- DELEの点数はどのように決まるのかを知りたい人
- 自分が受験するレベルに合格するには何点必要なのか知りたい人
DELEの点数ってどのように決まるか知っていますか。
公式情報に基づいて、主に作文試験と口頭試験の採点方法を解説します。
DELEの合格基準と証明書の見方
まずは、合格基準と受験後にもらえる証明書の見方を説明していきます。
合格基準
DELE A1~B2 までのレベルに関しては、読解・聴解・作文・口頭の4つの試験は次の2つのグループに分けられて採点されます。
Grupo1 | Grupo2 |
---|---|
Comprensión de lectura(読解試験) Expresión e interacción escritas(作文試験) | Comprensión auditiva(聴解試験) Expresión e interacción orales(口頭試験) |
それぞれの試験は25点満点で、各Grupoで30点以上取れれば合格(Apto)になります。
試験問題に触れたことがある方は分かると思いますが、読解試験と聴解試験は何問中何問正解したかで自分の得点が出ます。
それとは異なり、作文試験と口頭試験は採点者が「採点基準」を元に点数化していきます。
点数の計算方法については後述します。
証明書の見方
DELE受験後、大体2ヶ月後にe-mailにてCertificado(証明書)が送られてきます。オンライン上にて自分で確認することもできます。
証明書を開く際はドキドキしますが、Aptoになっていれば合格、No Aptoになっていれば不合格です。
上の表は、得点の詳細部分です。左項目を説明すると
- Puntuación máxima :最大得点
- Puntuación mínima exigida :合格に必要な得点
- Puntuación obtenida :自分の得点
- Calificación :グループ毎の合計得点と評価
- Calificación global :全体評価(合格・不合格)
上の例では、Grupo1が25,58 puntos で、Grupo2 が23,21 puntos でどちらも30点を下回っているので、No Apto になっています。
仮にGrupo1が30点以上で合格しても、Grupo2が30点未満であれば、全体評価で”Apto”にはなりません。
DELEの得点の計算方法
ここからは、具体的に「どのように自分の得点が決まるのか」をみていきます。前章の受験者は
- 11,00 puntos【Comprensión de lectura】
- 14,58 puntos【Expresión e interacción escritas】
- 13,00 puntos【Comprensión auditiva】
- 10,21 puntos【Expresión e interacción orales】
という結果( Puntuación obtenidaの項目より)でしたが、これらの11,00点や14,58点などはどのように決まるのでしょうか。
読解試験と聴解試験の点数
読解と聴解の点数は、単純に何問正解したかで決まります。
そのため、普段DELEの問題集で練習している時も自己採点が可能です。
Instituto Cervantesが公式に発表している計算式は以下です。
つまり
(自分が正解した問題数÷問題数)×25=自分の得点
ということです。A1~A2レベルの場合は、読解、聴解ともに問題数が25問ですので、正解した問題数が直接自分の得点になります。
例1) DELE B1 読解
DELE B1の読解で21問正解した場合。
DELE B1読解の問題数は30問ですので、
(21÷30)×25=17.50
自分の得点は17.50 puntosになります。
例2) DELE B2 読解
DELE B2の読解で21問正解した場合。
DELE B2読解の問題数は36問ですので、
(21÷36)×25=14,5833333….
自分の得点は14,58 puntosになります。
作文試験と口頭試験の点数
作文と口頭には「採点基準」が存在します。
DELE A2, B1レベルの評価基準については以下の記事でまとめています。
公式Guíaよると計算式は、先ほどと同じです。
作文試験や口頭試験は、何問中何問正解したかで自分の得点が出せるものではありません。
つまりPuntuación directa(自分の実得点)の部分が自分では分かりません。
Guía をよく読むと、
Los calificadores asignan una calificación de entre 0 y 3 para cada categoría de las escalas. Después de aplicar la ponderación de las calificaciones correspondientes a las diferentes escalas y tareas se obtiene la puntuación directa.
DELE B2 Guía p.41より
とあります。Aplicar la ponderaciónとあるので、平均をとることが分かります。
つまり、それぞれのTareaに対して、各評価項目での得点を平均して、Puntuación directa (自分の実得点)を出すということです。
例を見ていきましょう。
例3) DELE B1 作文
B1の作文の評価項目は以下の5つです。
- 記述の仕方
- 論理の一貫性
- 正確性
- 語彙力
- 全体評価
0~3の点数の内、2点以上が合格ですので、全ての項目で2点だった場合を考えてみます。
まずPuntuación directa (自分の実得点)を求めます。
評価項目 | Tarea1 | Tarea2 | |
Calificación analítica(60%) | 記述の仕方 | 2 | 2 |
論理の一貫性 | 2 | 2 | |
正確性 | 2 | 2 | |
語彙力 | 2 | 2 | |
4項目の平均 | 2 | 2 | |
60%の値 | 1.2 | 1.2 | |
Calificación holística(40%) | 全体評価 | 2 | 2 |
40%の値 | 0.8 | 0.8 | |
各Tarea の得点 | 2(1.2+0.8) | 2(1.2+0.8) | |
Puntuación directa(自分の実得点) | 2点(各Tarea の平均) |
全部2点ですので、当たり前ですが、平均をとっても自分の実得点は2点です。
(自分の実得点÷最大得点)×25=自分の最終的な得点
に当てはめると、
(2÷3)×25=16.66666….
つまり、自分の最終的な点数は16.67 puntos になります。
例4) DELE B2 作文
評価項目 | Tarea1 | Tarea2 | |
Calificación analítica(60%) | 記述の仕方 | 2 | 1 |
論理の一貫性 | 2 | 2 | |
正確性 | 2 | 2 | |
語彙力 | 1 | 1 | |
4項目の平均 | 1.75 | 1.5 | |
60%の値 | 1.05 | 0.9 | |
Calificación holística(40%) | 全体評価 | 2 | 1 |
40%の値 | 0.8 | 0.4 | |
各Tarea の得点 | 1.85(1.05+0.8) | 1.9(1.5+0.4) | |
Puntuación directa(自分の実得点) | 1.875点(各Tarea の平均) |
Puntuación directa は1.875点です。
(自分の実得点÷最大得点)×25=自分の最終的な得点
に当てはめると、
(1.875÷3)×25=15.625
つまり、最終的な自分の点数は15.63点 puntos になります。
読解試験と合わせて30点以上で合格ということを考えると、ギリギリな点数ですね。
得点から何問正解していたのかを逆算する
最後に、実際に届いたCertificado(証明書)に書かれているから自分がどのくらいできていたのかを簡単に計算しましょう。
例)作文試験が 14.58 puntosだった場合
Puntuación directa (自分の実得点)を知りたいので、これをPとしておくと、
(P÷3)×25=14.58
これを解くと、P=1.7496となりました。
これが何を意味しているか。
2点以上がAptoなわけですから、合格基準を少し下回っているということです。
基準を下回るということは、評価項目の複数で”1”がついているということを意味します。
あとは、それがどの項目なのかを分析して、次の試験に向けて対策を打ちましょう。
1がついたことを嘆くのではなく、それがどの項目についてなのかを分析して対策することが大事です。
まとめ
試験の結果が届いて、No Apto だった時は辛いですよね。
ただそこで悲しみにくれるだけでなくて、何が良くなかったのかを分析することで、次の試験で合格できるかどうかが変わってきます。
DELEはSIELEとは違って、合格か不合格かしかありません。1点でも足りなければ不合格なのです。だからこそ、普段の学習からより点数にこだわることは重要なことだと思います。
各試験のGuía はDELEの公式サイトから取得できます。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございます。
この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。