digamos |
二人称単数 Tú |
digas | 二人称複数 Vosotros/as |
digáis |
三人称単数 Él, Ella, Usted |
diga | 三人称複数 Ellos, Ellas, Ustedes |
digan |
過去形
人称 | 活用 | 人称 | 活用 |
一人称単数 Yo |
dijera | 一人称複数 Nosotros/as |
dijéramos |
二人称単数 Tú |
dijeras | 二人称複数 Vosotros/as |
dijerais |
三人称単数 Él, Ella, Usted |
dijera | 三人称複数 Ellos, Ellas, Ustedes |
dijeran |
Decir の意味と用法
Decir の基本的な意味は『何かを言う』です。何が何を言っているのかによって、用法が分かれているだけです。
decir は他動詞として用いられることが多いです。他動詞ですので直接目的語「〜を」を伴います。この目的語の部分が『que 直説法』や『que 接続法』になったりします。構造としては一緒ということです。
decir algo はそのまま「何かを言う」と言う意味になります。主語が新聞などの書物になれば、「書物が何かを言う」という意味、つまり「書物に書かれている」と考えます。人が主語じゃなくてもいいってことですね。
『decir que 直説法/接続法』の使い分けですが、事実(…が〜であること)を言う場合は直説法を用いて、命令の意味(…が〜するのように命令する)で用いる場合は接続法を用います。
再帰動詞 decirse には se 受け身の用法があります。受け身表現なので「言われる」という意味になります。se dice, se dicen, など三人称の形で用いられます。
decir の用法を例文を通して理解していきましょう。
Decir algo 〜を言う
A juzgar por su cara, probablemente no ha dicho la mentira.
彼(彼女)の顔から判断すると、おそらく嘘はついていないよ。
解説
後半の ha dicho が該当部分です。直後に la mentira「うそ」 がありますが、これが直接目的語です。「嘘を言う/嘘をつく」という意味です。
推定の副詞 probablemente「おそらく」がありますが、確信度の度合いによって、decir の活用を考えます。確信度が高い順から、直説法現在形▶︎直説法未来形▶︎接続法現在形になります。
この用法については以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
Entiendo perfectamente lo que estás diciendo.
君が言っていることはよく分かるよ。
解説
動詞 Entender の目的語として lo que estás diciendo があります。他にも lo que dice, lo que dicen, lo que se dice などように関係代名詞 lo que 「〜すること」と一緒に用いることが多々あります。
Voy a ir al extranjero para estudiar digan lo que digan.
誰が何と言おうと、私は留学するつもりだ。
解説
接続法を用いた成句表現です。『接続法 + lo que + 接続法』で「何が(誰が)〜しようとも」という譲歩の意味になります。
Decir que 直説法 〜であると言う
Dicen que es difícil reservar los vuelos directos a Kumejima la temporada alta.
オンシーズンでは久米島への直行便を予約するのは難しいそうだ。
解説
Decir は三人称複数形 dicen で用いられると無人称表現となって、「〜と言われている/〜だそうだ」のような意味になります。主語を特定しない場合に例文のように dicen を用います。
Me dijo que tendría el trabajo mañana.
彼(彼女)は明日仕事があると言った。
解説
que 節内は直説法になっていますので、事実を言ったということになります。主節が me dijo になっていますので、従属節の que 以下は時制の一致が必要です。過去のある時点で未来のことを話しているので、動詞 Tener は過去未来形 tendría になります。
ちなみに、主節が現在形なら次のようになります。従属節は未来形をとります。
Me ha dicho que tendrá el trabajo mañana.
彼(彼女)は明日仕事があると言っている。
Decir que 接続法 … が~するように命ずる
Dile que espere un momento.
少し待つように言って。
解説
冒頭の di が decir の命令法二人称形「言って」です。que 以下に注目してみると、動詞 esperar が espere と接続法に活用されています。接続法を伴うと、decir は命令的な意味を持ちます。「〜するように言う」という意味です。
(書物などの主語) decir algo 書いてある
¿Qué dice el periódico de hoy sobre ese asunto?
その件について今日の新聞は何て言ってる?
解説
主語が el periódico と書物になっています。新聞が何て言っているのか、つまり「新聞では何て書かれているのか」という意味になります。実際に喋っているわけではなくて、紙面上の話ですね。
Decirse 言われる(三人称で)
¿Cómo se dice esto en español?
これはスペイン語で何と言いますか?
解説
se dice と三人称の形で使われているので、se 受け身です。例文の和訳は正しく書けば「これはスペイン語で何と言われますか」となります。
主語は esto になります。目的語ではありませんので注意してください。
querer decir 〜を意味する
Esto quiere decir que ninguno de ellos está convencido de la decisión del gobierno.
彼らのうち誰も政府の決定に納得していないということだ。
解説
querer decir で dignificar と同じ意味になります。つまり、例文は Esto significa que ninguno de ellos está convencido de la decisión del gobierno. でも同じと言うことです。
¡No me digas! まさか(驚き)
¡No me digas que tuvo el accidente del coche!
彼(彼女)が交通事故に遭ったなんてまさか!
解説
¡No me digas[diga]! は驚きの表現ですが、例文のように que 直説法 を伴って『〜であるなんてそんなまさか!』という表現ができます。
もちろん ¡No me digas! 単体で「まさか!」ということもできます。主語によって、digas なのか diga になります。
decir を使った熟語表現
decir は他の単語と併せて、以下のような熟語表現をします。一例を紹介します。