最重要動詞Quererの意味と使い方を10の例文で解説

querer スペイン語
想定している読者
  • 動詞Quererの意味や用法を知りたい人
  • Quererの使い方やニュアンスを、例文を通して理解を深めたい人

Querer は「自分が何かをしたい」時や「他人に何かをしてもらいたい」時に使える動詞ですので、日常生活でも非常によく使います。

本記事では、最重要動詞の一つQuererの意味や用法を10の例文で説明していきます。どのように活用されて、その用法にはどんなものがあるのかを紹介していきます。

目次

QUERERの活用

Quererは直説法において不規則に活用される動詞ですので、何度も口に出して練習しましょう。

直説法現在形

人称単数複数
一人称quieroqueremos
二人称quieresqueréis
三人称quierequieren

直説法点過去形

人称単数複数
一人称quisequisimos
二人称quisistequisisteis
三人称quisoquisieron

直説法線過去形

人称単数複数
一人称queríaqueríamos
二人称queríasqueríais
三人称queríaquerían

直説法未来形

人称単数複数
一人称querréquerremos
二人称querrásquerréis
三人称querráquerrán

直説法過去未来形

人称単数複数
一人称querríaquerríamos
二人称querríasquerríais
三人称querríaquerrían

接続法現在形

人称単数複数
一人称quieraqueramos
二人称quierasqueráis
三人称quieraquieran

接続法過去形

人称単数複数
一人称quisieraquisiéramos
二人称quisierasquisierais
三人称quisieraquisieran

QUERERの意味と用法

Querer は基本的に『願望』を述べる際に使います。つまり、何かを欲している訳です。

Quererの基本的な意味
  1. Querer + 物「〜が欲しい」
  2. Querer + 人「〜が好き(人が欲しい)」
  3. Querer + 不定詞「〜したい(〜することが欲しい)」
  4. Querer + que 接続法「〜してもらいたい(誰かが〜することが欲しい)」

Querer が「何を伴うのか」によって、意味が変わってきます。人が欲しいというのは、つまり、その人を欲しているので、好きという感情になる訳です。

Querer は他動詞なので、基本的な文法構造は Querer + 目的語 です。この目的語の部分が『物・人・不定詞(〜すること)・que の名詞節(誰かが〜すること)』になっている訳です。

Quererを用いて「〜したい」と願望を述べたい場合、「自分が〜したい」ならquerer+不定詞で、「他人に〜してもらいたい」ならquerer que+接続法です。

願望を述べる時に、なぜ接続法を伴うのかについては以下の記事で詳しく解説しています。

それぞれの用法を例文を通して確認していきましょう。

1. Querer + 物「〜が欲しい」

¿Qué quieres? – He venido a tomar un vaso de agua.
何の用(何が欲しいの)? – 一杯の水を飲みにきた。

Querer + 物で「物が欲しい」という意味になります。例文のように、¿Qué quieres? は状況に応じて「何の用?」という意味で使ったりもします。

No quiero tanto tus quejas de los demás. 
君の他人への文句はそんなに聞きたくない。

目的語には例文の La queja「文句」のような物理的な物じゃないものもきます。

2. Querer + 人「人が好き」

Te quiero mucho. – Yo, a ti.
君を愛しているよ。 – 私も。

“Te quiero” はスペイン語を学習しているなら、まず覚えたいフレーズですね。
関連 スペイン語で「好き」を伝える方法【愛情のフレーズ10選】

Querer + 人で「人が好き・人を愛する」という意味になります。

例文中では、冒頭の Te が”人”にあたります。この Te は直接目的格代名詞というもので、直接目的語( a ti )を省略した形になります。

つまり、本来は Quiero a ti mucho となっているのが、省略されて、Te quiero mucho になっているということです。

直接目的語が”人”の場合は、前置詞 a を伴うことを忘れないでくださいね。

3. Querer + 不定詞「〜したい」

Quiero comer la comida japonesa.
私は日本食が食べたい。
Quise comer la comida japonesa.
私は日本食が食べたくなった。
Quería comer la comida japonesa.
私は日本食が食べたかった。

Quererの目的語に不定詞がくる場合は「〜したい」という意味になります。

また、Quererは過去形になると、点過去と線過去ではニュアンスが異なるので注意しましょう。

点過去と線過去のニュアンスの違い

Quiseは点過去形で、Queríaは線過去形です。

点過去は過去のある瞬間の思いであるのに対して、線過去は過去のある時点において継続して抱いている思いになります。「その瞬間食べたくなった」のか「食べたい思いを持ち続けていたのか」です。

例えば、過去のある時点で「焼き立てパンの匂いがして食べたくなった」という状況はどうでしょうか。この場合、匂いを嗅いだことによって、その瞬間に抱いた思いですから、点過去形になります。

Cuando olía a pan recién hecho quise comerlo.
焼き立てパンの匂いがしたとき、パンが食べたくなった

一方、「焼き立てのパンが食べたかったから、パン屋に買いに行った」という状況はどうでしょう。この場合、パンを食べたいという思いはずっと持っていたことになります。

Quería pan recién hecho. Así que fui a comprarlo a la panadería.
焼き立てのパンが食べたかったから、パン屋に買いに行った。

Quisiera viajar por España con mi familia.
できれば家族とスペイン旅行に行きたいんですが。

Quererは線過去形や接続法過去形の形でより丁寧な言い方をすることができます。「〜したい」ではなくて、「〜したいんですが」と言いたい時に使います。

動詞の時制としては過去形ですが、現在の事を婉曲的に表現します。より丁寧な表現をしたい時は、QueríaかQuisiera を用いましょう

¿Quiere cerrar la puerta, por favor?
すみません、ドアを閉めてくれませんか。

疑問文の中で『依頼・勧誘』を表します。「〜してくれますか・〜しましょうか」ということです。動詞Poderと似たような使い方ができます。

4. Querer + que 接続法「〜してもらいたい」

¿Qué quieres que haga yo?
君は僕に何をして欲しいの?

主語は省略されていますが tú です。主節の時制が現在形なので、従属節の時制は接続法現在形になります。よって、動詞Hacerはhagaになっています。

Quería que hicieras la tarea tuya tú mismo.
私は宿題を君自身にやって欲しかった。

これは先程の例文とは違って、主節が過去形Queríaになっています。時制の一致から、従属節も過去形にスライドさせます。そのため、動詞Hacerは接続法過去形hicierasになっています。

5. Querer + decir「〜を意味する」

¿Qué quiere decir esa palabra?
その単語はどういう意味ですか。

動詞 Decir「言う」と併せて、『〜意味する』という訳になります。例文中の主語は esa palabra になります。

したがって、Quererは三人称単数に活用して、quiereになっています。冒頭の qué は quiere decir の目的語にあたります。

つまり、esa palabra が表す意味のことです。別の動詞Significarと同じように使えると思えばいいです。

QUERERの熟語・慣用句

Quererは他の単語と併せて、熟語や慣用句などを作ります。一例を紹介します。

quererの熟語・慣用句
  • queriendo わざと
  • sin querer うっかり
  • como quiera que + 接続法 どんな風に~しても
  • como quiera que + 直説法 ~なので
  • cuando quiera que + 接続法・直説法 ~するときはいつでも
  • dondequiera (que + 接続法) どこでも(~する所ならどこでも)
  • quieras que no(=quieras o no) 好きだろうが嫌いがろうが
  • ¿Qué más quieres? それ以上どうしろというんだ

まとめ

記事のまとめをします。

quererの使い方は分かりましたか?
記事のまとめ
  • Quererは他動詞。文法構造は「Querer + 目的語
  • 目的語には「物・人・不定詞・que 接続法」が来る
  • 「自分が〜したい」ならquerer+不定詞
  • 「他人に〜してもらいたい」ならquerer que+接続法
  • quiere decir = significa

以上です。この記事がスペイン語学習の役に立てば嬉しいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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