西検2級をサンプル問題から読み解く【スペイン語技能検定】

想定している読者
  • スペイン語技能検定を受験するか迷っている人
  • どんな問題が出題されるのか知りたい人

追記:2022年度夏季より解答は、記述式からマークシート式に変更になります。それによる問題形式の変更がありそうです。

この記事をご覧になっている人は、ある程度スペイン語を学習してきた方々だと思います。

公式によれば、スペイン語技能検定2級はMCERの”B2″に相当するようです。
関連 外国語のレベル•習熟度を測るMCERとは【スペイン語】

スペイン語技能検定(以下、西検)は2021年4月にリニューアルされたので、これまでとは問題の形式が少し異なるようです。

そこで、ここでは試験対策の第1歩である『問題分析』として、公式が発表したサンプル問題を分析したいと思います。

DELE B2よりは若干簡単そう…?
記事の要約
  • 2級から口述試験が課される
  • 筆記試験は『記述』形式がメイン
  • 日本語を西訳する問題が課されるが、その分問題数が少ない
  • 問題量・文章量などを考慮すると、DELE B2より若干レベルは低い印象
目次

2級のサンプル問題を分析

もし、問題を見る前に試験の概要をサクッと確認したいのであれば、【保存版】スペイン語技能検定を受験すべきか【試験内容・レベルまとめ】をご覧ください。

著作権の関係で、問題自体を転載できませんので、実際のサンプル問題が見たい方は日本スペイン協会が公開している2級サンプル問題をご覧ください。

2級問題の概要

2級問題ポイント
  • 全文法事項が試験範囲(語彙数約3500)
  • 1次試験(筆記・リスニング問題)のほかに口述試験(2次)がある
  • 試験時間は約100分(筆記75分,リスニング15分,口述8分)
  • 1次試験の問題は全部で26問
スクロールできます
大問1次 第1問1次 第2問1次 第3問1次 第4問1次 第5問2次試験
解答形式マークマークマークマークマーク口述
問題数12問6問1問2問5問
問題形式文法問題
和訳問題
文法問題
和訳問題
西訳問題西訳問題リスニング
ニュース
インタビュー
音読
意見
面接 
問題内容長文を読み、文法・和訳問題に解答動詞を適切に活用させ和訳日本語文(100字程度)を西訳日本語文を西訳リスニング後に問題文の正誤を判別テキスト音読
意見を述べる
質疑応答

追記:2022年度夏季より解答は、記述式からマークシート式に変更になります。

1次試験

1次試験は筆記とリスニング問題が出題されます。

3級と比べて、マーク形式(選択形式)の問題が減り、記述する問題が増えている印象です。それによって全体の問題数は26問と、3級よりは少なくなっています。
関連 【スペイン語技能検定】3級の問題をサンプルから読み解く

追記:2022年度夏季より解答は、記述式からマークシート式に変更になります。

また、2級ではじめて西訳問題が出題されます。

それでは各大問について考察していきます。

第1問:文法・和訳問題

第1問は250〜300単語程度の長文を読み、文法問題・和訳問題に解答する問題です。文法問題では、動詞の時制や法についてや語彙について問われるようです。

サンプル問題では『IR』の活用と適切な『前置詞』の選択が示されています。

また、正しく文章の内容を理解しているかどうかも問われます。文章中、下線部で示された部分を和訳する問題と、質問に対して『20字以内』で日本語で解答する問題があります。

基本的な文法問題ですが、なんとなくの理解では『和訳問題』は解答できないでしょう。そのため、十分な語彙力が必要になります。

サンプル問題の出典元はこちらの書籍です。320ページある文学小説で、単純にインターネットの記事から出題されるのではなく、スペイン語書籍からも出題される可能性があることを示唆しています。

第2問:文法・和訳問題

第2問も第1問同様、『文法問題・和訳問題』です。異なる点は、全て記述式であるという点です。記述式であることで、文法問題も正確な綴りが要求されます

追記:2022年度夏季より解答は、記述式からマークシート式に変更になります。

長文の出典が公表されていませんが、100〜150単語程度の文章ということです。DELE B2の読解試験Tarea1の語彙数が400〜450なので、それの3分の1もしくは4分の1程度ということになります。

語彙数はそこまで多くありませんが、長文を全文日本語に訳さないといけません。普段から、日本語で意味を書いてみる練習が必要かもしれません。

第3問:西訳問題

第3問は西訳問題です。提示されている日本語文(サンプルでは100字程度)をスペイン語に訳していきます。フォーマルな依頼文や招待状、案内文などが出題されるようです。

フォーマルな文章ですので、スペイン語特有の定型文を用いて書くことができるのかを問われているようです。

第4問:西訳問題

第4問も同様に西訳問題です。西訳すべき文は『日本の習慣や日常生活上のルールが述べられている文(各設問の出題内容と意図より)』となっています。

サンプル問題では「携帯電話の電源を切る」旨のお願い文でした。海外に住んでいるもしくは住んだ経験のある方は、この手の日常生活上のルールは目にしたことがあるはずなので、少し有利かもしれません。

第5問:リスニング問題

1次試験の最後は、リスニング試験です。試験時間は15分ですが、音声が3回流れるので、実質5分弱/回のリスニングになると思われます。

3級のリスニング問題が『会話聞き取り』だったのに対して、2級では『インタビュー・スピーチなどの聞き取り』になります。ニュースやスピーチ、インタビューなどの内容を聞き取り、その後、問題文の正誤を判断します。

よくある Verdadero o Falso の問題です。正誤を図る問題文が全て日本語文の可能性があるので、DELE B2 聴解試験の Tarea 3 の問題よりは易しいと考えられます

普段から、Podcast やラジオのニュース番組、TEDなどのスピーチを聞いていれば、そこまで難しくないと考えられます。

2次試験

1次試験に合格した方だけが進める2次試験の内容を整理していきます。

2次試験のポイント
  • 試験時間約16分(準備8分、試験8分)
  • テキストは3種類から1種類選ぶ
  • テキスト内容は日本の文化・習慣、依頼・相談などの手紙やメールなど
  • 語彙数は150〜200
  • メモ可能

2次試験は口述試験です。試験時間は準備も合わせて約16分です。事前に3種類のテキストが配られ、その中の1つについて、自分の意見などをまとめます。メモは可能ということですが、辞書等の使用は禁止されています。

2次試験の流れ
STEP
試験準備(8分)
  • 3種類のテキストから1種類を選び、自分の意見をまとめる
  • メモは取れるが、辞書等は使用できない
STEP
テキストの音読

入室後、まずテキストの音読をする

STEP
面接官との質疑応答

サンプル問題では、日本の居酒屋での文化『お通し』についてです。出典はこちらのサイト「MATCHA」です。

MATCHAのように、日本の文化についてスペイン語で学べるサイトの記事を日頃から読んでおくことで十分対策できそうです。試験にテキストを読み上げる課題があるので、音読も合わせてやりましょう。

その際に、¿A ti te parece 〜? や ¿Te gusta[gustan]〜?などを自問自答する練習も効果はあると思います。音読▶︎自分の意見をメモ▶︎自問自答で対策です。
関連 音読はスペイン語習得に最良な学習方法【音読のやり方も丁寧に解説】

2次試験では、次の5つの項目について評価されるそうです。事前にどんな観点で点数がつけられるのかを理解しておくことは、合格するためには重要なことです。

  • 文法
  • 語彙
  • 構成力
  • 表現力・説得力
  • 発音・イントネーション

まとめ

最後に記事の内容をまとめます。

2級のイメージはつきましたか?
記事のまとめ
  • 2級から口述試験が課される
  • 日本語を西訳する問題が課されるが、その分問題数が少ない
  • 問題量・文章量などを考慮すると、DELE B2より若干レベルは低い印象

今回の記事のように1級から4級の問題を解説した記事もありますので、よければ合わせてご覧ください。

以上です。この記事がスペイン語学習に少しでも役に立てば嬉しいです。

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