- どんな教材を使って勉強したか。
- 1日どのくらい勉強したか。【勉強時間とその使い方】
- それぞれ4つの試験に対してどんな試験対策を行ったか
スペイン語を学習し始めて、最初に超えるべき壁はB1です。スペイン語を必要とする求人には『スペイン語レベル:B1』を書かれたものがほとんどだからです。
もし将来スペイン語を使って仕事をしたいと考えているのなら、B1を取得することがまず最初の目標になると思います。
でも、DELE を受験したことない人は DELE がどのくらいのレベルで、合格するためには『何を、どのくらい、どうやって』勉強するか分からないですよね。普段勉強していて「自分の勉強の仕方は本当に合っているのか」不安になったことはありませんか。
本記事ではそんな方のために、筆者がDELE B1合格のためにやった対策を紹介します。
正直、結果はギリギリでした。読解と聴解は余裕があったから、もっとできてると思ってました。これ届いて「もっとちゃんと勉強しろ」って言われた気がしましたね。
スペイン語学習歴1年2ヶ月【2020/07時点】でDELE B1を受験しました。それを念頭に本記事を読んでもらえればと思います。
DELE B1合格のための使用教材
- EL Cronómetro B1(DELE問題集)
- Objetivo DELE B1(DELE問題集)
- 西和中辞典 第2版
- El País(ニュースサイト)
- いちばんはじめのスペイン語単語
- スペイン語検定対策問題集4級
- 日常スペイン語会話ネイティブ表現
- 自作質問カード
DELE問題集
DELE受験を決めた時にまずやるのが、DELEの問題集を買うことだと思います。DELEの問題集は種類様々ですが、筆者は『EL Cronómetro B1』と『Objetivo DELE B1』の2つをやりました。
DELEの問題集として有名なのがEDELZA社の『Preparación al Diploma de Español Nivel B1』ですが、筆者はあえて選びませんでした。パナマ在留中に粋ってEDELZAのB2レベルの問題集を買って勉強していましたが、音源が試験本番と違う形式でしたので、初めて受験しようとしていた筆者には合いませんでした。
関連 EDELSA社のDELE B1対策問題集を徹底レビュー【勉強方法あり】
スペイン語辞書
辞書の必要性は言わずもがなですが、筆者は紙の辞書をオススメしています。電子辞書やスマホの辞書アプリなど選択肢はいくつもありますが、『余白に書き込める』ことと『別の単語・熟語表現に巡り合える』という2つの理由で紙辞書をおすすめします。
関連【初心者向け】スペイン語参考書の選び方【どこに着目して教材を買う?】
収録単語数が圧倒的な辞書
この『西和中辞典 第2版』は他の辞書に比べて値段が高いですし、表紙が深いピンク色をしていますので、抵抗がある人もいると思います。筆者は辞書は掘り下げツールだと考えています。
関連 スペイン語辞書の効果的な使い方【辞書は単語帳じゃない】
辞書を活用する醍醐味は、例文を確認し、単語がどのように使われているのかを確認することにあります。ということは、掲載単語数が多いだけではなく、十分な例文数も必要になります。
その点、本書は約80,000語も収録していて、しかも例文数も豊富です。値段以上の学習効果が期待できます。
ちなみに、他の紙辞書の収録単語数は以下のようになっています。
西和中辞典 第2版 | 現代スペイン語辞典 | クラウン西和辞典 | プログレッシブスペイン語辞典 | プエルタ新スペイン語辞典 |
---|---|---|---|---|
80,000語 | 46,500語 | 52,000語 | 25,000語 | 42,000語 |
50,000語収録と80,000語収録の差は、学習すればするほど感じます。筆者は1冊目に『プログレッシブ スペイン語辞典』を使用していましたが、勉強するにつれて掲載されていない単語が増えてきて、Google で検索するという手間が増えました。
JICAの語学講師がおすすめしてくれたこともあり、学習効率を考えて『西和中辞典 第2版』を購入するに至りました。
関連 圧倒的掲載量『西和中辞典』を使い倒す【スペイン語辞書】
スペイン語ニュースアプリ EL PAÍS
語学の鉄則は『音読』ですので、スペイン語の長文に気軽にアクセスできるものとして EL PAÍS も学習に取り入れました。これはスペインの超有名なニュースサイトです。DELEの問題にも引用されることもあります。
国内外のニュースを無料で読めるので音読練習に最適です。iOSのアプリもありますし、WEB上でも読めますし、手軽にスペイン語の記事に出会えるのでオススメです。
確認 公式サイトをチェックする
その他の教材については、”どうやって”勉強したのかを説明する際に紹介します。
試験前の時間の使い方
勉強時間
毎日少なくとも『4時間半』は勉強していました。当時は、JICAボランティアの再派遣待機期間中だったので、それなりに時間がありました。
ルーティーン | |
単語帳1周音読 | 15分 |
El País 1記事の音読 | 30分(6分×5回) |
DELE問題集Prueba4つのどれか(答え合わせ・ノートまとめ含む) | 120分 |
まとめメモ帳復習1周 | 15分 |
日常スペイン語会話ネイティブ表現のシャドーイング | 90分 |
日替わりメニュー | |
文法の確認(スペイン語検定の問題集もしくは文法書) | 60分 |
自作質問カードで口頭練習 | 30分 |
スペイン語Podcastの原稿作成・収録・配信 | 120分 *これは週1 |
1日の勉強時間 | 4時間半以上 |
1日の使い方
午前中と午後5時くらいまでの話をします。夜はブログに時間を使っていたので、勉強していません。
「何をいつやるか」という質問の答えは『午前はアウトプット、午後はインプット』です。これは精神科医の樺沢紫苑さんも著書『学びを結果に変える アウトプット大全』で述べています。しかも学習の中でアウトプット・インプット=7:3の割合がもっともいいそうです。
午前にやったこと
主に音読を学習の軸にしてやっていました。あまり頭を使って考えることを排除しました。単語帳暗唱とまとめノート復習は反復することを前提にやっていますので、「覚えないと!」という意識を持たずにやりました。いずれも声に出して行いましたので、アウトプットとしてカウントしています。
午後にやったこと
DELEの問題を解くこと自体はアウトプットですが、新しく出会った単語や文法表現を覚えることもできます。「解いて、補強して、確認する」という流れを常にとっていました。新しい表現や知っていたけど、忘れていた事柄はまとめノートに書き込んでいきました。
試験対策
読解試験への対策
読解攻略のために大事なことは語彙力の強化をすることと長文を読むことに慣れることです。
- 単語帳毎日1周する
- DELEの問題集を解いて、出会った表現を辞書で調べて、まとめメモ帳に書いていく
単語はすぐに忘れてしまうことを前提に、何度も繰り返すことが大事だと考えて、単語帳を何度も何度もやりました。最初は時間かかっていましたが、慣れてきたら1周15分もかからず終えれます。
単語帳の使い方はシンプルに『ひたすらスペイン語を読み上げていく』だけです。時間を測りながら、正しい発音で読み上げていくだけです。
関連【スペイン語】単語帳の使い方の本質
DELEの問題集はジャンルごとまとめられているものが多いので、ジャンルごとの語彙を増やしやすいです。その後は、調べたことを忘れないように自分なりに工夫すればいいと思います。筆者は、復習しやすいように小さいメモ帳に出会ったものを書いてまとめました。
語彙力を着実に伸ばす方法は『問題集を解いて、知らない表現を辞書で調べる』な気がします。極論言ったら、単語帳なくても辞書さえあれば十分です。ただし、入門者や初心者には効率とモチベーション維持のために単語帳は必要だと思います。
関連 【スペイン語】単語帳は必要か?その意味と本質を考える
聴解試験への対策
聴解攻略のために大事なことはスペイン語を耳に慣れさせることといろんな種類の音源に触れることです。
- EL PAÍS ニュースの音読
- シャドーイング
- DELEの問題集を2冊終わらせる
スペイン語学習において、音読が最高の学習方法です。語学はそれ自体が目的ではなくて、習得した後使うことが目的です。使うことを想定すれば、学習の段階から”スペイン語を発する”ことが1番の近道であることは分かりますよね。
関連 【音読のメリット5選】文章をスラスラ読めるようになりたい人へ【スペイン語】
EL PAÍS ニュースの音読
何を音読してもいいと思いますが、筆者は『El País』というスペインのニュースサイトを用いて、毎日1記事を音読しました。その際に意識したことは以下です。
- 毎日ジャンルの違う記事を読む
- 時間を測る
- 自分の声を録音する
- 普段よりも大きい声量で行う
- 5回は繰り返し音読する
いろんな分野の単語や表現に出会うために、毎回できるだけ違うジャンルの記事を読みます。EL PAÍSはカテゴリー分けされているので、記事が探しやすいです。
タイトルを見て、興味のある記事をInstapaper に保存していきます。Instapaper は無料で利用できるニュースリーダーです。EL PAÍSのWEB版やアプリ版に出てくる広告が邪魔なので文章に集中したい場合は利用するといいでしょう。
時間を測るのはスラスラ読めているかを客観的に評価するためです。1回目は知らない単語で突っかかりますが、5回目になるとスラスラ読めるようになります。1回目の時間と5回目の時間を比較して、どれだけ縮まったかで音読を評価します。スラスラ読めるようになると気持ちがいいです。モチベーションも上がります。
自分の声を録音するのは、毎回録音した後それを聞くことで自分の間違いや弱点に気づくためです。どの単語が自分にとって難しいのかを客観的に判断します。
音読を恥ずかしがって、小さい声でブツブツとやっても全く意味がありません。スペイン語を正しく発音するにはスペイン語の口・舌の形にする必要があります。ブツブツと音読しても口と舌が十分に動きませんので、口が単語を覚えません。そのため、普段会話するよりも大きい声量で音読するようにしましょう。
シャドーイング
シャドーイングとは聞こえてきた音をそのまま真似して、後を追うようにして声に出す学習法です。シャドーイングをすることで、フレーズの暗記ができるだけでなく『リスニング力』や『スピーキング力』も向上します。シャドーイングする素材は主に参考書付属のCD音源か Podcast がありますが、自分のレベルにあったものがいいと思います。
関連 リスニング力が向上!?シャドーイングの効果と方法【スペイン語】
筆者は『日常スペイン語会話ネイティブ表現』でシャドーイング練習をしました。
本書には、同じシチュエーションに対して、ネイティブが使う3つの表現が掲載されています。さらに、ポッドキャストに音源がアップされているので、CDをPCに写す手間がありません(CDも付属)。
1フレーズごとの会話形式なので、シャドーイングするのには比較的楽です。いきなり長文のシャドーイングをするのはハードルが高いですので、初めてシャドーイングする人にはオススメです。
ただし、音声のスピードはゆっくりめで、しかも少し違和感のあるスペイン語です。
関連 日常スペイン語会話ネイティブ表現【使用レビュー】
- イヤフォンやヘッドフォンを使用しない
- 知らない単語は調べて書き込む
シャドーイングをする際はイヤフォンは使用しない方がいいです。自分の声が聞こえなくなるからです。自分の声が聞こえないと、どこのフレーズや表現が自分にとって難しいのかが分かりません。
意味が分からないフレーズを何度もシャドーイングしても理解できません。もちろん1回目は意味が分からない単語や表現はあるでようから、チェックをつけておいて後で辞書で確認しましょう。単語や表現を理解した上で、シャドーイングすることが重要です。
作文試験への対策
作文攻略のために大事なことはとにかく作文することと書いたものの文法チェックをすることです。
筆者がDELEの問題集を解くこと以外に唯一やったことは、スペイン語 Podcast の原稿を書くことです。週一で配信しているので、その原稿を文法に注意しながら書いていました。
もちろん一番いいのは、DELEの問題を解いてオンラインレッスンなどでネイティブに添削してもらうことです。
ただ、お金の問題などでそれが叶わない人もいるでしょう。そんなときは自分で書いて自分で文法チェックするしかありません。日記でもSNSでも何でもいいのでスペイン語で文章を書く習慣をつけましょう。
関連 【目的別オススメ】オンラインレッスンの選び方大全【スペイン語】
文章を書く時は一文ずつ以下のことを確認するようにしています。
- 性数があっているか
- 動詞の活用は正しいか
- 同じ表現を何度も使っていないか、他の言い方はないか
- 正しい接続詞で、文をつなげているか
まだまだ完璧だとは思っていませんが、独学でもできる作文対策はあります。作文試験の評価項目にはどんなものがあるのか知っていますか?攻略するにはまずは敵を知ることです。オンラインレッスンに申し込む前に DELE B1 の作文試験での評価基準を確認しましょう。
答えがない作文試験と口頭試験は、どんなことが評価されるのかをまず知ることが大事です。評価されない点をいくら頑張っても点数には結びつかないですからね。
関連【DELE B1】作文試験では”何が”評価されるか【スペイン語】
口頭試験への対策
口頭攻略のために大事なことは覚えた単語や表現をどんどん使うことと正しい発音を心がけることです。
- EL PAÍS ニュースの音読
- DELEの問題集を解く
- 自作の質問カードで1人2役のシミュレーション
- 散歩でスペイン語
ニュースの音読に関しては、聴解対策でやったものです。正しい発音に注意しながら音読を行うので、口頭対策にも十分なります。
自作カードで1人2役のシミュレーション
DELEの問題を解いたら、何度もそれを練習できるように質問カードを作りました。
これを使って、試験管と受験者の1人2役をやって、面接試験のシミュレーションを行いました。最初はなかなか出てこないレベルでしたが、何回もやっていると同じシチュエーションが来た時はすぐに返答できるまでになりました。とにかく、間違えてもいい精神で繰り返すことが大切だと思います。
散歩でスペイン語
1日中勉強して疲れた時は、気分転換に近くを散歩していました。散歩しながら、見えてきたものをスペイン語にしていきます。
例えば、
『今日は天気が良い』
『大体25度くらいだろうか』
『公園で子どもと大人が遊んでいる』
『その人たちは親子で』
『親は仕事がない時はいつも子どもと遊んでいる』
みたいに想像力も働かせながら、スペイン語にしていきます。ここは何でもいいです。自分が持っている文法をフルに使ってやってみてください。意外と喋れないことに気がつけます。
最後に
以上です。
筆者は学習方法はなんでもいいと思っています。現時点では『音読が最強』だと思っていますが、それ以外の方法でもいいと思います。あくまでも学習の仕方は目的達成のための手段に過ぎないので、自分に合わないと思ったら、自分に合う方法を追求するだけです。
自分が楽しいと感じた学習方法が最良の方法です。
この記事がこれからDELE B1を受験する人の役に立てば嬉しいです。参考にしてみてください。