「好き」を伝える動詞GUSTARの意味・使い方・活用を徹底解説

想定している読者
  • 動詞 Gustar の意味や用法を知りたい人
  • Gustar の使い方やニュアンスを、例文を通して理解を深めたい人

Gustar は「好きなもの」を表現する際に使われる重要な動詞です。しかし、その使われ方は少し特殊です。

初心者が必ず通る道「Gustarの使い方」です。

この記事では、Gustar がどのように活用されて、その用法にはどんなものがあるのかを確認しましょう。

Gustarの用法をマスターしましょう!
記事の要約
  • Gustarの基本的な意味は「好きな気持ちを起こさせる」
  • Gustarの主語は動詞の後ろに置かれることが多い
  • 好きなもの(主語)に応じてGustarを活用する
  • Me gusta túは間違った表現
  • Gustar de algo/不定詞「〜が好きだ」という用法もある
目次

GUSTARの活用

GUSTARは非常によく使われる動詞ですが、その使用方法は限定的です。活用練習する前に、例文を通して用法の理解に努めましょう。

直説法現在形

人称単数複数
一人称gustogustamos
二人称gustasgustáis
三人称gustagustan

直説法点過去形

人称単数複数
一人称gustégustamos
二人称gustastegustasteis
三人称gustógustaron

直説法線過去形

人称単数複数
一人称gustabagustábamos
二人称gustabasgustabais
三人称gustabagustaban

直説法未来形

人称単数複数
一人称gustarégustaremos
二人称gustarásgustaréis
三人称gustarágustarán

直説法過去未来形

人称単数複数
一人称gustaríagustaríamos
二人称gustaríasgustaríais
三人称gustaríagustarían

接続法現在形

人称単数複数
一人称gustegustemos
二人称gustesgustéis
三人称gustegusten

直説法現在形一人称単数形の語幹 gust- が接続法現在形の活用母体になります。その語幹に -er, -ir動詞の活用語尾 e, es, e, emos, éis, en をくっつけます。
関連 接続法における動詞の活用の仕方【スペイン語】

接続法過去形

直説法点過去形三人称複数形の語幹 gustar- が接続法過去形の活用母体になります。

人称単数複数
一人称gustaragustáramos
二人称gustarasgustarais
三人称gustaragustaran

GUSTARの意味と用法

Gustarの基本的な意味は「好きな気持ちを起こさせる」です。辞書や単語帳などでは理解しやすいように「〜が好きだ」のように書かれています。

これがGustarの使い方が他と違う理由です。日本語とスペイン語での違いを少し確認しましょう。

次の文を観察していきます。

(A mí) me gusta el gato.
「私は猫が好き」

日本語で「私は猫が好き」と言った場合、文法上の構造は以下のようになっています。

主語 私は
動詞 好き
目的語

これをスペイン語での文法上の構造は以下のようになっています。

主語 el gato(猫)
動詞 gusta
目的語 me (私に)

(A mí) me gusta el gato.
私は 猫が 好き

日本語の場合と比べると、主語と目的語の順番が逆になっていることが分かります。

Gustarの意味と合わせて考えてみると「猫は私に好きな気持ちを起こす」となります。これを意訳して、「私は猫が好きだ」となるわけです。

ただ、日本語で説明する際には「好きな気持ちを起こさせる」と説明するのは煩わしいので、以下では「〜が好きだ」と置き換えて例文を紹介します。

また、上で確認したようにスペイン語では主語が動詞の後ろに来ることが多いです。

Gustarの用法は以下の通りです。

Gustarの用法
  1. gustarle (〜が好きだ)
  2. gustarle + 不定詞(〜することが好きだ)
  3. gustarle + que 接続法(〜が…することが好きだ)
  4. Le gustaría + 不定詞(できれば…したいなぁ)
  5. Le gustaría + que 接続法(できれば…してもらいたいなぁ)
  6. gustar de algo/不定詞(〜が好きだ)
  7. gustar algo (食べ物などを)味わう
  8. gustarse お互いに好きだ(複数主語で)

1. gustarle

A mí me gusta mucho el café de Panamá.
私はパナマのコーヒーが好きです。

文の主語はel café de Panamáです。そのため、Gustarの活用は三人称単数形になります。冒頭にA míがありますが、ここでは強調の意味を含んでいます。

「(他の人はどうか分からないが)私はパナマのコーヒーが好きです」というニュアンスになります。

これは重複表現といい、通常の形(me gusta)に対して、「a+人」が追加された形をとります。

  • A mí me gusta …
  • A tí te gusta …
  • A María le gusta …

¿Qué tipo de bebida te gusta?
君はどんな飲み物が好きなの?

「好きなもの」を訊く疑問文にする場合は、文の主語を問うわけなので、¿qué 〇〇 te gusta? とすればいいです。

¿Qué bebida te gusta? (主語 qué bebida 動詞 gusta 目的語 te)
→ Me gusta el café. (主語 el café 動詞 gusta 目的語 me)

Me gustas tú.
君が好きです。

文の主語は tú「君」ですから、Gustar の活用も二人称単数形 gustas になります。次の言い方は間違いですので、注意してください。

  • Me gusta tú

¿Te gustaron las comidas de Panamá?
パナマ料理は気に入りましたか?

主語(ここでは好きなもの)が複数ある場合は、Gustar の活用も注意しましょう。例文の主語は、las comidas de Panamá と複数形になっているので、gustaron になっています。

2. gustarle + 不定詞

A él le gustaba ayudar a niños a estudiar.
彼は子供たちが勉強するのを手伝うのが好きでした。

gustarの主語に不定詞を持ってくることができます。意味は前項と一緒。

例文では、主語に該当するのが名詞句ayudar a niños a estudiarです。そのため、gustarも三人称単数形に活用して gustaba になっています。

主語 ayudar a niños a estudiar
動詞 gustaba
目的語 A él le

また、冒頭の A él は前述した重複表現ですが、ここでは特定の意味で使われています。間接目的格代名詞 le だけだと、誰を指してしてるのか明確ではないので、A+人を付け足して特定します。

A mi mujer y a mí nos gusta comer y cocinar. 
妻と私は食べることと料理することが好きです。

例文での主語は comer y cocinar です。主語の部分に、不定詞が2つ以上ある場合でもGustarの活用は3人称単数形にします。そのため、例文では gusta になっています。

目的語の部分はA mi mujer y a míになります。a míと自分も含まれているので、nos gustaになります。

前置詞 a を忘れて、mi mujer y yo nos gusta … としないようにしましょう。

3. gustarle que 接続法

Me gusta que los chicos tengan interés en algo que les guste.
私は子どもたちが好きなことに興味を持つのが好きです。

主語の部分に que を用いた名詞節をもってくることもできます。そのため、Gustar の活用は三人称単数形にします。

意味は「(人は)…が~であることが好きである」

主語 que los chicos tengan interés en algo que les guste
動詞 gusta
目的語 me

また、que 節内の動詞は接続法をとります。

4. Le gustaría + 不定詞

Me gustaría viajar por todo el país.
できれば世界中を旅してみたい。

Gustar が直説法過去未来形に活用されると、「できれば〜したいのですが」というような少し遠回しの願望表現ができます。

例文の主語は不定詞 viajar 以下の名詞句です。

5. Le gustaría que 接続法

Me gustaría que me dijeras que sí.
できれば君に「うん」と言って欲しいけれど。

前項の不定詞バージョンとは違って「時制の一致」が必要になります。gustar が過去時制(gustaría)なので、que 節内の時制も過去時制をとります。

したがって、decirの活用は接続法過去形dijerasになります。

例文の主語はqueが作る名詞節です。

6. gustar de algo(不定詞)

Gusto mucho de la serie larga.
私は長編ドラマがとても好きです。

これは意外と知られていない用法です。

Gustar de algo/不定詞でも「〜が好きだ」ということができます。

例文では、Gustar が一人称単数形 gusto に活用されているので、主語は yo であることが分かります。

まとめ

記事の内容をまとめます。

自分の好きなものをどんどん表現してみましょう!
記事のまとめ
  • Gustarの基本的な意味は「好きな気持ちを起こさせる」
  • Gustar の主語は動詞の後ろに置かれることが多い
  • 好きなもの(主語)に応じて Gustar を活用する
  • Me gusta tú は間違った表現
  • Gustar de algo/不定詞「〜が好きだ」という用法もある

以上です。この記事がスペイン語学習の役に立てば嬉しいです。

Gustarは用法が限定的なので、そこまで必要ありませんが、動詞の用法が理解できたら、動詞の活用練習を行いましょう。
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