『Tal vez』や『Quizá(s)』などの副詞と一緒に接続法が使われることがありますが、直説法を伴う場合とでは何が違うのでしょうか。
この記事はそんな疑問を解消するために、接続法の独立用法について解説しました。
接続法の独立用法とは
独立用法とは推測を示す副詞(句)の後に接続法が続く表現のことを言います。しかし、話者の確信度によって、直説法と接続法を使い分けることがあります。一般的に、物事が起こる可能性・確率は以下のように変化します。
Tal vez él no viene(直説法現在)
– きっと、彼は来ないよ
Tal vez él no vendrá(直説法未来)
– たぶん、彼は来ないだろうね
Tal vez él no venga(接続法現在)
– たぶん、彼は来ないんじゃないかな
解説
動詞 Venir の活用によって、話者の確信度が変わります。「彼が来ない」ことがほとんど確実なら、直説法現在形を用います。来るかどうか曖昧であるなら、動詞を直説法未来形や接続法現在形に活用します。
ちなみに、いずれの例文も動詞で終わるのを嫌うなら Tal vez no viene(vendrá, venga) él. と主語 él を最後に持ってくるといいでしょう。
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日本語には推測の副詞として、主に3つ(たぶん、おそらく、きっと)があります。「たぶん」と「おそらく」は同じような場面で使われますが、「たぶん」の方が少しぞんざいで丁寧さに欠けるのに対して、「おそらく」はあらたまった言い方です。
「きっと」は残りの2者よりも確信度は高めです。しかし、これらの違いについてそこまで神経質になる必要はないでしょう。
独立用法を例文で理解
Quizá(s)
Quizás es la única solución.
– きっと、それが唯一の解決法です。
Quizás será la única solución.
– たぶん、それが唯一の解決法でしょう。
Quizás sea la única solución.
– たぶん、それが唯一の解決法なんじゃないかな。
解説
例文の上から話者の確信度が低くなっています。動詞 Ser が上から直説法現在形 es 、直説法未来形 será、接続法現在形 sea になっています。Quizá(s)は Tal vez と同じように使用できます。複数形、単数形のどちらでも使用されます。
A lo mejor + 直説法
A lo mejor vas a salir con éxito.
– きっと、うまくいくよ。
解説
『A lo mejor + 直説法』も会話中でよく使用される表現の一つです。話し言葉である点だけ注意しましょう。A lo mejor も『たぶん』とか『おそらく』と訳されますが、直説法を従えるということは、話者の確信度が比較的高いことを示しています。
例文中では『君』に対して「うまくいくよ」と背中を押していますが、これがもし接続法だった場合は「たぶん、うまくいくんじゃないかな」となってしまい、慰めになっていません。このような場面では直説法を用いた A lo mejor を使うといいでしょう。
Acaso + 接続法
Acaso llueva mañana.
– ひょっとしたら、明日は雨が降るかもしれない。
解説
Acaso + 接続法は「ひょっとしたら」や「もしかしたら」という意味になります。接続法を従えるということは、物事が起こる確率はそこまで高くないということです。例文中では、動詞 Llover(雨が降る)が接続法現在形に活用されています。
¿Acaso ya la conoces?
– もしかして、もう彼女と知り合いなの?
解説
Acaso + 直説法は疑問文として使われることがあり、”意外性”や”驚き”を表して「もしかして〜なのか?」という意味になります。例文中の la は直接目的格代名詞です。
まとめ
記事の内容をまとめます。
例文を確認して、直説法と接続法が伴う場合のそれぞれの違いを確認できたら、何度も例文を音読しましょう。
音読は語学習得の1番の近道です。例文をスラスラ読めるようになってきたら、例文を参考に口頭で作文してみましょう。
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