スペイン語を学習しようと思い立っても、何から始めていいか分からないことが多いです。そのため、多くの人が「とりあえず単語帳を買う」という行動をします。

できるだけお金をかけたくないけど、本屋に行ってもスペイン語コーナーが小さくて、参考書も限られているんですよね。入門当初はどれを買うべきかかなり悩みました。
そこで、自分にあった参考書を購入するために『教材のどこに着目するか』を紹介します。ここでは、辞書・単語帳・文法書の3つについて見ていきます。
スペイン語辞書の選び方

辞書を選ぶ基準
辞書を選ぶ基準には以下のものが挙げられます。
辞書は例文の豊富さで選ぶ
筆者は『収録例文数』で選ぶべきだと考えています。辞書を活用する醍醐味は例文を確認し、単語がどのように使われているのかを確認することにあるからです。
関連 スペイン語辞書の効果的な使い方【辞書は単語帳じゃない】
例文分析をして初めてその単語が持つイメージや使い方を理解できるのです。辞書は単語の意味を検索する目的だけに止まりません。
もし収録単語数が多くても、例文が少ない辞書は買うのをオススメしません。単語と意味が無機質に羅列されている辞書は正直使えません。
辞書は単語帳ではありませんので『コンパクトさ』を重視すべきではありません。コンパクトさを求めるなら単語帳を買いましょう。
関連 【初心者向け】スペイン語おすすめ単語帳3選比較
また、習得して使いこなすことが語学の一番の目的ですから『デザイン・見た目』にそこまでこだわるべきでもないと考えています。重要なのは、学習効率をあげてくれるような配色や構成です。

赤と黒の2色刷りだと、重要単語を探しやすいです。
『価格』については、低価格のものから辞書にしては高いと感じるものまで幅広くあります。もちろん、電子辞書であれば1万円を超えます。
一概に『価格』で選ばない方がいいでしょう。辞書は何冊も買うものではないので、長い目で見た投資をしましょう。
西和中辞典 第2版 | 現代スペイン語辞典 | クラウン西和辞典 | プログレッシブ スペイン語辞典 | プエルタ新スペイン語辞典 |
約80,000語 | 約46,500語 | 約52,000語 | 約25,000語 | 約42,000語 |
7260円 | 4400円 | 5170円 | 3630円 | 5170円 |
11.0単語/円 | 10.5単語/円 | 10.0単語/円 | 6.89単語/円 | 8.12単語/円 |
スペイン語辞書で代表的なものを『1円あたりの単語数』で比較してみると上の表のようになりました。価格が高くてもそれだけ収録数が多いと言えますし、価格は低くても優秀な収録数を誇る辞書もあります。

どんな辞書を買うべきか
西和の紙辞書を選ぶ
スペイン語の辞書には大きく分けて次の4種類があります。
紙辞書や電子辞書だけではなく、最近ではスマホのアプリもあります。
理想は西西辞書だけど…
スペイン語学習をする上での理想の辞書は西西辞書です。スペイン語をスペイン語で学習する方法(Inmersión) が習得には理想だと思います。
スペイン語を和訳したものは、あくまでそれっぽい意味の日本語を選んだに過ぎません。外国語をニュアンスを理解するには、外国語のまま理解するのが一番です。
しかし、それは初心者にとってはハードルが高すぎます。というよりもむじろ、やめた方がいいです。西西辞書を購入するのは、人に教わらなくとも独学で学習できる程度になってからでいいでしょう。
その中でもスペイン語を勉強する上でお勧めしたいのは西和の紙辞書です。
和西辞書よりも情報量が多いし、間違いが少ない
まず和西辞書は間違っていることがあります。その時点で学習するのに不向きですが、それに加えて掲載内容が不十分な場合があります。
例えば「食べる」を調べてみると Comer しか掲載されていないものもあります。実際には Tomar や「味見する」という意味の Probar という動詞もあります。
それに比べて、西和辞書では複数の意味を持つ単語は、その意味もしっかりと掲載されています。
心に留めておかなければいけない点は、日本語のニュアンスとスペイン語での言い回しは違う場合があるため、日本語で言いたいことを考えてそれを直接(直訳して)スペイン語に変換しても通じないことがあるということです。
それでも学習し始めの頃は、スペイン語の単語が読めないと思いますので、和西があった方が安心できる気持ちも分かりますが、それはGoogle検索で十分でしょう。わざわざ和西辞書を用いて解決する問題ではありません。
ただし、Googleの検索結果をそのまま鵜呑みにするのも非常に危険です( Google の翻訳機能もただ直訳しているだけです)。必ず西和辞書で意味を確認するようにしましょう。
関連 スペイン語辞書の効果的な使い方【辞書は単語帳じゃない】
紙辞書だと余白に書き込める
ある単語を辞書で引いた時に、なるほど!と納得をして終わっていませんか。マーカーをするなり、チェックするなり、書き込んだりすれば、自分の理解度は高まります。
最近の電子辞書は高機能ですが、例文の分析をして分かったことや自分の気付きを書き込めないのはマイナスポイントです。実際に筆者は、調べた単語はマーカーをして、自分の理解を深めるために「分かったこと」を余白に書き込んでいます。
関連 圧倒的掲載量『西和中辞典』を使い倒す【スペイン語辞書】
別の単語・熟語表現に巡り合える
ある単語を調べたときに、その同じページに載っている別の単語や熟語表現に目が行くことがあります。そこで「そういえばなんかこの単語聞いたことあるな」とか「こういう単語があるのか」と新しい出会いが生まれるわけです。
また、すでにマーカーしてある別の単語にも自然と目が行くので、意図せずに復習ができます。
ちなみに筆者が使用している辞書は重要単語が赤字になっているので、単語を調べたときに別の重要単語に目が行きやすいです。1つ調べたら5、6個おまけがついてきます。
筆者が愛用している紙の西和辞書は『西和中辞典』です。

紙の辞書のデメリット
電子辞書やスマホアプリに比べると重い
紙製の辞書が電子辞書やスマホアプリに劣る点は携帯のしにくさです。スマホのアプリであれば、普段スマホを持ち歩いている人がほとんどでしょうから、新たに別のものを持ち歩く必要はないですよね。
ただ、個人的には辞書も毎日持ち歩く物でもないので、そこまでデメリットではないかなと思います。
劣化していく
これは辞書に限らず、全ての書籍に言えることですが、時間が経つと劣化していきます。古びていく様は自分が努力した成果でもありますが、使いにくいと感じる人もいるでしょう。
その点、電子辞書はデータ自体は劣化することはありませんのでその心配はないですね。
単語帳の選び方

どんな単語帳を選ぶべきか
単語帳は大まかに次のように分類できます。この中でどれを重視するのがいいのかを考えていきましょう。
個人的にオススメするのは『ジャンル別で例文なし』です。
そもそも単語帳というのは、膨大にある単語の中から特に重要な単語を1000語ないしは2000語を抜き出してまとめたものです。そしてそれを活用するのは重要な単語を効率よく覚えるためです。
学習効率を上げるには、単語一つひとつを個別に覚えていく方法ではなく、関連する単語をまとめて覚えられるような工夫がされていることや反復しやすい工夫がされていることが重要です。
関連 【スペイン語】単語帳は必要か?その意味と本質を考える
なぜジャンル別がいいのか
『ジャンル別』であれば、具体的なシーンをイメージしながら複数の単語を関連づけることができるからです。例えば「料理」の単語は道具、食材、料理家電や食器などまとめて覚えたほうが圧倒的に効率的です。
『頻出順』や『アルファベット順』になっているものもありますが、単語の関連性が分からないのが難点です。もちろん綴りが似ている単語は一緒に覚えられるかもしれませんが、それはジャンル別でカバーできます。
また、スペイン語を使って会話するときは、アルファベット順で会話はしませんね。そのシチュエーションごと必要な単語・フレーズを発します。つまり、シチュエーションごとの単語をまとめて覚えた方が覚えやすいというわけです。
なぜ例文なしがいいのか
単語帳は特に使われる重要な単語を抜き出しスリムにまとめたものです。スッキリまとめっているはずの単語帳が申し訳なさ程度で掲載されている例文にページが割かれているのです。
例文つきの単語帳は、左ページに単語と意味が掲載されていて、右ページに例文が掲載されているものが大半です。そしてそれらは、大体1単語につき1例文掲載されています。
1単語1例文では不十分です。単語の中には複数の意味を持っているものがあります。特に、動詞は用法が多岐に渡るものが多いので、1つ例文が載っていたところでその単語を理解することはできません。
そのため、ひたすら単語が載っているもので十分です。
例文にページを割くぐらいなら、そのページ分単語を掲載すべきです。単語帳はあくまでも単語の意味を覚えるものであって、文中でどのようにその単語が使われるのかという例文分析は、辞書で行う方がいいです。
関連 【初心者向け】単語帳のルールと進め方【スペイン語】

をご覧ください。
文法書の選び方

まず文法を勉強しようと思い立った人が、スペイン語文法の全体像なんて分かりませんよね。
説明だけの文法書もありますが、それは上級者向けです。文法事項は読んで理解することは非常に難しいです。スペイン語にはスペイン語特有の『動詞の活用』がありますし、語順も自由だったりします。
文法学習書は練習問題が付いているかどうかで選ぶようにするといいでしょう。
なぜ練習問題があった方がいいのか
レイアウトや読みやすさだけを追求して、練習問題が少ししかない文法書や問題集を見かけます。確かに勉強はしやすいと思いますが、それでは自分が理解したことを確認する作業が足りません。
学習する際はインプットよりもアウトプットの比重を多くした方がいいことは科学的にも証明されています。インプットだけやっていても、効率が非常に悪いのです。
例えば、ご飯を食べることがインプットと考えて、排出することをアウトプットとすると、食べてばかりだと明らかに体に悪いですよね。
関連 アウトプットをして効率的にスペイン語を習得する
文法書で学習するにしても同様です。取り込んだ知識をしっかりと消化して栄養にする必要があります。アプトプットする時間を多く持つことが重要です。
文法をひと通り勉強仕切るまでは、問題を解くことを通して理解を深めましょう。
まとめ
本記事をまとめます。
日本人にとってスペイン語は学びやすい言語です。今すぐ一緒に勉強を始めましょう。以上です。この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。
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