さっそくですが、次の3つ『であると思う』・『であるとは思わない』・『ではないと思う』のうち、どれが接続法を用いるでしょうか。
回答に迷った人は、ぜひこの記事を最後まで見てくださいね。
否定表現の考え方
接続法の用法は大きく5パターンに分かれますが、今回の表現『否定・疑い』は名詞節での用法になります。名詞節とは名詞の働きをする文・かたまりと捉えてください。その名詞節の中で接続法が用いられます。
関連 【接続法は5パターン】スペイン語の直説法と接続法の違いとは
「〜であると考えます」や「〜だと思います」という肯定意見に対して、「〜であるとは思わない」のような否定意見を述べる場合は接続法をとります。
例えば、一般的にCreer や Saber などの動詞は接続詞 que を伴った名詞節とともに使われます。
これらの動詞が No や Nunca などの否定語を伴うと、que 節内の動詞は接続法に活用されるということです。
ただし、Dudar(〜を疑う/〜だとは思わない)のようにもともと否定的な意味を持つ動詞は、否定語がなくても que 節内は接続法になります。
確実性のある事柄には直説法が使われ、確実性の低い事柄(または仮定の事柄)には接続法が用いられます。
肯定意見をいうときは、ある程度確実性があって『〜であると思う』というわけですから直説法になるわけです。逆に否定意見では、あまり確証がないからこそ『〜であるとは思わない』という言い回しになりますので、接続法です。
確実性があれば『〜ではないと思う』と言えますからね。否定しているだけで、「こうである」と自分の意見を言っているわけではありませんから。
確認 【接続法は5パターン】スペイン語の直説法と接続法の違いとは
否定表現の使い方を確認
主節が現在時制パターン
Pienso que nosotros debemos hacer eso.
– 私たちはそれをすべきだと思う。
No pienso que nosotros debamos hacer eso.
– 私たちはそれをすべきだと思わない。
Pienso que nosotros no debemos hacer eso.
– 私たちはそれをすべきでないと思う。
解説
3つの例文、少しずつ構造が違います。違いが分かるように動詞の部分をクローズアップしてみましょう。
上下の例文は肯定意見で、中の例文は No があるので否定意見です。そのため、中の例文において que 節内の動詞 Deber は 接続法現在形 debamos になっています。
主節が過去時制パターン
Creí que él me decía la verdad.
彼が私に本当のことを言っていると思った。
No creí que él me dijera la verdad.
彼が私に本当のことを言っているとは思えなかった。
解説
複文では、時制の一致を考えないといけません。
例えば、前者では 2つの文 Yo creí と él me decía la verdad が接続詞 que によってくっついています。主節の動詞 Creer が点過去に活用されていますので、過去時制です。この時、従属節の時制も過去時制になります。
ちょっと特殊なParecer
Parece que ellos son gemelos.
彼らは双子のようだ。
Parece que ellos sean gemelos.
彼らは(見たところ)双子のようだ。
解説
両者を見比べてみると、que 節内の動詞 Ser が son と sean になっています。
動詞 Parecer は否定語がなくても、話者の確信度合いでよって直説法と接続法を使い分けることがあります。基本的に『直説法現在形▶︎直説法未来形▶︎接続法現在形』の順番で確信度は低くなります。
このため、前者は直説法現在形 son で、後者は接続法現在形 sean ですので、後者の例文の方が話しての確信度は低いということです。
つまり、『パッと見た感じ、おそらく双子のようだ』のようにあまり自信がない場合は接続法を用いるということになります。
ちなみに本編とは関係ありませんが、動詞 Parecer は動詞 Ser の代わりに用いて、断定する言い方を和らげたりします。「〜です」と言い切るところを、「〜のようだ」と和らげます。
まとめ
記事の内容をまとめます。
音読は語学習得の1番の近道です。例文をスラスラ読めるようになってきたら、例文を参考に口頭で作文してみましょう。
確認【音読のメリット5選】文章をスラスラ読めるようになりたい人へ【スペイン語】
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