スペイン語を勉強していると「無人称」という言葉に出会うと思います。無人称って何?接続法においてはどうやって使うの?って方に向けて、この記事を書きました。
無人称表現の考え方
接続法の用法は大きく5パターンに分かれますが、今回の無人称表現は『名詞節』での用法になります。名詞節とは名詞の働きをする文・かたまりと捉えてください。その名詞節の中で接続法が用いられます。
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無人称とは主語が特定されない(人称が決まらない)ことを言います。次の2つの文を観察しましょう。
- Es mejor [ir a la capital en autobús].
(一般的に)首都へはバスで行ったほうがいい。 - Es mejor [que vayas a la capital en autobús].
君は首都へはバスで行ったほうがいい。
どちらも Es mejor… という書き出しは同じですが、後半部分が異なります。名詞句[ir a la capital en autobús]と名詞節[que vayas a la capital en autobús]がそれぞれ文の主語になっています。
1. は「一般的に人は皆バスで行ったほうがいい」というニュアンスになります。誰とは特定していません。
それに対して、2.は「君はバスで行ったほうがいい」という意味になります。主語を特定するので、接続詞 que を伴います。
基本的に動詞は主語によって活用されますが、無人称表現では名詞句(節)を主語と捉えて、動詞を三人称単数に活用します。
つまり、どちらの例文も動詞 Ser は時制に応じて es, fue, era などに活用されます。
単文とは、文(主語と動詞)が1つのもので、複文とは、文が2つ以上あるものを言います。
複文は、接続詞 que で2つの文が繋がれています。これら2つの文はそれぞれ主語が異なりますので、que 以下の動詞は接続法になります。
接続法における無人称表現の使い方
Ser + 形容詞 型
無人称表現の基本形『Ser + 形容詞…』を見ていきましょう。
Es necesario tener mucho dinero para comprar un carro.
車を1台買うには多くのお金が必要だ。
解説
不定形 tener 以下が名詞句で、文の主語となります。そのため、冒頭の動詞 Ser は Es となっています。Necesario/aは「必要な」という形容詞ですので、例文は「tener以下が必要だ」となります。
動詞:Es
形容詞:necesario
主語:tener mucho dinero para comprar un carro
名詞句の内容は主語を特定しない、一般的な内容ですので単文で表現します。
Es posible que él no venga aquí hoy.
彼は今日ここに来ないかもしれない。
解説
que 以下の名詞節が文の主語になります。そして、特定の主語(彼)についての内容になりますので、que以下の動詞は接続法に活用させます。
動詞:Es
形容詞:posible
主語(名詞節):que él no venga aquí hoy
Lo + 形容詞 + ser 型
無人称表現の2つ目。『Lo 形容詞 ser…』を見ていきます。基本的には「〜なことは…だ」という意味になります。
Lo más importante es estudiar con mucho interés.
最も大事なことは意欲的に勉強することです。
解説
主語を特定せず、「大事なことは意欲的に勉強すること」と一般的に言っていますので、単文で表現します。
主語:Lo más importante
動詞:es
補語:estudiar con mucho interés
Lo más importante es que ellos estudien con mucho interés.
最も大事なことは彼らが意欲的に勉強することです。
解説
繰り返しますが、主語を特定するならqueを用いて複文にして、接続法を用います。例文では『ellos 彼ら』に主語を特定しているので、que estudien…となります。
主語:Lo más importante
動詞:es
補語:que ellos estudien con mucho interés
Ser + 名詞 型
無人称表現の3つ目。基本の意味は『〜である』となります。
Ya es la hora de almorzar.
もうお昼ご飯の時間です。
解説
Es la hora de … で「〜する時間だ」という意味です。la hora de almorzar の名詞句が主語になります。
動詞:es
主語:la hora de almorzar
Ya es la hora de que yo le llame a mi novia por teléfono.
もう彼女に電話する時間です。
解説
複文では、前置詞 de を使っていますが、これは名詞同士を繋げるためです。
名詞 la hora と que 以下の名詞節とを結んでいます。la hora 以下全部が主文の主語になり、名詞節 que 内においての主語 yoとは異なります。
そのため、名詞節内の動詞は接続法をとります。
動詞:es
主語:la hora de [que yo le llame a mi novia por teléfono]
まとめ
記事の内容をまとめます。
音読は語学習得の1番の近道です。例文をスラスラ読めるようになってきたら、例文を参考に口頭で作文してみましょう。
確認【音読のメリット5選】文章をスラスラ読めるようになりたい人へ【スペイン語】
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