- スペイン語の勉強を進める上で、どれを受けたらいいか悩んでいる人
- 試験を受けることを選択して、モチベーションを上げようとしている人
スペイン語の試験にはDELE・西検・SIELEなどがありますが、どれを受けるべきなのか悩みますよね。
特に、スペイン語を学習し始めた頃は、それぞれがどんな試験か分かりません。
そこで、3つのスペイン語試験を比較しながら、それぞれの特徴を見ていきましょう。
DELE・西検・SIELEの比較
項目/試験名 | DELE | SIELE | 西検 |
---|---|---|---|
実施回数 | 3回 | 平日ならいつでも可能 | 2回 |
実施時期 | 5月・7月・11月 | 1年中 | 6月・10月 |
出願方法 | オンライン+郵送 | オンライン | オンラインか郵送 |
試験の形式 | 筆記, 面接 | PC(入力,音声吹き込み) | 筆記, 口述(2級以上) |
試験内容 | 読解, 聴解, 作文, 口頭 | 読解, 聴解, 作文, 口頭 | *級ごと異なる 筆記, 聴解(全ての階級) 口述(2級以上) |
試験レベル | A1〜C2 | A1〜C1 | 6級〜1級 (MCER:A1〜C1) |
結果発表までの時間 | 約3ヶ月 | 3週間以内 | 約1ヶ月 |
発行される書類 | Diploma(公式認定証) Certificado(公式証明書) | Certificado(公式証明書) | Diploma(合格証明書) |
有効期限 | 無期限 | 5年 | 無期限 |
対策問題集の充実さ |
それぞれの項目についての詳細は後ほど解説します。
実施回数・実施時期
受験チャンスが多いのはSIELE
DELEと西検は受験できる回数が決められているのに対して、SIELEは平日であれば、基本的にいつでも受験することができます。スペイン語を生かして就職をしたいと考える人にとっては、自分の好きなタイミングで受験できるSIELEが柔軟な対応ができるでしょう。
反対に、DELEや西検のように受験時期が定められていれば「ここで取らないと来年度になってしまう」とモチベーションは上がりそうです。この辺りは、受験者の判断になりそうです。
出願方法
出願方法も3つの試験でそれぞれ少し違いがあります。筆者は西検を受験したことはないので、断定はできませんが、西検のHPをみるに一番出願が楽なのは西検です。
西検のオンライン出願が最速
西検では、郵送での出願かオンラインでの出願かを選択することができます。Web 出願の場合だと、受験料の支払いが「クレジットカード・銀行振込・コンビニ決済・郵便振替」で選択することができます。もし、クレジットカードを持っているなら、PC・タブレットもしくはスマホからその場で申し込みが完了します。
関連 【スペイン語技能検定】オンライン申込で簡単!【受験方法解説】
Paypal利用ならSIELEが楽
SIELEは郵送での出願はなく、全てオンラインで完結できます。西検と違う点は『Paypal』のアカウントで受験料の支払いをするという点です。
Paypalというのはオンライン決済サービスで、海外旅行に良く行かれる方はアカウントを持っているのではないでしょうか。
僕はSIELE出願の際にはアカウントを既に持っていたので非常に簡単に申し込みができました。
Paypalのアカウントをもしもっているなら、3つの試験で一番楽に申し込みができると思います。
関連 SIELEの申し込みはオンラインで完結する【Paypal必要】
DELEの出願は要改善
DELEの出願方法は最悪。オンラインで申し込み、受験料を支払った後に郵送しなければいけません。しかも、かなり分かりにくい。初めて受験する人にとって敷居が高すぎると思います。
送られてくるメールにはスペイン語オンリーの資料があったりします。
筆者も初受験の際には危うく受験料がパーになるところでした。もう少し初心者にも理解しやすい工夫をして欲しいです。初めて受験する人のために申し込み手順を以下の記事にまとめています。
関連 DELEスペイン語検定受験方法徹底解説!【申し込みの際の注意点】
試験形式・内容・レベル
試験の形式については、SIELEはPC上で行う点で他とは異なります。
試験のレベル
またスペイン語にはMCER(ヨーロッパ言語共通枠組)という評価基準があり、英語をはじめスペイン語、フランス語・ドイツ語などのレベルが同じ指標(A1〜C2まで)で評価されます。
例えば、「英語はB1だけど、スペイン語はC1です」という人がいれば、英語よりもスペイン語が得意だということが分かりますし、英語は生活する上で困らない程度のレベルを有していて、スペイン語は、論文など専門的な文献を読んで要約できるレベルを持っていると判断できます。
DELEではA1〜C2まで、SIELEではA1〜C1まで、西検では6級〜1級(これはMCERでいえばA1〜C1)までに対応しています。
関連 外国語のレベル•習熟度を測るMCERとは【スペイン語】
それぞれ公式が発表しているMCERのレベルを整理すると以下のようになります。
MCER | 西検 | DELE | SIELE |
---|---|---|---|
C2 | C2 | ||
C1 | 1級 | C1 | 858-1000 |
B2 | 2級 | B2 | 685-857 |
B1 | 3級 | B1 | 459-684 |
A2 | 4級 | A2 | 277-458 |
A1 | 5級(6級) | A1 | 140-276 |
発行される証明書
海外でスペイン語力を証明するならDELEかSIELE
DELEとSIELEは国際的に証明された Diploma および Certificado が発行されます。そのため、海外で自分のスペイン語を証明したい場合はDELEもしくはSIELEを受験する必要があります。
西検は主催が日本スペイン語協会ですので、効力は日本国内だけです。
SIELEについて1点注意が必要です。SIELEには「読む・聞く・書く・話す」の4つ全てを受験できるSIELE Grobal とそれらを組み合わせて受験できる Modalidades independientes の2つの受験パターンがあります。
SIELE Grobalでは国際的な効力を持つCertificadoが得られますが、Modalidades independientesでは試験結果の Informe しかもらえません。この Informe は公的な効力を持たないので、注意してください。
結果はいつ届くのか
受験後に気になる、試験結果の発表と証明書がいつ届くのかという点ですが、これは公式に挙げられている情報よりも少し早いようです。
- DELE:7月13,14日受験▶︎9月17日結果発表▶︎Diploma来ず…
- SIELE:9月25日受験▶︎9月27日結果発表
DELEは結果発表まで約2ヶ月で、SIELEに至っては2日後でした。すぐに結果が欲しい場合はSIELEを受験するといいでしょう。ちなみに、DELEの合格証明書は1年後に郵送されるそうです。
関連 DELEの結果は何が・いつ届くの?【受験後の不安を解消】
西検では一次試験結果は二次試験の7日前までに通知され、2次試験の合格可否は受験後から約1ヶ月となるそうです。
証明書の有効期限
証明書の有効期限についてはDELE・西検は無期限なのに対して、SIELEは5年間です。DELEと西検は一度合格してしまえば、自分のスペイン語レベルをずーっと証明できるわけです。もちろん、合格後も日々の勉強は必要だと思いますが、また受け直さないといけないということがありません。
一方、SIELEは定期的に受けないとスペイン語レベルを証明できません。スペイン語学習者の中にはSIELEだけを受験するという人はいないと思いますが、有効期限があることを忘れないようにしましょう。筆者は逆に、有効期限があることで直近のスペイン語力(今の実力)を証明できるので、メリットだと捉えています。
対策問題集の充実さ
どの試験に対しても対策は必要です。「対策問題集の充実さ」も重要な項目の一つです。試験の受験を決めたら、ほとんどの人がやるのが対策問題集を購入すると思います。
DELEは他の2つの試験に比べて充実しています。自分にあった問題集を選ぶことができるという点で★4にしました。DELEの問題集を出版している会社は大きく分けると5社あります。
関連 【DELE B1】オススメ問題集5社の徹底比較!【サンプル有り】
西検については、白水社が出している問題集があります。6級から3級まで出版されていて、受験を考えているならひとまずこれを買っておいたら十分だと思います。
また、西検の対策は専用の問題集に限らず、他の文法書や問題集で対応可能だと思いますので、そういう意味で★3にしました。
関連 【試験対策】スペイン語検定4級問題集で初級文法を復習!
SIELEについては、日本で見つけることのできる対策問題集は一つしかありません。
SIELEの試験自体が2016年に始まったものですので、これから続々と出版されると思いますが、PC上で行うという特性上、SIELEに特化した問題集があるとユーザー的には嬉しいですよね。
SIELEの問題はDELEの問題に通ずるところがあるので、DELEの問題集をやり込むことで対策は可能です。
関連 SIELE対策唯一のテキストSIELE, preparación para el examenを徹底レビュー【電子版一択】
試験の受験料って結構高いですし、受験前にしっかり情報収集することは大事だと思います。しかし、試験を申し込まないと、何も始まりません。「いつか受けたいなぁ」ではなく、いつ受けるのかを明確にしましょう。
まとめ
以上です。記事の内容を振り返りましょう。
どの試験を受けた方がいいというのはありません。それぞれ一長一短あるので、自分にあった試験を選択して試験対策をすするといいでしょう。
以上です。この記事が少しでも役に立てていれば嬉しいです。