- どのスペイン語辞書を購入するか迷っている人
- Amazon レビューはいいんだけど、値段を見て驚いている人
- 西和中辞典を購入するか迷っている人
最初に述べておきますが、西和中辞典のデメリットは表紙がピンク色であることだけです。
スペイン語学習を始めたいけど、どんな辞書を購入すべきか迷っている人は、スペイン語辞書4冊を比較している記事をご覧ください。
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本記事では、スペイン語辞書の『西和中辞典 第2版』をレビューしていきます。
筆者は紙辞書派で、スペイン語の学習には『西和中辞典』を愛用しています。
この辞書は、筆者がJICA青年海外協力隊に参加した時に、訓練所にてスペイン語講師が勧めてくれました。
西和中辞典 第2版とは
辞書を選ぶ上で重要な点として『デザイン・見やすさ』や『持ち運びやすさ』などが挙げられます。
個人的には辞書選びで最も重視すべき点は『例文の豊富さ』です。これは『収録単語数』にも関わってくるところでもあります。
関連 【初心者向け】スペイン語の参考書は〇〇で選べ!
1. 価格面
西和中辞典 第2版は80,000語収録されていて、価格は7000円を超えます。
まず目につく点は『価格』と『収録単語数』でしょうか。これらが妥当かどうかを見ていきます。他の代表的な辞書と比較してみます。
西和中辞典 第2版 | 現代スペイン語辞典 | クラウン西和辞典 | プログレッシブスペイン語辞典 第2版 カレッジエディション | プエルタスペイン語辞典 | |
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出版社 | 小学館 | 白水社 | 三省堂 | 小学館 | 研究社 |
収録単語数 | 約80,000語 | 約46,500語 | 約52,000語 | 約25,000語 | 約42,000語 |
価格 | 7,260円 | 4,400円 | 5,170円 | 3,630円 | 5,170円 |
1円あたりの単語数 | 11.0単語 | 10.5単語 | 10.0単語 | 6.89単語 | 8.12単語 |
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スペイン語をこれから頑張って勉強しようという人には、単語数の量なんて見当もつかないですよね。でも一つだけ言えることは大は小を兼ねるということです。
スペイン語を長く勉強したいと考えているなら、絶対に収録数が多い方がいい。
また1円あたりの掲載単語数を計算してみると、西和中辞典が11.0単語と最も多いことがわかりました。価格だけをみると7260円は高額ですが、価格あたりの単語数で見れば、西和中辞典が一番経済的であるということです。
2. 辞書の中身
白黒印刷ではなく、重要語には赤見出しがつけられています。またその重要度によって、フォントの大きさも変えられています。これによって、単語の検索スピードが上がります。
単語を探すのって慣れが必要ですよね。
巻末にまとめられている動詞の活用表や発音解説などは、人によってはほとんど見ないかもしれませんが、実はここでも十分な学習ができます。新たな動詞に出会った時、意味や用法だけでなく活用も確認したいものです。
西和中辞典の特徴
冒頭でも言いましたが、この辞書の唯一のデメリットは「表紙がピンク色」ということですので、ここでは筆者が主観的にオススメポイントだけを書いていきます。
- 単語数と例文数が豊富
- 類語のニュアンス説明があること
- 関連語・熟語表現がまとめられている
- 地域的な語彙バリエーションも整理されている
メリット1:単語数と例文数が豊富
単語数が他の辞書よりも多いことは先に述べましたが、やはりその掲載量は圧倒的です。
この辞書を使っていて、「探している単語が見つからない!」なんていう状態にほとんどなったことがありません。
例えば、探している単語が辞書に掲載されていない場合は、仕方なく、Googleで検索しますよね。その時間や手間を考えたら、最初から80,000語収録されている辞書で、サクッと見つけられた方がいいと思います。
収録数が多いことで時間が生まれるわけです。
西和中辞典は例文数が多いのも特徴です。いくら語彙数が多くても例文がほとんどなければ、それは単語帳と同じです。
筆者は単語帳と辞書は全く別物だと考えています。辞書は単語帳的な使い方をされるべきではないのです。
例文分析をして初めて、単語が持つニュアンスを理解できるわけですから、例文が豊富であることが辞書を選ぶ上で非常に重要です。この点は、他の辞書と一線を画しています。
関連 スペイン語辞書の効果的な使い方【辞書は単語帳じゃない】
メリット2:類語のニュアンス説明があること
学習していて『〇〇と△△は同じような意味を持っているけど、どんな違いがあるのか」と疑問に思ったことはありませんか。例えば Deber と Obligación はどちらも「義務」という意味を持ちますが、違いは説明できますか。
この辞書は、こんな悩みを解決してくれるように『類語』項目があります。
先ほどのDeber とObligaciónは写真のように例文つきで説明がされています。これで類語のビミョーなニュアンスの違いが理解できます。学習者にとって、これほど嬉しいまとめはありません。
DELEのようなスペイン語試験では類語を問われることが多くありますので、試験対策にも一役買います。
メリット3:関連語・熟語表現がまとめられている
単語はそれ単体で覚えるよりも、その派生語(品詞が違うもの)や関連語(類語や反語など)を一緒に覚えた方が効率的に語彙力を伸ばすことができます。
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先ほど見た Deber と Obligación はもうセットで覚えられたのではないですか。
この辞書には関連語が示されています。先ほどの Deber を引くと
類語 Obligación 関連 Deuda, Débito
と記載があります。これらの単語をさらに調べることで語彙力は広がりますし、語のつながりを理解することもできます。
他にも、ジャンルごと単語がまとめられています。例えば、Iglesia の項目には以下のようなまとめがあります。
背景色も見やすいように赤になっており、関連語をまとめて確認することができます。
さらに、熟語表現もまとめられている点も良いです。1単語を調べるだけで複数の表現を確認できるのは非常に効率的です。
これだけ、充実した内容だと辞書は「単語の意味を調べるもの」という範疇から超えて、もはや文法書になります。
だからこそ、丁寧に時間をかけて辞書を使っていきたいものです。
メリット4:地域的な語彙バリエーションも整理されている
スペイン語は同じ単語でもスペイン・中南米の地域によって、意味、発音やアクセントが少し異なります。
その違いを全て理解することは難しいですが、自分がこれから使おうと思っている単語が地域によってどう変化するのかを理解することは重要です。
西和中辞典には『意味』欄に(中米)・(パナマ)・(メキシコ)などのように地域や国名が記載されていることがあります。
細かいことですが、こういう痒いところに手が届く感じによって、安心して使うことができます。
西和中辞典は全ての学習者におすすめ
スペイン語を学習し始めた初心者はもちろん、中級・上級を目指す人にもおすすめできます。
もちろん最終的には、西西辞書で学習するのがスペイン語をスペイン語で勉強するという意味で良い方法なのかもしれません。
その領域まで行くまでには、この辞書『西和中辞典 第2版』一択です。
スペイン語辞書4冊を比較している記事もありますので、自分の学習レベルに応じて辞書を検討してみてください。
関連 スペイン語辞書は収録例文数で選べ!【おすすめ4選比較】
スペイン語の辞書を購入する際に悩むのは次の2点です。
- 西和・和西・西西辞書のどれにするか
- 電子辞書にするか、紙辞書にするか
スペイン語入門時から辞書は西和の紙辞書がいいです。
理由として『和西辞書よりも情報量が多いし、間違いが少ないこと』や『紙辞書だと余白に書き込めること』、『別の単語・熟語表現に巡り合えること』が挙げられます。
関連 【2023年版】初心者向けのおすすめスペイン語参考書一覧【どこに着目すべきか】
単語数が不十分な辞書を購入してしまうと、自分の語学レベルが上がるにつれて、掲載されている単語数では物足りなくなってきます。
筆者も一番最初に「プログレッシブ スペイン語辞典 第2版 カレッジエディション」を購入して使用していました。
この辞書はイラスト付きで入門者には引きやすい辞書でしたが、語彙レベルはせいぜいB1〜B2レベルまでかなと思います。
関連 コンパクトで丈夫なスペイン語辞書”プログレッシブ スペイン語辞典 第2版”【使用レビュー】
筆者はスペイン語が大好きになり、DELE C1〜C2を目指しているので、2冊目の『西和中辞典 第2版』も購入することにしました。
何冊も辞書を買って出費がかさむくらいなら、しっかりと投資して効率的に学習した方が経済的にも将来的にもいいです。
値段をみると手を出しづらいですが4000円くらいの辞書を2冊買うよりも十分価値はあります。
最終的には西西辞書で勉強したいですね。
まとめ
記事の内容をまとめます。
筆者は今回紹介した「西和中辞典」をお薦めしていますが、他の辞書も検討してみたいという方は、スペイン語辞書を4冊比較している以下の記事をご覧ください。
以上です。ここまで読んでくださりありがとうございます。