- 動詞TENERの意味や用法を知りたい人
- TENERの使い方について例文を通して理解を深めたい人
本記事では、最重要動詞の一つTENERの用法を11の例文で説明していきます。
どのように活用されて、その用法にはどんなものがあるのかを紹介していきます。
TENERの活用
TENERは直説法において不規則に活用されます。
TENERの不定形は次のとおりです。
- 不定詞:Tener
- 現在分詞:Teniendo
- 過去分詞:Tenido
直説法現在形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | tengo | tenemos |
二人称 | tienes | tenéis |
三人称 | tiene | tienen |
直説法点過去形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | tuve | tuvimos |
二人称 | tuviste | tuvisteis |
三人称 | tuvo | tuvieron |
直説法線過去形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | tenía | teníamos |
二人称 | tenías | teníais |
三人称 | tenía | tenían |
直説法未来形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | tendré | tendremos |
二人称 | tendrás | tendréis |
三人称 | tendrá | tendrán |
直説法過去未来形
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | tendría | tendríamos |
二人称 | tendrías | tendríais |
三人称 | tendría | tendrían |
接続法現在形
TENERの接続法現在形は規則活用です。直説法現在形一人称単数形の teng- が活用母体になっています。
関連 接続法における動詞の活用の仕方【スペイン語】
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | tenga | tengamos |
二人称 | tengas | tengáis |
三人称 | tenga | tengan |
接続法過去形
直説法点過去形三人称複数形の語幹 tuvier- が接続法過去形の活用母体になります。
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | tuviera | tuviéramos |
二人称 | tuvieras | tuvierais |
三人称 | tuviera | tuvieran |
TENER の意味と用法
TENERのイメージは「所有」です。
ただし、今回例文で示すように、少し特殊な用法もありますので一つ一つ確認していきましょう。
用法をまとめると以下のようになります。
1. Tener + 直接目的語:持っている・である
直接目的語に何が来るかによって、文のニュアンスが変わってきますが、基本は「所有」していると考えれば良いです。
¿Tienes un diccionario de español? – Sí, lo tengo.
スペイン語の辞書持ってる? – 持ってるよ。
直接目的語がdiccionarioですので、そのまま「物を所有している」という意味を指します。
ここでは『辞書を持っているか』どうかを聞いています。後半の文の直接目的格代名詞loはun diccionarioを指しています。
Ella tiene el pelo rubio y largo. – ¿Cuántos años tiene ella?
彼女は⻑い金髪をしているよ。 – 彼女は何歳なの?
直接目的語がel peloです。このように人が先天的に所有するものについても使用できます。
また、後半部分では『年齢』についても表現しています。年齢という属性を持っていると考えて、「〇〇才である」と表現できます。
Si yo tuviera una hija pequeña, le tendría mucho cariño.
もし小さい娘がいたら、可愛がってしまうだろう。
家族や友人がいることをTenerで表現できます。una hija pequeñaが直接目的語に当たります。
tuvieraは動詞Tenerの接続法過去形ですが、これは非現実なことを仮定して述べる場合の表現方法です。
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Tengo peor experiencia de viaje en coche. Tuve un accidente el año pasado.
車での旅行で最悪な経験をしたことがある。昨年、事故にあった。
Tenerが例文中に2つありますが、「経験を持つ」という場合にもTenerを用いることが出来ます。
前半のようにそのままexperiencia(経験)を持つと言うこともできますし、後半部分のようにaccidente(事故)のようなイベントを伴うこともできます。
el año pasadoという過去のある時点で、事故にあったという場合には動詞tenerは点過去をとります。
Cuando terminó la película, teníamos hambre. Así que fuimos a un restaurante.
映画が終わったときに、私たちはお腹が空いていたので、レストランに行った。
途中のteníamosが該当箇所です。hambre「空腹」を伴っていますが、このように感情や感覚をtenerで表現できます。他にもsueño(眠気)やmiedo(恐怖)などが一緒に使われます。
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Tenerが直説法線過去形をとっているのは、映画が終わる前からお腹は空いていたからです。例えば、映画が終わった瞬間に「お腹がすいた」のなら点過去になりますが、少し不自然ですね。
Ayer me dijiste que tendrías clase hoy, ¿no? ¿Qué te trae por aquí?
昨日、今日は授業があるって言ってたよね?なんでこんな所にいるの?
例文中のようにclaseなどのイベントを伴うことが出来ます。「clase(授業)を持っている」つまり、「授業がある」ということです。
前半の文は時制の一致が必要です。
Tener が過去未来形でtendrías になっていますが、これは『過去の時点から未来を見ている』からです。主節がdijiste で過去時制です。昨日私に言ったことがque 以下です。
つまり、昨日言ったことは未来について言及しているので、『過去の時点から未来を見ている』ということになります。
2. Tener en(por) 〜 …とみなす
Hay que tener en poco los problemas en los que subió el porcentaje de impuesto.
税率が上がった問題を軽視してはいけない。
Tener en mucho は「〜をしっかり判断する」、Tener en poco で「〜を軽視する」という熟語表現です。
3. Tener + 過去分詞 〜してある
Ya tengo pensado lo que quiero hacer y cómo realizarlo.
私は、自分のしたいこととそれをどのように実行するのかを、もう考えてあります。
「Tener + 過去分詞」は「Haber + 過去分詞」と似たような意味を持ちます。
しかし、ニュアンスが少し異なるようですので、理解が少し難しいです。
「Haber + 過去分詞」は『結果の完了』を表すのに対して、「Tener + 過去分詞」は結果の完了だけでなく『話し手の事柄に対する強い思い』があるようです。「Haber + 過去分詞」の場合の例文と比較してみてください。
Ya he pensado lo que quiero hacer y cómo realizarlo.
私は、自分のしたいこととそれをどのように実行するのか、もう考えました。
「考えておしまい」に対して「考えたことを今も持っている」と捉えると、少しスッキリしませんか。
TENERの熟語表現
よく使用されるTenerの熟語表現は以下の通り。
- Tener que + 不定詞:…しなければいけない
- Tener en cuenta:考慮する
- Tener que ver con 〜:…と関係がある
例文で確認しましょう。
Hubiera planeado el proyecto teniendo en cuenta que había sido joven.
彼(彼女)が若者だということを考慮して、計画を立てるべきだった。
Tener + en cuentaで「考慮する」という意味です。
現在分詞は副詞的用法がありますので、teniendo en cuenta で『考慮しながら』とか『考慮して』という意味になります。
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cuentaの後は『名詞』を持ってきたり、que + 直説法の『名詞句』を持ってくることが出来ます。
Hemos tenido que hablar bajo en la biblioteca para que no nos regañe más.
私たちは図書館で小声で話さないといけなかった、もう怒られないように。
Tener que + 不定詞で「しなければいけない」という意味です。これは頻出表現の一つです。
否定形だと「〜しなくて良い」とか「〜してはいけない」という禁止の意味になります。
Hemos tenidoの現在完了形にしていますが、これは現在までその行為が及んでいると考えてください。少し前に「怒られて」その時点から、今まで(これからも)小声で話さないといけないという状況です。
仮に tuvimos なら、過去のある時点について述べていることになりますし、その場合ayerなどの『過去の時間』を表す語が必要になります。
para que以下の後半部分ですが、主節の主語(私たち)とは異なって、別の主語(注意した人)になっていますので、接続法をとります。
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Este asunto no tiene que ver contigo.
この件は君には関係ないよ。
Tener que ver con 〜で「…と関係がある」という意味になります。これも熟語表現として覚えてしまいましょう。
contigoの部分をcon tú とかcon ti などと間違えないようにしましょう。
まとめ
記事の内容をまとめます。
以上です。スペイン語学習の役に立てば嬉しいです。