- 「〜するつもりだ」のような予定をどのように表現したらいいのか分からない人
- Ir a +不定詞と未来形の違いを知りたい人
スペイン語話者はよく「Voy a 不定詞」と言う表現を使いますよね。これは「〜するつもりだ」などのように、未来の事柄を表現しています。
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これとは別に直説法未来形という時制があります。どちらも未来の事柄を表現することができますが、どんなニュアンスの違いがあるのでしょうか。
また、直説法現在形もその性質から未来の事柄を表すことができるので、この記事では「Voy a 不定詞」「直説法未来形」「直説法現在形」が表す未来の事柄の違いについて解説していきます。
直説法未来形/現在形と<Ir a +不定詞>が表す未来の事柄【3つの比較】
未来の事柄を表現するのに、次の3つが用いられます。
- 直説法現在形
- 直説法未来形
- Ir a +不定詞
Ir a +不定詞「〜するつもりだ」は口語でよく使用される表現なので、みなさんよくご存じだと思います。
また、直説法未来形は名前に「未来」とあるので、未来の事柄を示せることは容易に想像できますね。
しかし、実は直説法現在形も未来の事柄について表現することができます。
現在形なのにどうして「未来」を表現できるの?と疑問をもたれるでしょう。
これは直説法現在形の持つ基本的な意味が関係しているわけですが、こちらについては 直説法現在形で表現できる6つのこと【スペイン語】にて解説していますので、そちらの記事をご覧ください。
では、これら3つの時制/用法が表す未来の事柄の違いを見ていきましょう。中級スペイン文法によれば、以下のような違いがあります。
時制/用法 | 表現できる未来の事柄 |
---|---|
直説法現在形 | 未来時における確実性のある出来事 話し手の未来の行為に対する明確な意志 |
直説法未来形 | 現在形ほど断定はせず、話し手の未来の行為に対する意志などは柔らかく表現される |
Ir a +不定詞 | 口語でよく用いられる 近い未来に実現される動作・事柄 |
直説法現在形で未来を表す場合、確実性のある事柄として示されます。言い換えると、断定のニュアンスが強くなるということです。
それに対して、直説法未来形は「〜だろう」という未来に対する推測がもとになっているので、現在形よりも断定のニュアンスは弱まります。
したがって、話し手の意志も「〜するでしょう」のように柔らかく表現されます。
最後に「Ir a +不定詞」ですが、これは未来の出来事を表すために口語でよく用いられます。
未来の事柄を表す3つの用法について、例文を通して理解を深めていきましょう。
1. 直説法現在形で未来の事柄を表現する
Llegamos al aeropuerto de Japón mañana a las seis de la tarde.
私たちは明日の午後6時に日本の空港に着きます。
例文では、動詞LlegarはLlegamosと直説法現在形になっています。
直説法現在形で未来を表すとき、確実性のあるもしくは高い事柄の場合です。確実性がある事柄は、現在も未来も変わりません。
話者が断定できる事柄は現在形で表します。
例文では、直説法現在形が用いられているので、話者は「明日の午後6時に日本の空港に着く」という行為に、はっきりとした意志を込めているといえます。
「着くだろう」ではなく、「着く」と言い切っています。
このように未来の行為についての意志を表すことができます。
La conferencia termina dentro de 20 minutos.
講演は20分後に終わります。
例文では、動詞Terminarが直説法現在形terminaに活用されています。
20分後の話をしているので、未来について述べていますが、「あと20分で講演が終わる」ことが確実な場合(現実では延びたりしますが)は、直説法現在形を用いることができます。
このように確実な未来の出来事も表現できます。
2. 直説法未来形で未来の事柄を表現する
直説法未来形は「〜だろう」という未来に対する推測がもとになっているので、直説法現在形よりも断定のニュアンスは弱まります。
Algún día me casaré con una chica como ella.
いつの日か私は彼女のような女性と結婚するつもりだ。
例文では、動詞Casarseがme casaréに活用されています。
「結婚する!」と言い切るのではなく、「結婚するだろう」とか「結婚するつもりだ」のように断定しない柔らかいニュアンスで表現できます。
このように直説法未来形で、未来の行為に対する意志を表すことができます。
El pronóstico del tiempo dice que mañana lloverá mucho.
天気予報では、明日大雨になるだろうと言っている。
例文では、動詞Lloverがlloveráに活用されています。
確実に大雨になると分かっていれば、直説法現在形で表現されたりしますが、未来の出来事に対して、「〜だろう」と推測する場合は直説法未来形が用いられます。
3. <Ir a +不定詞>で未来の事柄を表現する
ここまで直説法現在形・未来形で未来の事柄を表現できることを説明しましたが、はっきりと未来の事柄を表す場合には「Ir a +不定詞」を用いるといいです。
なぜなら、直説法現在形は「未来の出来事」の他に当然「現在の出来事」を表現でき、直説法未来形は「未来の出来事」の他に「現在の推測」を表現できるため、場面によっては混同してしまうことがあるからです。
中級スペイン文法に記載されている例文を考えてみましょう。
Voy a llegar tarde a la ceremonia.
中級スペイン文法, 白水社, 山田善郎ほか, p.307
式に遅刻してしまう。
式に遅刻してしまいそうな場面で何と言えばいいかってことですが、未来の事柄ですので「Ir a +不定詞」を使えばそれでOKです。
これを直説法現在形・未来形で表現したらどういう意味になるか。
Llego tarde a la ceremonia.
式に遅刻する(確実に) <未来の出来事>
もしくは
式に遅刻した(今現在) <近い過去>
発話時点の状況・場面によりますが、動詞Llegarを直説法現在形Llegoにすると、「(確実に)式に遅刻する」や「(今しがた)式に遅刻した」ことを意味してしまいます。
「(このままだと)遅刻してしまいそうだ」というように未来の事柄をはっきりと示したい場合は、「Ir a +不定詞」を用いましょう。
直説法現在形の用法については、 直説法現在形で表現できる6つのこと【スペイン語】にて詳しく解説していますのでそちらを参照ください。
Llegaré tarde a la ceremonia.
式に遅刻するつもりだ <未来の行為に対する意志>
もしくは
式に遅刻するだろう <現在の状態の推測>
例文のように、「〜だろう」という推測をもって未来の事柄・現在の状態を表現できますが、はっきりと確実な未来の事柄「(近い将来)〜する」と言いたい場合は、「Ir a +不定詞」を用いましょう。
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まとめ
記事の内容をまとめます。
以上です。未来の事柄を表すことができる3つの表現の違いは理解できたでしょうか。
違いを理解した上で、使いこなせるといいですね。
\筆者が主に使用している参考書/
この記事がスペイン語学習の役に立てば嬉しいです。