想定している読者
- DELE B1の受験を考えている人
- DELE B1の試験問題を知りたい人
合格への第一歩は『問題と傾向を知ること』です。最初から解ける必要はありません。
DELE B1はスペイン語求人で求められるレベルなので、スペイン語で仕事をしたい人はぜひ合格を目指したいところです。
まずはどんな問題が出題されるのかをじっくりと観察して、その後で「合格のためにはどんな勉強をしていけば良いのか」を考えみましょう。
\Instituto Cervantes 公式の資料に基づいています/
目次
DELE B1 試験概要
試験 | 読解試験 | リスニング試験 | 作文試験 | 口頭試験 |
---|
試験時間 | 70m | 40m | 60m | 15m |
Tarea数 | 5 | 5 | 2 | 4 |
問題数 | Tarea1:6問 Tarea2:6問 Tarea3:6問 Tarea4:6問 Tarea5:6問 | Tarea1:6問 Tarea2:6問 Tarea3:6問 Tarea4:6問 Tarea5:6問 | Tarea1:1問 Tarea2:1問 | Tarea1:1問 Tarea2:1問 Tarea3:1問 Tarea4:1問 |
問題比重 | 25% | 25% | 25% | 25% |
1点押さえておくべき点は問題比重が25%と全て同じであることです。これは採点の際に関わってきます。読解と聴解は25問ですので、1問1点ということです。
それに対して、作文と口頭は評価基準に沿って採点されます。それぞれの評価項目の点数が0点〜3点で点数がつけられるわけですが、つまり1問の重さが異なるということです。
読解での1点と作文での1点は重さが違います。逆に言えば、作文・口頭試験対策をしっかりと行っていれば合格に近づけるわけです。
読解試験
- 問題時間は70分間
- 3つの選択肢から1つを選んでいく
- 問題冊子は「聴解試験」と合冊
- 長文の単語数は合計で1490〜1820の間
A2レベルと比べて、Tarea数が1つ増えているので、その分試験時間や単語数が増えているという印象です。
また、大問(Tarea)の問題構成も一部を除いて大きく異なります。B1からは文法問題が登場します。
Tarea1:照合問題
読解 Tarea1
- 問題内容:登場人物が述べている事柄に合致する文章を選ぶ
- 問題数 :6問
- 単語数 :それぞれ40〜60語
6人が述べている事柄に合致するものを、9個の文章(A〜J)からそれぞれ選ぶ問題です。読むべきものや照らし合わせるものが多いので、難しいと感じるかもしれません。
しかし、文章自体は長くないので、キーワードや違いは拾いやすいと思います。
照らし合わせ問題の原則は『必ず1対1に対応している』ということです。要するに、1人の発言に合致するものはA〜Jから一つしかありません。
そのため、6人が述べている事柄の違いをしっかり把握することが鍵になります。
0番の人の文章を読む必要はありませんので注意してください。意外とやりがちで、時間をロスしてしまうので、十分練習して臨みましょう。
Tarea2:長文読解
読解 Tarea2
- 問題内容:文章に書かれているものを3択から選ぶ
- 問題数 :6問
- 単語数 :400〜450語
Tarea1とは異なり、400語強の長文を読む必要があります。
しかし、6つの質問はそれぞれ長文の段落に対応していて、上から順番に整理されているので、該当箇所は見つけやすいかと思います。
問題を把握してから、長文を読み進めていくと該当箇所を見つけられます。
Tarea3:誰のことでしょう
読解 Tarea3
- 問題内容:6つの質問に合致する人物を3人の登場人物から探す
- 問題数 :6問
- 単語数 :それぞれ100〜120
基本的には『〇〇しているのは誰ですか?』という質問に該当する人物を3人の中から選びます。この3人は同じテーマに対して、自分の経験を述べています。
質問のポイントをしっかりと把握してから、3人の文章を読めば選ぶのは容易でしょう。
回答数の組み合わせで考えられるのは『2問、2問、2問』と『2問、3問、1問』、それから『4問、1問、1問』です。少なくとも1問はA, B, Cに当てはまります。
つまり、『5問、1問、0問』となることはないということです。「あれ?Cさんについて聞いている質問が1問もない」なんてことにはなりません。
出題者側から考えたら、そんな問題作りませんからね。
Tarea4:空欄補充問題
読解 Tarea4
- 問題内容:文章の空欄に文を補充していく
- 問題数 :6問
- 単語数 :400〜450
Tarea 4は空欄補充問題です。補充すべき空欄が6つあるのに対して、Fragmentos (補充する文)が8つありますので、2つはダミーだということになります。
段落全体や空欄前後の文をしっかりと読み取る必要があります。
単純な3択問題というわけではないので、分からない場合に当てずっぽうで入れてもほとんど正解できません。そのため、苦手としている人が多い印象です。
Tarea5:文法問題
B1レベルでは文法問題が出題されます。文章中の空欄に適する語を選択肢から選びます。モデル問題の選択肢を観察してみると、
- 動詞の時制
- 動詞の意味
- 目的格代名詞
- 疑問詞
- 動詞の法
- 前置詞
について出題されています。動詞に関しては『意味・時制・法』の3つが問われているので、普段から動詞の活用練習などは欠かせないですね。
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リスニング試験
- 問題時間は40分間
- 3つの選択肢から1つを選んでいく(Tarea4は除く)
- 音声はCDに録音されたもので、それぞれ2回流れる
- 問題冊子は「聴解試験」と合冊
- 長文の単語数は合計で1540〜1930の間
実際、音源のスピードやレベルはどんな感じなのか知りたい人は以下を聞いてみてください。
発話スピードだけでなく、Tarea がどのように進んでいくかも注目してみてください。
Tarea1:短いメッセージの聞き取り
リスニング Tarea1
- 問題内容:録音されたメッセージなどを聞いて、そのあと質問に答えていく。
- 問題形式:3択問題
- 問題数 :6問
- 単語数 :それぞれ40〜60
留守番電話などの録音された音声を聞いて、提示されている質問に合致する答えを選んでいく問題です。
メッセージを聴きながら状況をしっかりと読み取ることと選択肢を把握しておくことが必要です。
Mensajes はそれぞれ2回ずつ読まれます(M1が2回読まれたら、M2が2回読まれるという感じです)。
Tarea2:長いスピーチの聞き取り
リスニング Tarea2
- 問題内容:ある人の経験談や考えを聞いて、質問に答えていく。
- 問題形式:3択問題
- 問題数 :6問
- 単語数 :400〜450
Tarea1とは違って、長い音源を聞いて6つの質問に答えていく問題です。
音源を聴きながら、選択肢を把握するのはなかなか難しいため、できるだけ事前に選択肢を把握しておきたいところです。
しかし、30秒の質問読むタイムでは短いと感じる人も多いでしょう。
全て読めなくても、問題文に書かれているテーマと質問もしくは選択肢にある動詞だけでも拾いましょう。文の根幹は動詞ですので、動詞を掴むだけでもある程度全体は掴めると思います。
Tarea3:ラジオやテレビ放送の聞き取り
リスニング Tarea3
- 問題内容:ラジオやテレビなどの放送を聞いて、質問に答えていく
- 問題形式:3択問題
- 問題数 :6問
- 単語数 :全部で350〜400
6つの短いラジオなどのニュースを聞いて質問に答える問題です。ニュースや告知など日常生活に関わる内容が流れます。
基本的には「何が、どうなるのか」を把握しましょう。
Tarea1のように音源がそれぞれ2回ずつ読まれるのではなく、6つの Anuncios が通しで読まれます。
つまり、Anuncio1▶︎A2▶︎…▶︎A6▶︎A1▶︎A2…▶︎A6 のように全部1回ずつ読まれて、その後2回目が流れるという感じです。
Tarea4:誰のことでしょう
リスニング Tarea4
- 問題内容:あるテーマについて6人が経験や考えを話し、それに該当するものを選んでいく。
- 問題形式:選択問題(A〜Jから選んでいく)
- 問題数 :6問
- 単語数 :それぞれ50〜70
決められたテーマについて6人(例も含む)が自分の経験などを話し、それに対応するものをA〜Jの選択肢群から選ぶ問題です。選択肢が例を除いて9個あるので、3つはダミーということになります。
3択問題ではなく、1つの選択肢群から選んでいくので、選択ミスをしてしまうと他も間違う可能性が出てきます。それを避けるためにも、事前に選択肢に全て目を通しましょう。
音源はそれぞれ2回ずつ流れます。Persona1さん2回▶︎P2さん2回▶︎… ▶︎P6さん2回のように流れます。
Tarea5:長い会話聞き取り
リスニング Tarea5
- 問題内容:2人の会話を聞いて、6つの項目を『誰が』喋っているかを選ぶ
- 問題形式:3択問題
- 問題数 :6問
- 単語数 :250〜300
『誰が』喋っているか選択していくわけですが、6つの項目には『誰も喋っていない』ものも含まれています。
登場人物の2人は男女であることが多いので、声の主がどっちなのかを書いておくといいでしょう。
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作文試験
- 問題時間は60分間
- 2人の採点者によって、採点される
- Tarea1とTarea2の比重は同じ
- 受験者が書くべき単語数は合計で230〜270
作文試験は2つのTareaで構成されていますが、それらは2人の採点者によって評価されます。読解試験と聴解試験は○か×かしかないので、自動で採点されますが、作文試験と口頭試験は採点方法が異なります。
Tarea1とTarea2の比重は50%ずつですので、内容が難しくなるTarea2の方が点数が高いということはありません。
Tarea1:手紙やメールへの返信
作文 Tarea1
- 問 題 内 容:手紙やメールに対して返信
- 作文すべき条件:5つ
- 書くべき単語数:100〜120
5つの条件を満たしながら、メールや手紙に対して返信する問題です。
条件の中には挨拶と別れの言葉が入りますので、そこを除けば実質条件は3つです。いかに話を広げられるかが重要です。
満たすべき5つの条件(例)
- Saludar
- Contar los motivos del viaje a Madrid
- Decir dónde y cómo fue el encuentro con Miguel y qué hicieron juntos
- Explicar cuándo tiene pensado ir a Barcelona
- Despedirse
A2レベルの問題とほとんど同じです。読むべきメッセージと書くべき単語数が少し増えた程度です。
Tarea2:テーマ作文
作文 Tarea2
- 問 題 内 容:指定テーマについての作文
- 作文すべき条件:5つ
- 書くべき単語数:130〜150
雑誌やブログ、SNSなどで募集されているテーマについて、自分の考えを書く(投稿する)問題です。またTarea2は2つのオプションから1つを選択して解答していきます。
Opción1とOpción2の間に問題形式の違いはないので、自分が書きやすいと感じるテーマで書くといいでしょう。
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口頭試験
- 問題時間は15分間
- 面接官と採点官の2人がいる
- 面接官と採点官の採点比重は40:60
- Tareaの準備をする時間が15分与えられる
各Tareaの時間は3,4分ですので、あっという間に終わります。
面接室には実際に面接を行う「面接官」と後ろでその様子を観察する「採点官」がいます。実際に面接をしない採点官の方が採点の比重が高いことがポイントです。
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Tarea1:プレゼンテーション
口頭 Tarea1
- 問題内容:短いプレゼンテーションを行う
- 問題形式:指定されたテーマについて、必要な情報を盛り込んで発表する
- 試験時間:2〜3分
事前に別室にて15分間の準備時間が与えられます。そこでプレゼンの準備をして、面接官の前で発表します。
プレゼン内容は2つから選択できますので、自分が書きやすいテーマを選びましょう。準備時間中にメモをとったりできますが、それを読みながら発表をすることはできません。
「チラ見ならOK、ガン見は減点」と考えておきましょう。
ちなみにメモは持ち帰れません。普段から、自分の経験を整理して話すことが攻略への近道になりそうです。
Tarea2:面接官との会話
口頭 Tarea2
- 問題形式:行ったプレゼンテーションについて面接官と会話する
- 試験時間:3〜4分
Tarea1にて自分が行った発表について、いくつか質問されますので、それに答えていきます。
プレゼンを準備する段階で、どんなことを質問されるか予想しておくといいでしょう。
例えば、ある点について『〜には賛成だ/反対だ』と主張した場合は、聞き手はその理由を知りたくなります。
そこで、どんな観点から、その結論に至ったのかを説明できるようにしておくといいでしょう。
Tarea3:写真叙述
口頭 Tarea3
- 問題内容:写真叙述
- 問題形式:写真から読み取れることを述べていく
- 試験時間:2〜3分
写真から読み取れる情報をもとに、質問に答えていく問題です。写真は2枚あるうちから1つを選ぶことができます。
目で見えることだけでなく、時には想像力も働かせて説明していく必要があります。
2〜3分間のうち、1,2分読み取れることを挙げていき、その後面接官からいくつか質問されます。
読み取れることをただ挙げるのではなく、与えられている質問に対して答えていく感じです。答えるべき事柄は次の通りです。
- 人物について:Dónde están, Cómo son, Qué hacen
- 場所について:Cómo es
- 登場人物の関係:Qué relación cree que existe entre estas personas
- 状況について:De qué cree que están hablando
Tarea4:ロールプレイング
口頭試験 Tarea4
- 問題内容:ロールプレイング
- 問題形式:指定された状況で、面接官と会話を行う
- 試験時間:2〜3分
指定されたシチュエーションで、面接官と会話をします。状況が示された問題用紙を渡してくれて、少し読む時間をくれます。準備ができたら、会話が始まります。
モデル問題では『数日前に買ったパソコンが動かなくなったから、お店に交換に行く』という状況です。店員とパソコンを買った本人で会話をします。
会話の中に、受験者が盛り込まないといけない情報が4項目ほどあります。「これらの項目を入れない」と思わなくても、面接官がうまく会話を進行してくれるので安心して会話に集中しましょう。
そうは言っても、シチュエーションや条件を正しく把握し、会話することは難しく感じるかもしれません。このTareaを攻略するには、やはり実際にネイティブと会話することが一番です。
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おわりに
DELE B1に見事合格できたら、次はDELE B2ですね。C1に挑戦する人もいるかもしれませんね。
DELE B2の問題についても同様に解説しているので、合わせてご覧ください。
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以上です。この記事がスペイン語学習に少しでも役に立てば嬉しいです。
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