コンパクトで丈夫なスペイン語辞書”プログレッシブ スペイン語辞典 第2版”【使用レビュー】

スペイン語 辞書
想定している読者
  • これからスペイン語学習を始めるにあたって、スペイン語の辞書を探している人
  • プログレッシブ スペイン語辞典 第2版の購入を考えている人

「辞書」はスペイン語学習に欠かせない学習ツールです。

「単語帳と辞書のどちらを買うべきか」という問いに対しての回答は、「初心者はどちらも買うべきだ」です。単語帳と辞書の持つ役割は違います。
関連 スペイン語辞書の効果的な使い方【辞書は単語帳じゃない】

この記事では、これからスペイン語を始めようと考えている人にスペイン語辞書「プログレッシブ スペイン語辞典 第2版」を紹介します。

筆者は、現在「西和中辞典 第2版」を愛用していますが、入門当初は「プログレッシブ スペイン語辞典 第2版」で学習していましたので、参考になるかと思います。
関連 圧倒的掲載量『西和中辞典』を使い倒す

スペイン旅行にも携帯したのはいい思い出です。

どんな辞書なのか見ていきましょう!
記事のまとめ
  • カラー口絵」で学習のモチベーションアップ!
  • 引きやすく、記憶にも残りやすい「図表や絵」が豊富
  • トップクラスを誇る「コンパクトさ」と「紙質
  • 3000円台で購入できるコスパ優秀な辞書
目次

プログレッシブ スペイン語辞典 第2版とは

プログレッシブ スペイン語辞典は第2版に改訂されるにあたって、スペイン語を初めて学ぶ人、特に大学生のために「カレッジエディション」として生まれ変わりました。

表紙が一新され、シンプルでかつスタイリッシュなものになっています。

筆者は当初、このデザインに惚れてこの辞書を買いました。

学習のモチベーションを維持するためには、勉強したくなるような教材は重要だと考えます。

他にも、つい辞書を開きたくなるような工夫が満載です。

辞書の構成を紹介します。

辞書の概要

    • 表紙ウラ:スペインの地図
    • スペイン語圏の国や文化を紹介するカラー口絵
    • 西和辞典
    • 付録
      • ミニ和西
      • 旅行会話
      • 文法解説
      • 動詞の変化表

単語の掲載数は25,000単語です。これは、他社のスペイン語辞書と比べると圧倒的に少ないです(下表参照)

スクロールできます

西和中辞典 第2版

現代スペイン語辞典

クラウン西和辞典

プログレッシブスペイン語辞典 第2版 カレッジエディション

プエルタスペイン語辞典
出版社小学館白水社三省堂小学館研究社
収録単語数約80,000語約46,500語約52,000語約25,000語約42,000語
価格7,260円4,400円5,170円3,630円5,170円
1円あたりの単語数11.0単語10.5単語10.0単語6.89単語8.12単語
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辞書の比較

1円あたりの掲載単語数も5つの辞書の中では、ダントツに低いです。

では、なぜこのような辞書が発売されて、しかも今もなお、売れ続けているのか。

スペイン語を初めて学ぶ人をターゲットにしているから。

上の表を見てもらえば分かる通り、小学館は2種類の西和辞書を出版しており、対象とする学習者の棲み分けをしています。

スペイン語教材の老舗である、白水社も同様のことをしています。

上図のレベル分けはあくまでも筆者の主観です。

入門者がいきなり分厚い辞書を手に取るのはなかなか勇気が要ります。入門時は、いかに学習のモティベーションを維持することができるかが鍵になってきます。

プログレッシブ スペイン語辞典 第2版は、スペイン語入門者でも「引きやすく、使いやすい」であることが特長です。

コンパクトなので持ち運びも非常にしやすいです。

どう「引きやすく、使いやすいのか」を説明していきます。大きく次の2つの特徴があります。

主な2つの特徴
  1. 学習のモチベーションを上げてくれる「カラー口絵」
  2. 引きやすく、記憶にも残りやすい「豊富な図や絵」

1. 学習のモチベーションを上げてくれる「カラー口絵」

本辞書の特徴の一つはカラー口絵です。16ページにわたるカラーページには、以下の内容が掲載されています。

  • スペイン語が使われている国と地域
  • 一度は見たい感動の絶景
  • 偉大な建築家の作品を訪ねる(写真左)
  • 人気スポーツをスペイン語で応援しよう
  • 本場の料理を味わう
  • 季節を彩る祭り・踊り
  • 芸術を通して文化に触れる(写真右)
  • エンジョイ!キャンパスライフ

表紙をめくるとすぐに飛び込んでくるカラーページには、スペイン語圏の文化満載で、学習意欲を掻き立ててくれること間違いなしです。

特に、スペインへ旅行に行きたいと考えている人は、旅行雑誌みたいでワクワクすると思います。

辞書とは直接関係ないところではありますが、スペイン語学習を始めたばかりの人のことをよく考えているコンテンツだと思います。

2. 引きやすく、記憶にも残りやすい「図表や絵」

もう一つの大きな特徴は、辞書の所々に「図表や絵が挿入されている」ことです。

図表や絵とは、例えば次のようなものです。

左写真のピンク囲み欄には、類語のニュアンス違いなどを表記した「参考」と「文法」が記されています。関連語句の意味の違いなどを分かりやすく提示してくれるため、初心者でも学習しやすいです。

筆者調べですが、「文法」は20項目、「参考」は107項目にも上ります。

右写真では、Baño「バスルーム」に関連する語句が1枚の絵にまとまっています。このように、文字で理解するよりもイメージで覚えた方がいいこともありますよね。

さらに、重要な動詞には活用表が載っています。下の表は動詞Estarのページに掲載されています。

本書 P350

スペイン語には不規則に活用されるものがありますので、意味と活用を同時に索引できるのは、初心者にとって非常にありがたいです。

本辞書の良い点・残念な点

ここまで辞書の特徴を大きく2点紹介しましたが、ここからは筆者の主観で、辞書の良い点と残念な点について触れていきます。

良い点
残念な点
  • コンパクトで持ち運びにも便利。
  • 紙質がよく、マーカーを引いても裏写りしにくい。
  • 不要な和西辞典が収録されている。

前項で紹介した特徴はもちろん魅力的ですが、それ以外で良い点を挙げるなら、私は「コンパクトさ」と「紙質」を薦めます。

メリット1:コンパクトさ

プログレッシブ スペイン語辞典 第2版 カレッジエディション 基本情報
  • B6サイズ
  • 1058ページ
  • 506g
  • 約25000単語

辞書はどうしてもその性質上、大きくて分厚くなりがちですが、プログレッシブ スペイン語辞典 第2版はB6サイズで重さはなんと506gです。

持ち運びが非常にしやすいです。カバンの中に忍ばせておけるレベル。

掲載単語数は他の辞書には劣りますが、25000単語で入門時に困ることなんてほとんどない。掲載単語数が少なくても、辞書の要である掲載例文数はかなり優秀です。さすが小学館。

【初心者向け】スペイン語の参考書は〇〇で選べ!でも述べていますが、辞書選びで重要なのは例文数です。

メリット2:丈夫な紙質

もう一つ個人的に推したい点は「紙質」です。

これは他の辞書を使ってみて相対的に感じたことですが、使用されている紙が、辞書によくあるペラペラなものではなく、かなり丈夫です。

辞書で何度も単語を索引していると、所々がボロボロになってきたりしますが、この辞書は紙質も造りも丈夫なので、破ける心配がほとんどありません

丈夫さのイメージとしてはコピー用紙の上質紙みたいな感じです。

丈夫だと何がいいかというと、例えばマーカーを引いても滲まないという点です。

辞書を活用する際は、ただ意味を調べて終わりではなく、「マーキング」したり、「自分の気づきを書き込んだりする」ことが重要です。

この辺りの具体的な辞書の効率的な活用方法については、スペイン語辞書の効果的な使い方【辞書は単語帳じゃない】にて詳しく解説していますので参考にしてください。

プログレッシブ スペイン語辞典 第2版は調べた単語や例文にマーカーを引いても滲まず裏写りがしにくいです。このため、思う存分書き込んだりマーカーを引くことができるので学習効率も高いです。

この辞書の紙質はぜひ触って確かめてほしいですね。

デメリット:不要な和西辞典が収録されている

それに対して、唯一残念な点は「不要な和西辞典が収録されている」という点です。

プログレッシブ スペイン語辞典 第2版では、ミニ和西として80ページ程度が割かれています。見出し語は4500語にも上ります。

本書 P892

これは賛否あると思いますが、筆者はスペイン語学習に和西辞書は不要だと感じています。

スペイン語に限らず、外国語の単語の意味は、日本語と1対1で対応していることなんてありません。それらしい単語に置き換えているに過ぎません。

確かに入門時は日本語からスペイン語を考えたくなりますので、和西辞書も必要に感じるかもしれませんが、それなら単語帳で十分です。

例えば、和西辞書で「大事な」という単語を調べてみると

  • Importante「重要な、大事な」
  • Precioso/a「貴重な、高価な」
  • Valioso/a「貴重な、有益な」

などが出てきます。

意味は分かっても、その用例はないし、違いも汲み取りづらい。用例が十分でない辞書は単語帳と同じです。

単語の意味を調べるという目的だけで辞書を使おうと考えている人は単語帳を買いましょう。
関連 【初心者向け】スペイン語おすすめ単語帳3選比較

日本語ありきではなくて、「スペイン語を理解する一つの手段として日本語がある」くらいの感覚でいる方がいいです。

理想はスペイン語をスペイン語で理解することです。

個人的には、ミニ和西の分、西和辞典の掲載語彙を増やしたり、例文をもっと充実させてたりして欲しかったです。

まとめ

記事の内容をまとめます。

かなり優秀な辞書だったね
記事のまとめ
  • カラー口絵」で学習のモチベーションアップ!
  • 引きやすく、記憶にも残りやすい「図表や絵」が豊富
  • トップクラスを誇る「コンパクトさ」と「紙質
  • 3000円台で購入できるコスパ優秀な辞書

プログレッシブ スペイン語辞典 第2版 カレッジエディションを一言で表すなら、「ちょっと分厚く、詳しい単語帳」ですね。

単語帳のようなコンパクトさを誇りながら、用例数や図表・絵が満載の辞書になっています。

この辞書は次のような方に向いていると思います。

おすすめできる人

  • スペイン語をこれから勉強し始める方
  • 辞書に書き込みをしたい方
  • 視覚的に学習したい方

この辞書でスペイン語学習をして物足りなく感じたら、その時は初級から中級になろうとしていると証だと思います。

どんな辞書がいいのか迷っている読者は、おすすめのスペイン語辞書を紹介している以下の記事をご覧ください。

以上です。ここまで読んでくださりありがとうございます。

この記事がスペイン語学習の役に立てば嬉しいです。

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